11.4. SR-IOV ネットワークデバイスの設定
クラスターで Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) デバイスを設定できます。
11.4.1. SR-IOV ネットワークノード設定オブジェクト
SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトを定義することで、ノードの SR-IOV ネットワークデバイス設定を指定します。オブジェクトは sriovnetwork.openshift.io
API グループの一部です。
以下の YAML は SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトについて説明しています。
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 kind: SriovNetworkNodePolicy metadata: name: <name> 1 namespace: openshift-sriov-network-operator 2 spec: resourceName: <sriov_resource_name> 3 nodeSelector: feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true" 4 priority: <priority> 5 mtu: <mtu> 6 numVfs: <num> 7 nicSelector: 8 vendor: "<vendor_code>" 9 deviceID: "<device_id>" 10 pfNames: ["<pf_name>", ...] 11 rootDevices: ["<pci_bus_id>", "..."] 12 deviceType: <device_type> 13 isRdma: false 14
- 1
- CR オブジェクトの名前。
- 2
- SR-IOV Operator がインストールされている namespace。
- 3
- SR-IOV デバイスプラグインのリソース名。1 つのリソース名に複数の
SriovNetworkNodePolicy
オブジェクトを作成できます。 - 4
- 設定されたノードを選択するノードセレクター。選択したノード上の SR-IOV ネットワークデバイスのみが設定されます。SR-IOV Container Network Interface (CNI) プラグインおよびデバイスプラグインは、選択したノードにのみデプロイされます。
- 5
- オプション:
0
から99
までの整数値。数値が小さいほど優先度が高くなります。したがって、10
は99
よりも優先度が高くなります。デフォルト値は99
です。 - 6
- オプション: 仮想機能 (VF) の最大転送単位 (MTU)。MTU の最大値は NIC モデルによって異なります。
- 7
- SR-IOV 物理ネットワークデバイス用に作成する仮想機能 (VF) の数。Intel Network Interface Card (NIC) の場合、VF の数はデバイスがサポートする VF の合計よりも大きくすることはできません。Mellanox NIC の場合、VF の数は
128
よりも大きくすることはできません。 - 8
nicSelector
マッピングは、Operator が設定するデバイスを選択します。すべてのパラメーターの値を指定する必要はありません。意図せずにデバイスを選択しないように、ネットワークデバイスを極めて正確に特定することが推奨されます。rootDevices
を指定する場合、vendor
、deviceID
、またはpfName
の値も指定する必要があります。pfNames
およびrootDevices
の両方を同時に指定する場合、それらが同一のデバイスをポイントすることを確認します。- 9
- オプション: SR-IOV ネットワークデバイスのベンダー 16 進コード。許可される値は
8086
および15b3
のみになります。 - 10
- オプション: SR-IOV ネットワークデバイスのデバイス 16 進コード。許可される値は
158b
、1015
、および1017
のみになります。 - 11
- オプション: 1 つ以上のデバイスの物理機能 (PF) 名の配列。
- 12
- デバイスの PF 用の 1 つ以上の PCI バスアドレスの配列。以下の形式でアドレスを指定します:
0000:02:00.1
- 13
- オプション: 仮想機能 (VF) のドライバータイプ。許可される値は
netdevice
およびvfio-pci
のみです。デフォルト値はnetdevice
です。注記Mellanox カードをベアメタルノードの Data Plane Development Kit (DPDK) モードで機能させるには、
netdevice
ドライバータイプを使用し、isRdma
をtrue
に設定します。 - 14
- オプション: Remote Direct Memory Access (RDMA) モードを有効にするかどうか。デフォルト値は
false
です。注記isRDMA
パラメーターがtrue
に設定される場合、引き続き RDMA 対応の VF を通常のネットワークデバイスとして使用できます。デバイスはどちらのモードでも使用できます。
11.4.1.1. SR-IOV デバイスの仮想機能 (VF) パーティション設定
Virtual Function (VF) を同じ物理機能 (PF) から複数のリソースプールに分割する必要がある場合があります。たとえば、VF の一部をデフォルトドライバーで読み込み、残りの VF を vfio-pci
ドライバーで読み込む必要がある場合などです。このようなデプロイメントでは、SriovNetworkNodePolicy カスタムリソース (CR) の pfNames
セレクターは、以下の形式を使用してプールの VF の範囲を指定するために使用できます: <pfname>#<first_vf>-<last_vf>
たとえば、以下の YAML は、VF が 2
から 7
まである netpf0
という名前のインターフェイスのセレクターを示します。
pfNames: ["netpf0#2-7"]
-
netpf0
は PF インターフェイス名です。 -
2
は、範囲に含まれる最初の VF インデックス (0 ベース) です。 -
7
は、範囲に含まれる最後の VF インデックス (0 ベース) です。
以下の要件を満たす場合、異なるポリシー CR を使用して同じ PF から VF を選択できます。
-
numVfs
の値は、同じ PF を選択するポリシーで同一である必要があります。 -
VF インデックスは、
0
から<numVfs>-1
の範囲にある必要があります。たとえば、numVfs
が8
に設定されているポリシーがある場合、<first_vf>
の値は0
よりも小さくすることはできず、<last_vf>
は7
よりも大きくすることはできません。 - 異なるポリシーの VF の範囲は重複しないようにしてください。
-
<first_vf>
は<last_vf>
よりも大きくすることはできません。
以下の例は、SR-IOV デバイスの NIC パーティション設定を示しています。
ポリシー policy-net-1
は、デフォルトの VF ドライバーと共に PF netpf0
の VF 0
が含まれるリソースプール net-1
を定義します。ポリシー policy-net-1-dpdk
は、vfio
VF ドライバーと共に PF netpf0
の VF 8
から 15
までが含まれるリソースプール net-1-dpdk
を定義します。
ポリシー policy-net-1
:
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 kind: SriovNetworkNodePolicy metadata: name: policy-net-1 namespace: openshift-sriov-network-operator spec: resourceName: net1 nodeSelector: feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true" numVfs: 16 nicSelector: pfNames: ["netpf0#0-0"] deviceType: netdevice
ポリシー policy-net-1-dpdk
:
apiVersion: sriovnetwork.openshift.io/v1 kind: SriovNetworkNodePolicy metadata: name: policy-net-1-dpdk namespace: openshift-sriov-network-operator spec: resourceName: net1dpdk nodeSelector: feature.node.kubernetes.io/network-sriov.capable: "true" numVfs: 16 nicSelector: pfNames: ["netpf0#8-15"] deviceType: vfio-pci