2.5.2. 配列の定義
概要
Apache CXF は、コントラクトで配列を定義する 2 つの方法をサポートしています。1 つ目は、値が 1 より大きい maxOccurs
属性のある 1 つの要素を持つ複合型を定義します。2 つ目は、SOAP 配列を使用することです。SOAP 配列は、多次元配列を簡単に定義したり、まばらに配置された配列を送信したりする機能などの追加機能を提供します。
複合型配列
複合型配列は、シーケンス複合型の特殊なケースです。単一要素で複合型を定義し、maxOccurs
属性の値を指定するだけです。たとえば、20 個の浮動小数点数の配列を定義するには、例2.9「複合型配列」 のような複合型を使用します。
例2.9 複合型配列
<complexType name="personalInfo"> <element name="averages" type="xsd:float" maxOccurs="20"/> </complexType>
minOccurs
属性の値を指定することもできます。
SOAP 配列
SOAP 配列は、wsdl:arrayType
要素を使用して SOAP-ENC:Array
基本型から派生することによって定義されます。このための構文は 例2.10「wsdl:arrayType を使用して派生した SOAP 配列の構文」 に示されています。definitions
要素が xmlns:SOAP-ENC="http://schemas.xmlsoap.org/soap/encoding/"
を宣言していることを確認します。
例2.10 wsdl:arrayType を使用して派生した SOAP 配列の構文
<complexType name="TypeName"> <complexContent> <restriction base="SOAP-ENC:Array"> <attribute ref="SOAP-ENC:arrayType" wsdl:arrayType="ElementType<ArrayBounds>"/> </restriction> </complexContent> </complexType>
この構文を使用して、TypeName は新しく定義された配列型の名前を指定します。ElementType は、配列内の要素の型を指定します。ArrayBounds は、配列の次元数を指定します。1 次元配列を指定するには、[]
を使用します。2 次元配列を指定するには、[][]
または [,]
を使用します。
たとえば、例2.11「SOAP 配列の定義」 に記載される SOAP 配列、SOAPStrings は文字列の 1 次元配列を定義します。wsdl:arrayType
属性は、配列要素の型 xsd:string
を指定し、次元の数 []
は 1 次元を意味します。
例2.11 SOAP 配列の定義
<complexType name="SOAPStrings"> <complexContent> <restriction base="SOAP-ENC:Array"> <attribute ref="SOAP-ENC:arrayType" wsdl:arrayType="xsd:string[]"/> </restriction> </complexContent> </complexType>
また、SOAP 1.1 仕様で説明されているように、単純な要素を使用して SOAP 配列を記述することもできます。このための構文は 例2.12「要素を使用して派生した SOAP 配列の構文」 に示されています。
例2.12 要素を使用して派生した SOAP 配列の構文
<complexType name="TypeName"> <complexContent> <restriction base="SOAP-ENC:Array"> <sequence> <element name="ElementName" type="ElementType" maxOccurs="unbounded"/> </sequence> </restriction> </complexContent> </complexType>
この構文を使用する場合、要素の maxOccurs
属性は、常に unbounded
に設定する必要があります。