7.5.4. スコープ EJB クライアントコンテキストの使用
JBoss Enterprise Application Platform 6 の初期バージョンで EJB を呼び出すには、通常 JNDI コンテキストを作成し、PROVIDER_URL (ターゲットサーバーを示します) に渡します。JNDI コンテキストを使用してルックアップされた EJB プロキシに対して行われたすべての呼び出しは最終的にそのサーバーに対して行われます。スコープ EJB クライアントコンテキストにより、ユーザーアプリケーションは特定の呼び出しに使用される EJB レシーバーを制御できます。
スコープ EJB クライアントコンテキストが導入される前に、コンテキストは通常クライアントアプリケーションにスコープ指定されていました。スコープクライアントコンテキストにより、EJB クライアントコンテキストを JNDI コンテキストでスコープ指定できるようになりました。以下に、スコープ EJB クライアントコンテキストを使用して同じ Bean を 2 回呼び出すスタンドアロンリモートクライアントアプリケーションの例を示します。
public class MyApplication { public static void main(String args[]) { // Use the "foo" security credential connect to the server and invoke this bean instance final Properties ejbClientContextPropsOne = getPropsForEJBClientContextOne(): final javax.naming.Context ctxOne = new javax.naming.InitialContext(ejbClientContextPropsOne); final MyBeanInterface beanOne = ctxOne.lookup("ejb:app/module/distinct/bean!interface"); beanOne.doSomething(); ... // Use the "bar" security credential to connect to the server and invoke this bean instance final Properties ejbClientContextPropsTwo = getPropsForEJBClientContextTwo(): final javax.naming.Context ctxTwo = new javax.naming.InitialContext(ejbClientContextPropsTwo); final MyBeanInterface beanTwo = ctxTwo.lookup("ejb:app/module/distinct/bean!interface"); beanTwo.doSomething(); ... } }
jboss-ejb-client.properties
ファイルで使用されるのと同じプロパティーセットです。EJB クライアントコンテキストを JNDI コンテキストにスコープ指定するには、org.jboss.ejb.client.scoped.context
プロパティーを指定し、その値を true
に設定する必要があります。このプロパティーは、EJB クライアント API に、EJB クライアントコンテキスト (EJB レシーバーにより支援される) を作成する必要があることと、作成されたコンテキストが作成元の JNDI コンテキストに対してのみスコープ指定されるか、可視状態であることを通知します。この JNDI コンテキストを使用してルックアップされた、または呼び出されたすべての EJB プロキシは、この JNDI コンテキストに関連付けられた EJB クライアントコンテキストのみを認識します。EJB をルックアップし、呼び出すためにアプリケーションにより使用される他の JNDI コンテキストは、他のスコープ EJB クライアントコンテキストについて認識しません。
org.jboss.ejb.client.scoped.context
プロパティーを渡さず、EJB クライアントコンテキストにスコープ指定されない JNDI コンテキストはデフォルトの動作を使用します。デフォルトの動作では、一般的にアプリケーション全体に割り当てられた既存の EJB クライアントコンテキストを使用します。