26.4. SPICE の主な変更
SPICE がサポート対象外に
RHEL 9 では、SPICE リモートディスプレイプロトコルに対応しなくなりました。SPICE で使用されるグラフィックデバイスである QXL もサポート対象外となりました。RHEL 9 ホストでは、SPICE または QXL を使用するように設定された仮想マシンが起動に失敗し、代わりに unsupported configuration
エラーが表示されます。
Red Hat は、SPICE の代わりに、リモートディスプレイストリーミング用の代替ソリューションを使用することを推奨しています。
リモートコンソールアクセスには、
VNC
プロトコルを使用します。ただし、SPICE で利用可能な特定の機能は現在サポートされていないか、VNC では適切に機能しないことに注意してください。ここでは、以下の点を説明します。- ホストから VM へのスマートカード共有 (現在、サードパーティーのリモート視覚化ソリューションでのみサポートされています)。
- VM からホストへのオーディオ再生
- VM 画面の自動サイズ変更
- ホストから VM への USB リダイレクト
- ホストから VM へのファイル転送のドラッグアンドドロップ
- ホストと仮想マシン間のクリップボード共有
- ライブマイグレーション中の仮想マシンへの無停止接続
- クライアントウィンドウによる仮想マシン画面の動的なサイズ変更
-
また、GNOME Boxes アプリケーションでは
VNC
を使用できません。その結果、Boxes は現在 RHEL 9 では使用できません。
- 高度なリモートディスプレイ機能には、RDP、HP ZCentral Remote Boost、Mechdyne TGX などのサードパーティー製ツールを使用します。
RHEL 9 でホストされているグラフィカル仮想マシンの場合、Red Hat は virtio-vga
および virtio-gpu
の仮想グラフィックカードの使用を推奨します。
仮想マシンを SPICE プロトコルから VNC
に切り替える方法の詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション Unable to define, create or start a Virtual Machine using spice or qxl in RHEL 9 KVM を参照してください。