第3章 Red Hat Satellite のアップグレード
高可用性設定で Satellite 6 をインストールしている場合は、Satellite 6.10 へアップグレードする前に Red Hat サポートにご連絡ください。
以下の手順を使用して既存の Red Hat Satellite を Red Hat Satellite 6.10 にアップグレードします。
アップグレードを行う前に「前提条件」を参照してください。
3.1. Satellite Server のアップグレード
このセクションでは、Satellite Server を 6.9 から 6.10 にアップグレードする方法を説明します。
次に進む前に、Satellite Server 6.9 を最新の 6.9.z リリースに更新します。以下のコマンドを使用すると、最新の z-stream に更新できます。
# satellite-maintain upgrade run --target-version 6.9.z
6.10 にアップグレードする前に、最新の z-stream に更新したことを確認してください。Satellite Server の更新の詳細については、「Satellite Server の更新」 を参照してください。
6.9 から 6.10 にアップグレードするプロセスにより、Pulp コンテンツも移行しますが、この手順にはかなり時間がかかる場合があります。「コンテンツを Pulp 3 に移行するための準備」の手順に従って、この時間を短くすることができます。
Pulp 2 から Pulp 3 にコンテンツを事前に移行していない場合は、Pulp コンテンツの移行を開始する前に Satellite Server の最新バージョンにアップグレードする必要があります。
作業開始前の準備
- Capsule は、Satellite とは別にアップグレードできます。詳しくは、「Satellite とは別の Capsule のアップグレード」をご覧ください。
- Satellite Server をアップグレードする前に、ファイアウォールの設定を確認して更新してください。詳細については、Satellite Server のインストール の インストールのための環境準備 を参照してください。
- カスタマーポータルまたは Satellite Web UI からマニフェストを削除しないでください。削除すると、コンテンツホストからエンタイトルメントがすべて削除されます。
- アップグレードする前に、全 Foreman フックのバックアップを作成して、その後フックを削除します。アップグレードが完了し、Satellite が動作しているのを確認したら、フックを復元します。Foreman Hooks 機能は非推奨となり、次の Satellite バージョンで削除される予定です。
- デフォルトのテンプレートを編集した場合は、ファイルのクローンを作成するか、ファイルをエクスポートしてバックアップしてください。推奨される方法はクローン作成です。今後の更新やアップグレードでファイルが上書きされることがなくなるためです。テンプレートの変更の有無を確認するには、アップグレード前に 履歴 を確認するか、アップグレード後に監査ログで変更を表示できます。Satellite Web UI で Monitor > Audits に移動し、テンプレートを検索すると、変更履歴を確認できます。エクスポートを使用する場合は、エクスポートしたテンプレートと、デフォルトテンプレートを比較し、手動で変更を適用して変更を復元します。
- Pulp コンテンツの移行は、6.10 へのアップグレード前に 6.9 で実行されます。
移行プロセスを開始する前に、
/var/lib/pulp/published
の 2 倍のコンテンツを保存するのに十分なストレージ容量があることを確認します。以下を使用して/var/lib/pulp/published
のサイズを確認します。# du -sh /var/lib/pulp/published/
- コンテンツの移行はオンラインで実行できますが、プロセッサー、ディスク、およびメモリーリソースを使用します。同期およびコンテンツビューの公開操作は、結果として時間がかかる可能性があります。
Pulp コンテンツを事前に移行していない場合は、
PULP_CONTENT_PREMIGRATION_BATCH_SIZE
設定は、同時に処理されるコンテンツユニットの数を定義します。使用される RAM の容量と I/O 負荷に影響します。値が小さいほどsatellite-maintain content prepare
の完了に時間がかかります。その時点で移行するコンテンツが残っている場合は、アップグレードのダウンタイムも長くなります。- デフォルト値は 1000 です。
- システムにハードディスクドライブがある場合や、I/O 負荷について懸念がある場合は、推奨の値は 50 になります。
- 小さい値は推奨されていません。
以下の方法を使用して、
PULP_CONTENT_PREMIGRATION_BATCH_SIZE
を設定します。ディレクトリーおよびファイルを作成します。
$ mkdir /etc/systemd/system/pulpcore-worker@.service.d/ $ vi /etc/systemd/system/pulpcore-worker@.service.d/settings.conf
コンテンツの場合:
[Service] User=pulp Environment=PULP_CONTENT_PREMIGRATION_BATCH_SIZE=1000
以下のコマンドを使用して、
satellite-maintain
サービスを再起動します。# systemctl daemon-reload # satellite-maintain service restart
詳細は、コンテンツを Pulp 3 に移行するための準備 を参照してください。
