A.4. strace の変更点
Red Hat Developer Toolset 12.1 には strace 5.18 が同梱されています。
以下の機能は、Red Hat Developer Toolset の以前のリリース以降に追加または変更されています。
動作の変更
変更された
%process
クラスには、プロセスのライフサイクル (作成、実行、終了) に関連するシステムコールが含まれています。-
新しい呼び出し:
kill
、tkill
、tgkill
、pidfd_send_signal
、およびrt_sigqueueinfo
-
削除された呼び出し:
arch_prctl
およびunshare
-
新しい呼び出し:
改良
-
新しい
--secontext=mismatch
オプションは、SELinux コンテキストで不一致を検出します。 -
出力文字列のエスケープシーケンスで 8 進数文字の代わりに 16 進数を使用するための新しい
--strings-in-hex=non-ascii-chars
オプション。 -
新しい
--decode-pids=comm
オプションとそのエイリアス-Y
は、PID のコマンド名を出力します。 -
--pidns-translation
オプションの新しい--decode-pids=pidns
エイリアス。 -
--decode-fds=path
オプションを有効にしてAT_FDCWD
定数を使用した場合の現在の作業ディレクトリーの出力が実装されました。 -
新しい
--tips
オプションは、トレースセッションの最後にstrace
のヒント、トリック、微調整を出力します。 -
all@pers
および%class@pers
をサポートするための、システムコール仕様式のパーソナリティー指定構文が拡張されました。 - syscall 仕様式の無効なシステムコール番号の拒否を強化しました。
-
次のシステムコールのデコードが実装されています:
futex_waitv
、memfd_secret
、process_mrelease
、quotactl_fd
、およびset_mempolicy_home_node
。 -
次のシステムコールのデコードが強化されました:
bpf
、io_uring_register
、prctl
、seccomp
、およびtimes
。 -
次の
ioctl
コマンドのデコードが実装されています:COUNTER_*
、HDIO_
、KD*
、LIRC*
、RTC_PARAM_GET
、RTC_PARAM_SET
、およびSECCOMP_*
。 -
BTRFS_IOC_FS_INFO
ioctl
コマンドのデコードが強化されました。 -
次の netlink メッセージのデコードが実装されています:
RTM_NEWCACHEREPORT
、RTM_{NEW,DEL,GET}NEXTHOP
、およびRTM_{NEW,GET}STATS NETLINK_ROUTE
。 -
次の netlink 属性のデコードが強化されました:
IFLA_*
、MDBA_ROUTER_PATTR_*
、TCA_ACT_IN_HW_COUNT
、*_INTVL
、および*_TIMER
。 -
siginfo_t.si_pkey
フィールドのデコードが実装されています。 -
関連する
AUDIT_ARCH_*
値 (ptracePTRACE_GET_SYSCALL_INFO
要求、SIGSYS
siginfo_t
) が存在する場所でのシステムコール名の出力が改善されました。 -
次のソケットアドレスのデコードが実装されています:
AF_ALG
、AF_IEEE802154
、AF_MCTP
、AF_NFC
、AF_QIPCRTR
、AF_RRPC
、AF_VSOCK
、およびAF_XDP
。 -
AF_IPX
およびAF_NETLINK
ソケットアドレスのデコードが強化されました。 -
次の定数の一覧が更新されました:
AF_*
、ARPHRD_*
、AUDIT_*
、BPF_*
、BR_*
、BTRFS_*
、DEVCONF_*
、DM_*
、ETH_P_*
、FAN_*
、FAN_REPORT_*
、IFA_*
、IFLA_*
、IORING_*
、IOSQE_*
、IPV4_DEVCONF_*
、KEY_*
、KVM_*
、MADV_*
、MODULE_INIT_*
、MOUNT_ATTR_*
、MOVE_MOUNT_*
、MPOL_*
、NDA_*
、PACKET_*
、RTM_*
、SCTP_*
、SO_*
、TCA_ACT_*
、UFFD_*
、V4L2_*
、XFRM_MSG_*
、および*_MAGIC
。 -
Linux 5.18 カーネルに合わせて
ioctl
コマンドのリストが更新されました。
バグ修正
-
bpf(BPF_*_GET_NEXT_ID)
呼び出しの終了時のunion bpf_attr.next_id
の更新された値の出力が修正されました。 -
struct bpf_prog_info.map_ids
配列の出力が修正されました。 -
--print-fds
オプションのdev
、pidfd
、およびsocket
引数は、path
引数を暗示しなくなりました。