第24章 Stratis ファイルシステムの設定
Stratis は、Red Hat Enterprise Linux 用のローカルストレージ管理ソリューションです。これは、シンプルさと使いやすさを重視し、高度なストレージ機能にアクセスできます。
Stratis は、物理ストレージデバイスのプールを管理するためにサービスとして実行され、複雑なストレージ設定のセットアップと管理を支援しながら、ローカルストレージ管理を使いやすく簡素化します。
Stratis はテクノロジープレビュー機能としてのみご利用いただけます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat では、実稼働環境での使用を推奨していません。これらの機能により、近日発表予定の製品機能をリリースに先駆けてご提供でき、お客様は開発プロセス時に機能をテストして、フィードバックをお寄せいただくことができます。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲の詳細は、https://access.redhat.com/ja/support/offerings/techpreview/ を参照してください。
Stratis は、以下のために使用できます。
- ストレージの初期設定
- その後の変更
- 高度なストレージ機能の使用
Stratis の中心的な概念はストレージプールです。このプールは 1 つ以上のローカルディスクまたはパーティションから作成され、ファイルシステムはプールから作成されます。プールでは次のような機能が有効になります。
- ファイルシステムのスナップショット
- シンプロビジョニング
- キャッシュ
- 暗号化
24.1. Stratis ファイルシステムのコンポーネント リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
外部的には、Stratis はコマンドラインと API を通じて次のファイルシステムコンポーネントを提供します。
blockdev
- ディスクやディスクパーティションなどのブロックデバイス。
pool
1 つ以上のブロックデバイスで構成されます。
プールの合計サイズは固定で、ブロックデバイスのサイズと同じです。
プールには、
dm-cache
ターゲットを使用した不揮発性データキャッシュなど、ほとんどの Stratis レイヤーが含まれています。Stratis は、各プールの
/dev/stratis/my-pool/
ディレクトリーを作成します。このディレクトリーには、プール内の Stratis ファイルシステムを表すデバイスへのリンクが含まれています。
filesystem
各プールには 0 個以上のファイルシステムを含めることができます。ファイルシステムを含むプールには、任意の数のファイルを保存できます。
ファイルシステムはシンプロビジョニングされており、合計サイズは固定されていません。ファイルシステムの実際のサイズは、そこに格納されているデータとともに大きくなります。データのサイズがファイルシステムの仮想サイズに近づくと、Stratis はシンボリュームとファイルシステムを自動的に拡張します。
ファイルシステムは XFS ファイルシステムでフォーマットされます。
重要Stratis は、XFS が認識しない、作成されたファイルシステムに関する情報を追跡します。また、XFS を使用して行われた変更によって、Stratis が自動的に更新されることはありません。ユーザーは、Stratis が管理する XFS ファイルシステムを再フォーマットまたは再設定しないでください。
Stratis は、
/dev/stratis/my-pool/my-fs
パスにファイルシステムへのリンクを作成します。
Stratis は、dmsetup
リストと /proc/partitions
ファイルに表示される多くの Device Mapper デバイスを使用します。同様に、lsblk
コマンドの出力は、Stratis の内部の仕組みとレイヤーを反映します。