3.2. SSSD を使用する利点
System Security Services Daemon (SSSD) を使用すると、ユーザーアイデンティティーの取得とユーザー認証に関してさまざまな利点が得られます。
- オフライン認証
- SSSD は、必要に応じて、リモートプロバイダーから取得したユーザー ID および認証情報のキャッシュを保持します。この設定では、セッションの開始時にすでにリモートプロバイダーに対して一度認証されている場合は、リモートプロバイダーまたはクライアントがオフラインであってもリソースに対して正常に認証できます。
- 単一のユーザーアカウント: 認証プロセスの一貫性の向上
SSSD では、オフライン認証用に中央アカウントとローカルユーザーアカウントの両方を維持する必要はありません。条件は次のとおりです。
- 特定のセッションでは、ユーザーが最低でも一度ログインしている必要があります。ユーザーが初めてログインしたときに、クライアントはリモートプロバイダーに接続する必要があります。
SSSD でキャッシュを有効にする必要があります。
SSSD を使用しないと、リモートユーザーには、多くの場合、複数のユーザーアカウントが存在します。たとえば、仮想プライベートネットワーク (VPN) に接続するには、リモートユーザーが、ローカルシステム用のアカウントのほかに、VPN システム用の別のアカウントが必要になります。このシナリオでは、最初にプライベートネットワーク上で認証して、リモートサーバーからユーザーを取得し、ユーザー認証情報をローカルでキャッシュする必要があります。
SSSD では、キャッシュおよびオフライン認証により、リモートユーザーはローカルマシンに認証することで、ネットワークリソースに接続できます。SSSD は次にネットワークの認証情報を維持します。
- ID プロバイダーおよび認証プロバイダーへの負荷の軽減
- 情報をリクエストすると、クライアントはまずローカルの SSSD キャッシュを確認します。SSSD は、キャッシュで情報が利用できない場合に限り、リモートプロバイダーに問い合わせます。