Capsule に関する留意事項
- Capsule Server のベースオペレーティングシステム、または Capsule Server リポジトリーへの更新をコンテンツビューで管理する場合は、更新したコンテンツビューを公開する必要があります。
- 6.9 から 6.10 にアップグレードされた Satellite Server は、引き続き 6.9 の Capsule Server を使用できることに注意してください。
カスタムの証明書を実装している場合は、/root/ssl-build
ディレクトリーと、カスタム証明書に関連するソースファイルを作成したディレクトリーのコンテンツを保持する必要があります。
アップグレード時にこのファイルを保持できないと、アップグレードは失敗します。ファイルを削除してしまった場合は、アップグレードを進めるためにバックアップから復元する必要があります。
アップグレードシナリオ
- Red Hat コンテンツ配信ネットワークに接続されている Satellite Server をアップグレードする場合は 「接続されている Satellite Server のアップグレード」 に進みます。
- Red Hat コンテンツ配信ネットワークに接続されていない Satellite Server をアップグレードする場合は 「切断されている Satellite Server のアップグレード」 に進みます。
自己登録の Satellite をアップグレードすることはできません。自己登録の Satellite は、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) に移行すればアップグレードを実行できます。自己登録の Satellite を CDN に移行する方法は、Satellite 6.10 Red Hat Satellite のアップグレードと更新ガイドの 自己登録された Satellite の移行 を参照してください。
FIPS モード
FIPS モードを使用していない RHEL ベースのシステムから、FIPS モードを使用する RHEL ベースのシステムに Satellite Server をアップグレードすることはできません。
FIPS モードの Red Hat Enterprise Linux ベースシステムで Satellite Server を実行するには、FIPS モードで稼働する RHEL ベースのオペレーティングシステムを新規にプロビジョニングして、Satellite をインストールする必要があります。詳細については、Satellite Server のインストール の インストールのための環境準備 を参照してください。
3.1.1. コンテンツを Pulp 3 に移行するための準備
Pulp 3 用にコンテンツを準備する時間は、コンテンツの量とコンテンツビューの数によって異なります。大規模なシステムでは、数日間のダウンタイムを意味します。これを防ぐには、最新バージョンの Satellite Server 6.9 の実行中に Pulp コンテンツを事前に移行します。これにより、全体的なアップグレードのダウンタイムが短縮されます。
Pulp3 への移行中に、/var/lib/pulp/published/
ディレクトリーに保存されるデータの量が 2 倍になる可能性があります。/var/lib/pulp
ボリュームに十分なスペースがあることを確認してください。ユーザーが satellite-maintain prep-6.10-upgrade
を実行する場合、/var/lib/pulp/content
のコンテンツを複製する必要はありません。Pulp 2 を削除したら、余分な領域を戻すことができます。ただし、XFS ボリュームの縮小はできません。ボリュームのサイズを以前の値に下げるには、別のパーティションにデータをコピーする必要がある場合があります。
Pulp 3 への移行中に、Postgre SQL データディレクトリーに保存されるデータの量が大幅に増加する可能性があります。移行のための十分なスペースがあることを確認してください。必要なスペースの概算は、MongoDB Pulp 2 データベースの 2〜3 倍のサイズです。
移行前のチェック
複合コンテンツビューがある場合は常にシーケンスを実行し、最初にそれらに対してアクションを実行してから、コンテンツビューで作業する必要があります。
- 有効になっているすべてのリポジトリーが Synchronization プロセスを完了していることを確認してください。
- リポジトリーが 警告 または エラー 状態で同期されている場合は、根本的な問題を修正して、リポジトリーを再同期します。
-
Pulp 2 から Pulp 3 への移行がエラー
NoMethodError: undefined method 'link?' for nil:NilClass
で失敗する場合、Red Hat ナレッジベースソリューション The Pulp 2 to Pulp 3 migration fails with error "NoMethodError: undefined method 'link?' for nil:NilClass" in Red Hat Satellite 6.9 - システム内の一時停止されたタスクがリポジトリーまたはコンテンツビューに関連していないことを確認してください。
- 一部のコンテンツビューまたは複合コンテンツビューのバージョンが不要になった場合は、それらのクリーンアップの実行を検討してください。
-
hammer_cli
を使用して古い Content View または Composite Content View バージョンのクリーンアップを実行する方法の詳細については、How to remove old content view versions in Red Hat Satellite 6 using CLI/hammer? を参照してください。 。 - 特定のリポジトリーが不要になった、または使用しなくなった場合は、それらの特定のリポジトリーを無効にします。
