付録A gfs2_quota コマンドを使用した GFS2 のクォータ管理
Red Hat Enterprise Linux 6.1 リリースからは GFS2 で Linux 標準のクォータ機能に対応するようになります。この機能を使用するには quota RPM をインストールする必要があります。GFS2 でクォータを管理する場合は推奨の管理方法になります。また、GFS2 の新規導入でクォータを使用する場合はこのクォータ機能を使用してください。Linux 標準のクォータ機能の使い方については 「GFS2 のクォータ管理」 を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux の旧リリースでは、
gfs2_quota
コマンドを使用して GFS2 のクォータを管理する必要がありました。この付録では、gfs2_quota
コマンドを使用した GFS2 ファイルシステムのクォータ管理について説明します。
A.1. gfs2_quota
コマンドを使用したクォータの設定
ユーザー ID (UID) またはグループ ID (GID) ごとに、ハードリミット と ソフトリミット の 2 つのクォータ設定が使用できます。
ハードリミットは、使用可能な容量です。ファイルシステムは、ユーザーやグループに対して、このディスク領域サイズを越える容量の使用は許可しません。ハードリミット値が ゼロ の場合は、上限が適用されていないことになります。
通常、ソフトリミットはハードリミットの値を下回ります。ファイルシステムは、ソフトリミットに達すると、ユーザーまたはグループに通知して、使用量を警告します。ソフトリミットの値が ゼロ の場合は、上限が適用されていないことになります。
gfs2_quota
コマンドを使用して上限を設定することができます。このコマンドを実行する必要があるのは、GFS2 がマウントされている単一のノード上のみです。
デフォルトでは GFS2 ファイルシステムにはクォータの施行は設定されていません。クォータアカウントを有効にするには、「クォータ施行を有効/無効にする」 に記載したように GFS2 ファイルシステムをマウントする時に
mount
コマンドの quota=
を使用します。
使用方法
クォータの設定 (ハードリミット)
gfs2_quota limit -uUser
-lSize
-fMountPoint
gfs2_quota limit -gGroup
-lSize
-fMountPoint
クォータの設定 (警告リミット)
gfs2_quota warn -uUser
-lSize
-fMountPoint
gfs2_quota warn -gGroup
-lSize
-fMountPoint
User
- 制限または警告するユーザー ID。パスワードファイルからのユーザー名または UID 番号を使用できます。
Group
- 制限または警告するグループ ID。グループファイルからのグループ名または GID 番号を使用できます。
Size
- 制限または警告する値を指定します。この値はデフォルトではメガバイト単位になります。
-k
、-s
、-b
などのフラグを使用すると単位をキロバイト、セクター、ファイルシステムのブロック数などに変更できます。 MountPoint
- 動作を適用する GFS2 ファイルシステムです。
例
以下の例では、ファイルシステム
/mygfs2
上のユーザー Bert に 1024 メガバイト (1 ギガバイト) のハードリミットを設定します。
# gfs2_quota limit -u Bert -l 1024 -f /mygfs2
以下の例では、ファイルシステム
/mygfs2
上のグループ ID 21 に 50 キロバイトのソフトリミットを設定します。
# gfs2_quota warn -g 21 -l 50 -k -f /mygfs2