3.2. make の使用
Makefile を使用せずにプログラムを構築するには、以下のように make
ツールを実行します。
$ scl enable devtoolset-12 'make source_file_without_extension'
このコマンドは、C、C++、Fortran を含む多数のプログラミング言語に定義される暗黙的なルールを利用します。結果は、現在の作業ディレクトリーの source_file_without_extension という名前のバイナリーファイルです。
この scl
ユーティリティーを使用してコマンドを実行すると、これを Red Hat Enterprise Linux システムに優先して使用する Red Hat Developer Toolset バイナリーで実行することができることに注意してください。これにより、デフォルトで Red Hat Developer Toolset make
でシェルセッションを実行できます。
$ scl enable devtoolset-12 'bash'
使用中の make
のバージョンを確認するには、以下を行います。
$ which make
Red Hat Developer Toolset の make
実行可能なパスは、/opt
で始まります。以下のコマンドを使用して、バージョン番号が Red Hat Developer Toolset make
と一致することを確認することができます。
$ make -v
例3.1 make を使用した C プログラムの構築
以下の内容を含むソースファイル hello.c
について考えてみましょう。
#include <stdio.h> int main(int argc, char *argv[]) { printf("Hello, World!\n"); return 0; }
Red Hat Developer Toolset の make
ユーティリティーで定義されている暗黙的なルールを使用して、このソースコードを構築します。
$ scl enable devtoolset-12 'make hello'
cc hello.c -o hello
これにより、現在の作業ディレクトリーに hello
という名前のバイナリーファイルが作成されます。