- 移行が完了するまで、すべての同期プランが無効になっていることを確認します。
- クリーンアッププロセスが終了したら、How to delete orphaned content in /var/lib/pulp on Capsule? の手順に従って孤立したデータをクリーンアップするようにしてください。
Satellite でエラーなしで次のコマンドを入力できることを確認してください。
# foreman-rake katello:correct_repositories COMMIT=true --trace
以下の手順を使用して、Pulp 2 から Pulp 3 へのコンテンツの移行を開始します。
手順
以下のコマンドを使用して、Satellite Server をアップグレードする前にファイルパーミッションを更新します。
# satellite-maintain prep-6.10-upgrade
レイテンシーが高いシステムでは時間がかかる場合があります。
以下のコマンドを使用して、事前に移行するコンテンツの詳細を表示します。
# satellite-maintain content migration-stats
移行プロセス中に必要に応じてこのコマンドを使用して、プロセスにかかる時間を判断します。また、移行失敗の原因となる可能性のある破損または不足しているコンテンツも特定します。出力は以下のようになります。
Running Retrieve Pulp 2 to Pulp 3 migration statistics ============================================ Retrieve Pulp 2 to Pulp 3 migration statistics: ============Migration Summary================ Migrated/Total RPMs: 0/367633 Migrated/Total errata: 0/20780140 Migrated/Total repositories: 0/33924 Estimated migration time based on yum content: 47 hours, 23 minutes Note: ensure there is sufficient storage space for /var/lib/pulp/published to double in size before starting the migration process. Check the size of /var/lib/pulp/published with 'du -sh /var/lib/pulp/published/' Note: ensure there is sufficient storage space for postgresql. You will need additional space for your postgresql database. The partition holding '/var/opt/rh/rh-postgresql12/lib/pgsql/data/' will need additional free space equivalent to the size of your Mongo db database (/var/lib/mongodb/). [OK]
以下のコマンドを使用して、Pulp 移行用にコンテンツを準備します。
# satellite-maintain content prepare
最終ステップの一環として、
satellite-maintain content prepare
は、コンテンツユニットの移行がまだかどうか確認します。破損したコンテンツや欠落しているコンテンツを特定すると、以下のような内容が表示される場合があります。============Missing/Corrupted Content Summary================ WARNING: MISSING OR CORRUPTED CONTENT DETECTED Corrupted or Missing Rpm: 1000/104583 Corrupted or missing content has been detected, you can examine the list of content in /tmp/unmigratable_content-20211025-74422-16cxfae and take action by either: 1. Performing a 'Verify Checksum' sync under Advanced Sync Options, let it complete, and re-running the migration 2. Deleting/disabling the affected repositories and running orphan cleanup (foreman-rake katello:delete_orphaned_content) and re-running the migration. 3. Manually correcting files on the filesystem in /var/lib/pulp/content/ and re-running the migration 4. Mark currently corrupted or missing content as skipped (foreman-rake katello:approve_corrupted_migration_content). This will skip migration of missing or corrupted content.
