5.8. マルチパスを無効にしたデバイスに対する例外の追加
multipath.conf に例外を追加して、特定のデバイスのマルチパスを再度有効にします。これは、範囲の広い除外ルールを適用しているが、特定のデバイスではマルチパスが必要な場合に役立ちます。これにより、DM Multipath よって管理するデバイスを正確に制御できます。
前提条件
- 特定のデバイスでマルチパスが無効になっている。
手順
/etc/multipath.conf設定ファイルのblacklist_exceptionsセクションを使用して、デバイスでマルチパスを有効にします。設定ファイルの
blacklist_exceptionsセクションでデバイスを指定する場合は、blacklistセクションで指定したのと同じ基準を使用して例外を指定する必要があります。たとえば、無効にしたデバイスがその WWID に関連付けられている場合でも、WWID 例外はdevnodeエントリーで無効になっているデバイスには適用されません。同様に、devnode例外はdevnodeエントリーにしか適用されず、device例外はデバイスエントリーにしか適用されません。以下に、マルチパスを無効にしたデバイスに対して例外を追加する例を示します。
WWID による例外
たとえば、デバイスが多数あり、その中の 1 つのデバイス (以下の例では WWID が
3600d0230000000000e13955cc3757803のデバイス) でのみマルチパスを有効にする場合は、有効にするデバイス以外のものを 1 つ 1 つ無効にするのではなく、一旦すべてのデバイスを無効にしてから、/etc/multipath.confファイルに以下の行を追加し、必要なデバイスのみを有効にします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow または、感嘆符 (
!) を使用してblacklistエントリーを反転することもできます。これにより、指定した WWID を除くすべてのデバイスを無効にできます。blacklist { wwid "!3600d0230000000000e13955cc3757803" }blacklist { wwid "!3600d0230000000000e13955cc3757803" }Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow udev プロパティーによる例外
propertyパラメーターの挙動は、他のblacklist_exceptionパラメーターとは異なります。propertyパラメーターの値は、udevデータベース内の変数の名前と一致する必要があります。それ以外の場合は、デバイスは無効になります。このパラメーターを使用すると、USB スティックやローカルハードドライブなどの特定の SCSI デバイスでマルチパスを無効にできます。適切にマルチパス化できる SCSI デバイスでのみマルチパスを有効にするには、次の例のように、このパラメーターを
(SCSI_IDENT_|ID_WWN)に設定します。blacklist_exceptions { property "(SCSI_IDENT_|ID_WWN)" }blacklist_exceptions { property "(SCSI_IDENT_|ID_WWN)" }Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
次のいずれかのコマンドを実行してマルチパス設定ファイルを変更した後、
/etc/multipath.confファイルを検証します。設定エラーを表示するには、以下のコマンドを実行します。
multipath -t > /dev/null
# multipath -t > /dev/nullCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 変更が追加された新しい設定を表示するには、以下のコマンドを実行します。
multipath -t
# multipath -tCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
/etc/multipath.confファイルを再読み込みし、multipathdデーモンを再設定して変更を反映します。service multipathd reload
# service multipathd reloadCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow