第12章 カーネル
RHEL 7.6 のカーネルバージョン
Red Hat Enterprise Linux 7.6 は、カーネルバージョン 3.10.0-957 で配布されます。(BZ#1801759)
kdump
FCoE ターゲットが kexec-tools
ドキュメントに追加されました
この更新により、
kdump
Fibre Channel over Ethernet (FCoE) ターゲットが kexec-tools
ドキュメントに追加されます。その結果、ユーザーは FCoE ターゲットサポートに関する kdump
の状態と詳細をよりよく理解できるようになりました。(BZ#1352763)
SCHED_DEADLINE
スケジューラークラスが有効化されました
この更新により、Linux カーネルの
SCHED_DEADLINE
スケジューラークラスのサポートが追加されました。スケジューラーにより、アプリケーションの期限に基づいた予測可能なタスクのスケジューリングが可能になりました。SCHED_DEADLINE
は、固定優先度だけでなくアプリケーションのタイミング要件にも基づくタイミング分離を保証することで、定期的なワークロードに利益をもたらします。(BZ#1344565)
ユーザーマウント名前空間が完全にサポートされるようになりました
以前はテクノロジープレビューとして利用可能であったマウント名前空間機能が完全にサポートされるようになりました。(BZ#1350553)
kernel.shmmax
および kernel.shmall
が IBM Z のカーネルのデフォルトに更新されました
以前は、IBM Z 上の
kernel.shmmax
および kernel.shmall
パラメーターの値が低いために、場合によっては大量のメモリーを必要とするアプリケーションが予期せず終了しました。この更新により、kernel.shmmax
および kernel.shmall
の値がカーネルのデフォルトに合わせられます。これは、前述のクラッシュを回避するのに役立ちます。(BZ#1493069)
aQuantia Corporation atlantic
Network ドライバーを更新しました
aQuantia Corporation のネットワークドライバー
atlantic.ko.xz
がバージョン 2.0.2.1-kern に更新され、完全にサポートされるようになりました。(BZ#1451438)
Thunderbolt 3 がサポートされるようになりました
この更新により、Thunderbolt 3 インターフェイスのサポートが追加されました。(BZ#1620372)
Intel® Omni-Path Architecture (OPA) ホストソフトウェア
Red Hat Enterprise Linux 7.6 は、Intel Omni-Path Architecture (OPA) ホストソフトウェアに完全に対応しています。
Intel OPA は、クラスター環境のコンピュートと I/O ノード間の高性能データ転送 (高帯域幅、高メッセージレート、低レイテンシー) のために、初期化とセットアップを行う Host Fabric Interface (HFI) ハードウェアを提供します。
Intel Omni-Path Architecture のインストール方法は、https://www.intel.com/content/dam/support/us/en/documents/network-and-i-o/fabric-products/Intel_OP_Software_RHEL_7_6_RN_K34562.pdf (BZ#1627126) を参照してください。
opal-prd は、 IBM POWER Systems のリトルエンディアン版のバージョン 6.0.4 にリベースされました
IBM POWER Systems のリトルエンディアン版では、opal-prd パッケージがアップストリームバージョン 6.0.4 にアップグレードされ、以前のバージョンに比べて多くのバグ修正と拡張機能が提供されています。以下に例を示します。
- ハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) 環境のパフォーマンスが向上しました。
powernv_flash
モジュールはベースボード管理コントローラー (BMC) に基づいてシステムに明示的にロードされるようになり、opal-prd
デーモンが開始される前にフラッシュデバイスが作成されるようになります。- ソフトまたはハードオフラインの最初の失敗時のエラーは、
opal-prd
デーモンによって表示されなくなりました。(BZ#1564097、BZ#1537001)