コンテンツが破損または欠落している原因はいくつかあります。
- 移行中にリポジトリーの同期または Content View の公開またはプロモーションが発生しました。
-
/var/lib/pulp/content/
内のディスク上のファイルは、ディスクの腐敗により破損しました。 -
/var/lib/pulp/content/
内のファイルは、部分的な復元によるディスクの損失などの過去のイベントのために欠落しています。 Katello や Pulp などの Satellite のサブシステム間にはいくつかの不一致があります。これは、一時停止した Red Hat Satellite タスクの手順をスキップしてリポジトリーまたはコンテンツビューが不適切に削除された場合に発生する可能性があります。
foreman-rake katello:correct_repositories COMMIT=true
を実行すると、これを修正できます。上記の
/tmp/unmigratable_content-20211025-74422-16cxfae20211120-2149-1j4pmfae
サンプルでは、satellite-maintain content migration-stats コマンド
の一部として、ディスクに書き込まれた破損または欠落している RPM のリストを確認できます。修復不能コンテンツが所属するリポジトリーを判断する方法は、How to determine the repository to run Verify Checksum on for reported corrupted RPMs を参照してください。
移行できないコンテンツが含まれるリポジトリーが On-demand ダウンロードポリシーを使用して設定されており、欠落や破損のある RPM の数が少ない場合にはほぼ、以下のコマンドを使用してスキップするようにマークできます。
# foreman-rake katello:approve_corrupted_migration_content
破損または欠落しているコンテンツを承認してアップグレードを続行すると、アップグレード後にそのコンテンツはリポジトリーまたはコンテンツビューのバージョンに表示されなくなります。
これらのパッケージがアップストリームリポジトリーに存在する場合は、アップグレード後にリポジトリーを再同期すると、これらのパッケージが再度追加されます。これらのコンテンツビューを再公開しない限り、Content View に復元されません。これらのパッケージは使用できない可能性が高いため、アップグレードプロセスはその事実のみを検出します。
移行中にリポジトリーの同期または Content View の公開またはプロモーションが発生したと思われる場合は、
satellite-maintain content prepare
を再実行すると、残りのコンテンツが移行されます。初めてsatellite-maintain content prepare
を実行する場合、Red Hat は、破損または欠落している RPM の数を減らすために、必要な頻度で実行することが推奨されます。残りのコンテンツの移行にかかる時間は短くなります。注記Ctrl
+C
を使用して、satellite-maintain content prepare
プロセスを終了することはできません。Ctrl
+C
を使用して、あるいは SSH セッションを切断してプロセスを停止しようとすると、プロセスは終了せずにバックグラウンドで続行されます。必要に応じて、いつでも以下のコマンドを使用してプロセスを正常に終了し、後で続行できます。# satellite-maintain content prepare-abort
satellite-maintain content prepare-abort
は、プロセスを終了するまでに数分の時間がかかる場合があります。可能な状況になったら、いつでもsatellite-maintain content prepare
を使用して移行プロセスを続行できます。
このプロセスでは、移行が完了していることを確認しません。次のコマンドを使用して、プロセスがどの程度完了に近いかを判断できます。
# satellite-maintain content migration-stats
指定した移行時間がゼロまたはほぼゼロになるまでの間隔。
Pulp コンテンツの移行の最終手順は、Satellite Server を 6.9 から 6.10 にアップグレードする際に完了します。
注記問題が発生した場合には、以下のコマンドを使用して、事前移行のプロセスを最初から再起動することができます。
# satellite-maintain content migration-reset
- Pulp コンテンツの移行の最終手順は、Satellite Server を 6.9 から 6.10 にアップグレードする際に完了します。
3.1.2. 接続されている Satellite Server のアップグレード
パブリックインターネットにアクセスできる Satellite Server には、この手順を使用します。
設定ファイルを手動で、または Hiera などのツールを使用してカスタマイズした場合、その変更内容は、アップグレード時または更新時にインストールスクリプトを実行すると上書きされます。satellite-installer スクリプトで --noop
オプションを使用すると、変更をテストできます。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューションの How to use the noop option to check for changes in Satellite config files during an upgrade を参照してください。
Satellite Server のアップグレード
バックアップを作成します。
- 仮想マシンで、スナップショットを作成します。
物理マシンで、バックアップを作成します。
バックアップに関する詳細は、Red Hat Satellite 6.9 の管理ガイドの Satellite Server と Capsule Server のバックアップ を参照してください。
