4.5.4. quotasync コマンドを使用したクォータの同期
GFS2 ではクォータ情報はすべてディスク上にある独自の内部ファイルに格納されます。GFS2 ノードはファイルシステムの書き込みのたびにこのクォータファイルを更新するのではなく、デフォルトでは 60 秒ごとにクォータファイルの更新を行うようになっています。これはノード間でクォータファイルへの書き込み競合が発生しパフォーマンスの低下を招かないようにするため不可欠になります。
ユーザーまたはグループのクォータが上限に近づくと、GFS2 は、クォータファイルの更新間隔を動的に短縮して上限の超過を防止します。クォータ同期の通常の間隔は、調整可能なパラメーター
quota_quantum
です。表4.2「GFS2 固有のマウントオプション」 で説明しているように、quota_quantum=
マウントオプションを使用するとデフォルト値の 60 秒を変更することができます。quota_quantum
パラメーターはファイルシステムがマウントされるたび各ノードに設定しなければなりません。quota_quantum
に行った変更はアンマウント後は維持されません。quota_quantum
値は mount -o remount
を使用して更新することができます。
GFS2 で実行される自動的な更新の合間にノードのクォータ情報をディスク上のクォータファイルに同期する場合は
gfs2_quota sync
コマンドを使用します。
使用法
クォータ情報の同期
quotasync [-ug] -a|mntpnt
...
u
- ユーザーのクォータファイルを同期します。
g
- グループのクォータファイルを同期します。
a
- 現在クォータが有効になっていて同期に対応している全ファイルシステムを同期します。-a を使用しない場合はファイルシステムのマウントポイントを指定してください。
mntpnt
- 動作を適用する GFS2 ファイルシステムを指定します。
同期間隔の調整
mount -o quota_quantum=secs,remount BlockDevice MountPoint
MountPoint
- 動作を適用する GFS2 ファイルシステムを指定します。
secs
- GFS2 による定期的なクォータファイル同期の間隔を新たに指定します。値を小さくすると、競合が増え、パフォーマンスが低下する場合があります。
例
以下の例では、コマンドが実行されるノードのキャッシュ済みダーティクォータをファイルファイルシステム
/mnt/mygfs2
のクォータファイルに同期します。
# quotasync -ug /mnt/mygfs2
以下の例では、ファイルシステム
/mnt/mygfs2
を論理ボリューム /dev/volgroup/logical_volume
に再マウントする時に、そのファイルシステムのクォータファイル定期更新間隔をデフォルト値から 1 時間 (3600 秒) に変更しています。
# mount -o quota_quantum=3600,remount /dev/volgroup/logical_volume /mnt/mygfs2