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11.5.3. TypeScript 関数の呼び出しについて

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Knative (kn) CLI を使用して関数プロジェクトを作成する場合に、CloudEvents に応答するプロジェクト、または単純な HTTP 要求に応答するプロジェクトを生成できます。Knative の CloudEvents は HTTP 経由で POST 要求として転送されるため、関数タイプはいずれも受信 HTTP イベントをリッスンして応答します。

Typescript 関数は、単純な HTTP 要求で呼び出すことができます。受信要求を受け取ると、関数は context オブジェクトで最初のパラメーターとして呼び出されます。

11.5.3.1. Typescript コンテキストオブジェクト

関数を呼び出すには、context オブジェクトを最初のパラメーターとして指定します。context オブジェクトのプロパティーにアクセスすると、着信 HTTP 要求に関する情報を提供できます。

コンテキストオブジェクトの例

function handle(context:Context): string

この情報には、HTTP リクエストメソッド、リクエストと共に送信されたクエリー文字列またはヘッダー、HTTP バージョン、およびリクエスト本文が含まれます。CloudEvent の受信インスタンスが含まれる受信要求はコンテキストオブジェクトにアタッチし、context.cloudevent を使用してアクセスできるようにします。

11.5.3.1.1. コンテキストオブジェクトメソッド

context オブジェクトには、データの値を受け入れ、CloudEvent を返す cloudEventResponse() メソッドが 1 つあります。

Knative システムでは、サービスとしてデプロイされた関数が CloudEvent を送信するイベントブローカーによって呼び出される場合に、ブローカーが応答を確認します。応答が CloudEvent の場合には、このイベントはブローカーにが処理します。

コンテキストオブジェクトメソッドの例

// Expects to receive a CloudEvent with customer data
export function handle(context: Context, cloudevent?: CloudEvent): CloudEvent {
  // process the customer
  const customer = cloudevent.data;
  const processed = processCustomer(customer);
  return context.cloudEventResponse(customer)
    .source('/customer/process')
    .type('customer.processed')
    .response();
}

11.5.3.1.2. コンテキストタイプ

TypeScript タイプの定義ファイルは、関数で使用する以下のタイプをエクスポートします。

エクスポートタイプの定義

// Invokable is the expeted Function signature for user functions
export interface Invokable {
    (context: Context, cloudevent?: CloudEvent): any
}

// Logger can be used for structural logging to the console
export interface Logger {
  debug: (msg: any) => void,
  info:  (msg: any) => void,
  warn:  (msg: any) => void,
  error: (msg: any) => void,
  fatal: (msg: any) => void,
  trace: (msg: any) => void,
}

// Context represents the function invocation context, and provides
// access to the event itself as well as raw HTTP objects.
export interface Context {
    log: Logger;
    req: IncomingMessage;
    query?: Record<string, any>;
    body?: Record<string, any>|string;
    method: string;
    headers: IncomingHttpHeaders;
    httpVersion: string;
    httpVersionMajor: number;
    httpVersionMinor: number;
    cloudevent: CloudEvent;
    cloudEventResponse(data: string|object): CloudEventResponse;
}

// CloudEventResponse is a convenience class used to create
// CloudEvents on function returns
export interface CloudEventResponse {
    id(id: string): CloudEventResponse;
    source(source: string): CloudEventResponse;
    type(type: string): CloudEventResponse;
    version(version: string): CloudEventResponse;
    response(): CloudEvent;
}

11.5.3.1.3. CloudEvent data

受信要求が CloudEvent の場合は、CloudEvent に関連付けられたデータがすべてイベントから抽出され、2 番目のパラメーターとして提供されます。たとえば、以下のように data プロパティーに JSON 文字列が含まれる CloudEvent が受信された場合に、以下のようになります。

{
  "customerId": "0123456",
  "productId": "6543210"
}

呼び出されると、関数に対して context オブジェクト後に来る 2 番目のパラメーターは、JavaScript オブジェクトで、このオブジェクトには customerIdproductId プロパティーが含まれます。

署名の例

function handle(context: Context, cloudevent?: CloudEvent): CloudEvent

この例の cloudevent パラメーターは、customerId および productId プロパティーが含まれる JavaScript オブジェクトです。

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