-
オプション:
/etc/zones.conf
または/etc/dhcp/dhcpd.conf
ファイルで DNS または DHCP の設定を手動で編集した場合には、設定ファイルをバックアップしてください。インストーラーはドメインまたはサブネットを 1 つしかサポートしないので、これらのバックアップから変更を復元しなければならない場合があります。 オプション: DNS または DHCP の設定ファイルを手動で編集した場合に、変更の上書きを避けるには、以下のコマンドを実行します。
# satellite-installer --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dhcp-managed=false
- Satellite Web UI で、Hosts > Discovered hosts に移動します。検出されたホストページで、検出されたホストの電源を切って削除します。Select an Organization メニューで、組織を順番に選択し、検出されたホストの電源を切って削除するプロセスを繰り返します。アップグレードが完了したら、これらのホストを再起動することをメモしておきます。
-
6.10 にアップグレードする Satellite 6.9/Capsule 6.9 Server の
/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルでapache::purge_configs: false
エントリーがないか、コメントアウトされているようにしてください。 Satellite Maintenance リポジトリーが有効になっていることを確認します。
# subscription-manager repos --enable \ rhel-7-server-satellite-maintenance-6-rpms
利用可能なバージョンを確認して、希望のバージョンが表示されていることを確認します。
# satellite-maintain upgrade list-versions
ヘルスチェックオプションを使用して、システムをアップグレードする準備が完了しているかどうかを確認します。プロンプトが表示されたら、hammer の管理者ユーザー認証情報を入力して
satellite-maintain
を設定します。この変更は、/etc/foreman-maintain/foreman-maintain-hammer.yml
ファイルに適用されます。# satellite-maintain upgrade check --target-version 6.10
結果を確認し、アップグレードを実行する前に、強調表示されているエラー状態に対応します。
アップグレード時間は長くなるため、通信セッションの中断と再接続を可能にする
screen
などのユーティリティーを使用します。これにより、コマンドシェルに接続し続けなくてもアップグレードの進捗が確認できるようになります。screen コマンドの使用方法は、Red Hat ナレッジベース の How do I use the screen command? を参照してください。アップグレードコマンドを実行しているコマンドシェルへの接続がなくなった場合は、
/var/log/foreman-installer/satellite.log
ファイルのログメッセージで、プロセスが完全に終了したかどうかを確認できます。アップグレードを実行します。
# satellite-maintain upgrade run --target-version 6.10
カーネルパッケージが最後に更新された日時を確認します。
# rpm -qa --last | grep kernel
オプション: カーネルを更新してから再起動していない場合には、システムを再起動します。
# reboot
BASH シェルを使用している場合は、アップグレードに成功または失敗した後に、以下を入力します。
# hash -d satellite-maintain service 2> /dev/null
Pulp 2 から Pulp 3 にコンテンツを移行した場合は、Pulp 2 コンテンツをすべて削除します。
# satellite-maintain content remove-pulp2
これにより、Pulp 2 RPM、
/var/lib/pulp/content/
のコンテンツ、mongo データベース、および Pulp 3 データベースの移行コンテンツが削除されます。
3.1.3. 切断されている Satellite Server のアップグレード
Satellite Server が Red Hat コンテンツ配信ネットワークに接続されていない場合には、この手順を使用します。
-
設定ファイルを手動または Hiera などのツールを使用してカスタマイズしている場合、これらの変更内容はアップグレードまたは更新時に
satellite-maintain
コマンドを入力すると上書きされます。satellite-installer
コマンドを--noop
オプションを指定して使用し、アップグレードまたは更新時に適用された変更を確認します。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューションの How to use the noop option to check for changes in Satellite config files during an upgrade を参照してください。 hammer import および export コマンドが
hammer content-import
およびhammer content-export
ツールに置き換えられました。hammer content-view version export
、hammer content-view version export-legacy
、hammer repository export
、またはそれぞれの import コマンドを使用するスクリプトがある場合は、代わりにhammer content-export
