7.4. Maven 用の Nexus ミラーリングの設定
7.4.1. はじめに
Java および Maven でアプリケーションを開発すると、ビルドを複数回実行する可能性が非常に高くなります。Pod のビルド時間を短縮するために、Maven の依存関係をローカルの Nexus リポジトリーにキャッシュすることができます。このチュートリアルでは、クラスター上に Nexus リポジトリーを作成する方法を説明します。
このチュートリアルでは、ご利用のプロジェクトが Maven で使用できるように設定されていることを前提としています。Java プロジェクトで Maven を使用する場合は、Maven のガイドを参照することを強く推奨します。
また、アプリケーションのイメージに Maven ミラーリング機能があるか確認するようにしてください。Maven を使用するイメージの多くに MAVEN_MIRROR_URL
環境変数が含まれており、このプロセスを単純化するために使用できます。この機能が含まれていない場合には、Nexus ドキュメント を参照して、ビルドが正しく設定されていることを確認してください。
さらに、各 Pod が機能するように十分なリソースを割り当てるようにしてください。追加のリソースを要求するには、Nexus デプロイメント設定で Pod テンプレートを編集する必要がある場合があります。
7.4.2. Nexus の設定
正式な Nexus コンテナーイメージをダウンロードし、デプロイします。
oc new-app sonatype/nexus
新規作成した Nexus サービスを公開して、ルートを作成します。
oc expose svc/nexus
oc get routes を使用して、Pod の新規外部アドレスを検索します。
oc get routes
出力は以下のようになります。
NAME HOST/PORT PATH SERVICES PORT TERMINATION nexus nexus-myproject.192.168.1.173.xip.io nexus 8081-tcp
- ブラウザーで HOST/PORT の対象の URL に移動して、Nexus が実行されていることを確認します。Nexus にサインインするには、デフォルトの管理者ユーザー名 admin、パスワード admin123 を使用します。
Nexus は中央リポジトリー用に事前に設定されていますが、アプリケーション用に他のリポジトリーが必要な場合があります。Red Hat イメージの多くは、Maven リポジトリー に jboss-ga リポジトリーを追加 することを推奨します。
7.4.2.1. プローブを使用した正常な実行の確認
ここで readiness プローブと liveness プローブ を設定することができます。これらのプローブは、Nexus が正しく実行されていることを定期的に確認します。
$ oc set probe dc/nexus \ --liveness \ --failure-threshold 3 \ --initial-delay-seconds 30 \ -- echo ok $ oc set probe dc/nexus \ --readiness \ --failure-threshold 3 \ --initial-delay-seconds 30 \ --get-url=http://:8081/nexus/content/groups/public
7.4.2.2. Nexus への永続性の追加
永続ストレージを必要としない場合には、Connecting to Nexus に進みます。ただし、Pod が何らかの理由で再起動された場合には、キャッシュされた依存関係および設定のカスタマイズはなくなります。
Nexus の Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求、PVC) を作成し、サーバーを実行中の Pod を中断すると、キャッシュされた依存関係が失われないようにします。PVC にはクラスター内で利用可能な永続ボリューム (PV) が必要です。利用可能な PV がない場合や、クラスターに管理者としてのアクセス権限がない場合には、システム管理者に、読み取り/書き込み可能な永続ボリュームを作成するように依頼してください。
Nexus デプロイメント設定に PVC を追加します。
$ oc volumes dc/nexus --add \ --name 'nexus-volume-1' \ --type 'pvc' \ --mount-path '/sonatype-work/' \ --claim-name 'nexus-pv' \ --claim-size '1G' \ --overwrite
これで、デプロイメント設定の以前の emptyDir ボリュームが削除され、1 GB 永続ストレージを /sonatype-work
(依存関係の保存先) にマウントする要求を追加します。この設定の変更により、Nexus Pod は自動的に再デプロイされます。
Nexus が実行していることを確認するには、ブラウザーで Nexus ページを更新します。以下を使用して、デプロイメントの進捗をモニタリングすることができます。
$ oc get pods -w
7.4.3. Nexus への接続
次の手順では、新しい Nexus リポジトリーを使用するビルドを定義する方法を説明します。残りのチュートリアルでは、このリポジトリーサンプル と、ビルダーとして wildfly-100-centos7を使用しますが、これらの変更はどのプロジェクトでも機能します。
ビルダーイメージサンプル では、環境の一部として MAVEN_MIRROR_URL
をサポートするため、これを使用して、ビルダーイメージを Nexus リポジトリーにポイントすることができます。イメージが環境変数を使用した Mavin のミラーリングをサポートしていない場合には、Nexus ミラーリングを参照する正しい Maven 設定を指定するようにビルダーイメージを変更する必要がある場合があります。
$ oc new-build openshift/wildfly-100-centos7:latest~https://github.com/openshift/jee-ex.git \ -e MAVEN_MIRROR_URL='http://nexus.<Nexus_Project>:8081/nexus/content/groups/public' $ oc logs build/jee-ex-1 --follow
<Nexus_Project>
は Nexus リポジトリーのプロジェクト名に置き換えます。これが使用するアプリケーションと同じプロジェクトに含まれる場合には、<Nexus_Project>.
を削除できます。OpenShift Online の DNS 解決について参照してください。
7.4.4. 正常な実行の確認
web ブラウザーで、http://<NexusIP>:8081/nexus/content/groups/public に移動して、アプリケーションの依存関係を保存したことを確認します。また、ビルドログを確認して Maven が Nexus ミラーリングを使用しているかどうかをチェックできます。正常にミラーリングされている場合には、URL http://nexus:8081 を参照する出力が表示されるはずです。