6.2. SOAP1.1 バインディングへの SOAP ヘッダーの追加
概要
SOAP ヘッダーは、soap:header
要素をデフォルトの SOAP 1.1 バインディングに追加して定義されます。soap:header
要素は、バインディングの input
、output
、および fault
要素の任意の子です。SOAP ヘッダーは親メッセージの一部になります。SOAP ヘッダーは、メッセージとメッセージ部分を指定することによって定義されます。各 SOAP ヘッダーにはメッセージ部分を 1 つだけ含めることができますが、必要な数の SOAP ヘッダーを挿入できます。
構文
SOAP ヘッダーを定義するための構文を 例6.3「SOAP ヘッダー構文」 に示します。soap:header
の message
属性は、ヘッダーに挿入される部分が取得されたメッセージの修飾名です。part
属性は、SOAP ヘッダーに挿入されたメッセージ部分の名前です。SOAP ヘッダーは常にドキュメントスタイルであるため、SOAP ヘッダーに挿入される WSDL メッセージ部分は要素を使用して定義する必要があります。message
と part
属性はともに、SOAP ヘッダーに挿入するデータを完全に記述します。
例6.3 SOAP ヘッダー構文
<binding name="headwig"> <soap:binding style="document" transport="http://schemas.xmlsoap.org/soap/http"/> <operation name="weave"> <soap:operation soapAction="" style="document"/> <input name="grain"> <soap:body ... /> <soap:header message="QName" part="partName"/> </input> ... </binding>
必須の message
と part
属性と同様に、soap:header
は、namespace
、use
、および encodingStyle
属性もサポートします。これらの属性は soap:body
の場合と同様に soap:header
でも機能します。
本文とヘッダーの間でメッセージを分割
SOAP ヘッダーに挿入されるメッセージ部分は、コントラクトからの任意の有効なメッセージ部分にすることができます。これは、SOAP 本体として使用されている親メッセージの一部である場合もあります。同じメッセージで情報を 2 回送信する可能性は低いため、SOAP バインディングは、SOAP 本文に挿入されるメッセージ部分を指定する手段を提供します。
soap:body
要素には、部分名のスペース区切りリストを取る任意の属性 parts
があります。parts
が定義されると、リストされたメッセージ部分のみが SOAP ボディーに挿入されます。その後、残りの部分を SOAP ヘッダーに挿入できます。
親メッセージの一部を使用して SOAP ヘッダーを定義すると、Apache CXF が自動的に SOAP ヘッダーを入力します。
例
例6.4「SOAP 1.1 SOAP ヘッダーを使用したバインド」 は、例6.1「注文システムインターフェイス」 に示されている orderWidgets
サービスの変更バージョンを示しています。このバージョンが変更され、各注文のリクエストおよび応答の SOAP ヘッダーに xsd:base64binary
値が配置されます。SOAP ヘッダーは、widgetKey
メッセージの keyVal
部分として定義されます。この場合、SOAP ヘッダーは入力メッセージまたは出力メッセージの一部ではないため、アプリケーションロジックに SOAP ヘッダーを追加する必要があります。
例6.4 SOAP 1.1 SOAP ヘッダーを使用したバインド
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <definitions name="widgetOrderForm.wsdl" targetNamespace="http://widgetVendor.com/widgetOrderForm" xmlns="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/" xmlns:soap="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/soap/" xmlns:tns="http://widgetVendor.com/widgetOrderForm" xmlns:xsd="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:xsd1="http://widgetVendor.com/types/widgetTypes" xmlns:SOAP-ENC="http://schemas.xmlsoap.org/soap/encoding/"> <types> <schema targetNamespace="http://widgetVendor.com/types/widgetTypes" xmlns="http://www.w3.org/2001/XMLSchema" xmlns:wsdl="http://schemas.xmlsoap.org/wsdl/"> <element name="keyElem" type="xsd:base64Binary"/> </schema> </types> <message name="widgetOrder"> <part name="numOrdered" type="xsd:int"/> </message> <message name="widgetOrderBill"> <part name="price" type="xsd:float"/> </message> <message name="badSize"> <part name="numInventory" type="xsd:int"/> </message> <message name="widgetKey"> <part name="keyVal" element="xsd1:keyElem"/> </message> <portType name="orderWidgets"> <operation name="placeWidgetOrder"> <input message="tns:widgetOrder" name="order"/> <output message="tns:widgetOrderBill" name="bill"/> <fault message="tns:badSize" name="sizeFault"/> </operation> </portType> <binding name="orderWidgetsBinding" type="tns:orderWidgets"> <soap:binding style="document" transport="http://schemas.xmlsoap.org/soap/http"/> <operation name="placeWidgetOrder"> <soap:operation soapAction="" style="document"/> <input name="order"> <soap:body use="literal"/> <soap:header message="tns:widgetKey" part="keyVal"/> </input> <output name="bill"> <soap:body use="literal"/> <soap:header message="tns:widgetKey" part="keyVal"/> </output> <fault name="sizeFault"> <soap:body use="literal"/> </fault> </operation> </binding> ... </definitions>
例6.4「SOAP 1.1 SOAP ヘッダーを使用したバインド」 を変更して、ヘッダー値が入力メッセージと出力メッセージの一部になるようにします。