コマンドおよびそれぞれの import コマンドを使用するように調整する必要があります。カスタムの証明書を実装している場合は、
/root/ssl-build
ディレクトリーと、カスタム証明書に関連するソースファイルを作成したディレクトリーのコンテンツを保持する必要があります。アップグレード時にこのファイルを保持できないと、アップグレードは失敗します。ファイルを削除してしまった場合は、アップグレードを進めるためにバックアップから復元する必要があります。
作業開始前の準備
- Satellite Server をアップグレードする前に、ファイアウォールの設定を確認して更新してください。詳細は、Installing Satellite Server from a Disconnected Networkの Ports and Firewalls Requirements を参照してください。
- カスタマーポータルまたは Satellite Web UI からマニフェストを削除しないでください。削除すると、コンテンツホストからエンタイトルメントがすべて削除されます。
- アップグレードする前に、全 Foreman フックのバックアップを作成して、その後フックを削除します。アップグレードが完了し、Satellite が動作しているのを確認できるまで、フックを元に戻さないでください。
カスタムの証明書を実装している場合は、/root/ssl-build
ディレクトリーと、カスタム証明書に関連するソースファイルを作成したディレクトリーのコンテンツを保持する必要があります。
アップグレード時にこのファイルを保持できないと、アップグレードは失敗します。ファイルを削除してしまった場合は、アップグレードを進めるためにバックアップから復元する必要があります。
切断されている Satellite Server のアップグレード
バックアップを作成します。
- 仮想マシンで、スナップショットを作成します。
- 物理マシンで、バックアップを作成します。
アップグレード前スクリプトを使用すると、競合を検出して、Satellite Server に重複したエントリーがあり、アップグレード後に登録解除および削除できるホストをリストできます。また、このスクリプトは組織に割り当てられていないホストを検出します。組織が関連付けられていないホストが Hosts > All hosts にリストされており、同じ名前のコンテンツホストに組織がすでに関連付けられている場合、そのコンテンツホストは自動的に登録解除されます。これは、アップグレード前にこのようなホストを組織に関連付けることによって回避できます。
アップグレード前チェックスクリプトを実行して、アップグレード後に削除できるホストのリストを取得します。関連付けられていないホストが検出された場合は、アップグレードする前にそれらを組織に関連付けることを推奨します。
# foreman-rake katello:upgrade_check
-
オプション:
/etc/zones.conf
または/etc/dhcp/dhcpd.conf
ファイルで DNS または DHCP の設定を手動で編集した場合には、設定ファイルをバックアップしてください。インストーラーはドメインまたはサブネットを 1 つしかサポートしないので、これらのバックアップから変更を復元しなければならない場合があります。 オプション: DNS または DHCP の設定ファイルを手動で編集した場合に、変更の上書きを避けるには、以下のコマンドを実行します。
# satellite-installer --foreman-proxy-dns-managed=false \ --foreman-proxy-dhcp-managed=false
オプション: PostgreSQL を外部データベースとして使用する場合には、PostgreSQL サーバーで
rh-postgresql12-postgresql-evr
パッケージをインストールします。このパッケージはrhel-7-server-satellite-6.10-rpms
リポジトリーから取得できます。# yum install rh-postgresql12-postgresql-evr
-
Satellite Web UI で、Hosts > Discovered hosts に移動します。使用可能な検出されたホストがある場合は、それらをオフにして、
Discovered hosts
ページにあるすべてのエントリーを削除します。必要に応じて、組織設定メニューから、その他の組織を順番に選択し、すべてのエントリーを削除します。これらのホストは、アップグレード完了後に再起動します。 -
6.10 にアップグレードする Satellite 6.9/Capsule 6.9 Server の
/etc/foreman-installer/custom-hiera.yaml
ファイルでapache::purge_configs: false
エントリーがないか、コメントアウトされているようにしてください。 - すべての外部 Capsule Server が組織に割り当てられていることを確認します。割り当てられていないと、ホスト統合の変更により登録が解除される可能性があります。
以前のリポジトリーを削除します。
# rm /etc/yum.repos.d/*
satellite-maintain
サービスを停止します。# satellite-maintain service stop
追加の手順の詳細は、セクション 5.2 オフラインの Satellite Server の更新 を参照してください。
オプション: カスタムの Apache サーバー設定を適用している場合に、アップグレードを実行すると、カスタムの設定がインストール時のデフォルト設定に戻る点に注意してください。
アップグレード時に適用された変更をプレビューするには、
--noop
(操作なし) オプションを指定してsatellite-installer
コマンドを実行します。これらの変更は、以下の手順でsatellite-maintain upgrade
コマンドを入力すると適用します。次の行を
/etc/httpd/conf/httpd.conf
設定ファイルに追加します。Include /etc/httpd/conf.modules.d/*.conf
httpd
サービスを再起動します。# systemctl restart httpd
postgresql
データベースサービスおよびrh-mongodb34-mongod
データベースサービスを起動します。# systemctl start postgresql # systemctl start rh-mongodb34-mongod
--noop
オプションを指定して、satellite-installer
コマンドを入力します。# satellite-installer --scenario satellite --verbose --noop
アップグレード時に適用された変更をプレビューするには、
/var/log/foreman-installer/satellite.log
を確認します。設定ファイルへの変更を示す+++
と---
シンボルの場所を特定します。--noop
オプションを指定してsatellite-installer
コマンドを入力しても、Satellite に変更は適用されませんが、モジュール内の Puppet リソースによっては変更が適用されることを想定している場合があり、エラーのメッセージが表示される可能性があります。satellite-maintain
サービスを停止します。# satellite-maintain service stop
アップグレード時間は長くなるため、通信セッションの中断と再接続を可能にする
screen
などのユーティリティーを使用します。これにより、コマンドシェルに接続し続けなくてもアップグレードの進捗が確認できるようになります。screen コマンドの使用方法は、Red Hat ナレッジベース の How do I use the screen command? を参照してください。アップグレードコマンドを実行しているコマンドシェルへの接続がなくなった場合は、
/var/log/foreman-installer/satellite.log
のログで、プロセスが完全に終了したかどうかを確認できます。利用可能なバージョンを確認して、希望のバージョンが表示されていることを確認します。
# satellite-maintain upgrade list-versions
ヘルスチェックオプションを使用して、システムをアップグレードする準備が完了しているかどうかを確認します。プロンプトが表示されたら、hammer の管理者ユーザー認証情報を入力して
satellite-maintain
を設定します。この変更は、/etc/foreman-maintain/foreman-maintain-hammer.yml
ファイルに適用されます。# satellite-maintain upgrade check --target-version 6.10 \ --whitelist="repositories-validate,repositories-setup"
結果を確認し、アップグレードを実行する前に、強調表示されているエラー状態に対応します。
アップグレードを実行します。
# satellite-maintain upgrade run --target-version 6.10 \ --whitelist="repositories-validate,repositories-setup"
警告config サブディレクトリーを含むディレクトリーからコマンドを実行すると、以下のエラーが発生します。
ERROR: Scenario (config/satellite.yaml) was not found, can not continue.
このような場合は、root ユーザーのホームディレクトリーに移動し、コマンドを再実行します。
パッケージが古いか、足りないためにスクリプトに失敗した場合には、これらのパッケージを個別にダウンロードしてインストールする必要があります。詳細は、Installing Satellite Server from a Disconnected Networkガイドの Resolving Package Dependency Errors のセクションを参照してください。
BASH シェルを使用している場合は、アップグレードに成功または失敗した後に、以下を入力します。
# hash -d satellite-maintain service 2> /dev/null
Pulp 2 から Pulp 3 にコンテンツを移行した場合は、Pulp 2 コンテンツをすべて削除します。
# satellite-maintain content remove-pulp2
これにより、アップロードおよび同期された Pulp 2 パッケージ、
/var/lib/pulp/content/
のコンテンツ、MongoDB、および Pulp3 データベースの移行コンテンツが削除されます。カーネルパッケージが最後に更新された日時を確認します。
# rpm -qa --last | grep kernel
オプション: 最後の再起動以降にカーネルが更新された場合には、
satellite-maintain
サービスを停止して、システムを再起動します。# satellite-maintain service stop # reboot
- オプション: DNS または DHCP 設定ファイルを手動で編集した場合には、作成したバックアップを使用して、DNS と DHCP の設定ファイルに必要なすべての変更を確認し、復元します。
以前の手順で変更を加えた場合には、
satellite-maintain
サービスを再起動します。# satellite-maintain service restart
OpenSCAP プラグインがインストールされているにもかかわらず、デフォルトの OpenSCAP コンテンツが利用できない場合は、以下のコマンドを実行します。
# foreman-rake foreman_openscap:bulk_upload:default
- Satellite Web UI で Configure > Discovery Rules に移動し、選択した組織および場所を検出ルールに関連付けます。