7.2. Red Hat Ceph Storage 8.0z2
Red Hat Ceph Storage リリース 8.0z2 が利用可能になりました。この更新に含まれるバグ修正は RHBA-2025:2457 および RHBA-2025:2458 アドバイザリーに記載されています。
7.2.1. 機能拡張 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
7.2.1.1. Ceph File System リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
quota.max_bytes がよりわかりやすいサイズ値に設定されるようになりました
以前は、quota.max_bytes
値はバイト単位で設定されていたため、サイズの値が非常に大きくなることが多く、設定や変更が困難でした。
この機能強化により、quota.max_bytes 値を K/Ki、M/Mi、G/Gi、T/Ti などのわかりやすい値に設定できるようになりました。たとえば、10GiB
または 100K
です。
Ceph ファイルシステムのミラーリング用に設定されたディレクトリーは、ceph fs
コマンドを使用してリスト表示できるようになりました。
以前は、ミラーリング用に設定されたディレクトリーをリスト表示するには、ユーザーはピアリストを確認する必要がありました。
この機能拡張により、ユーザーは ceph fs snapshot mirror ls FS_NAME
コマンドを使用して、ミラーリング用に設定されたディレクトリーをリスト表示できるようになりました。これにより、ミラーリング用に設定されたディレクトリーの直接リストが提供されます。
7.2.1.2. Ceph Object Gateway リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
名前空間付きバケットインデックスエントリーを使用した順序付きバケットリストの効率が向上しました。
以前は、名前空間バケットインデックスエントリーを無視しているにもかかわらず、その無視したエントリーにもコードがアクセスしていました。その結果、無視されたリストで不要な遅延が発生しました。
この機能強化により、コードは無視されたエントリーへのアクセスを回避するようになり、順序付けられたバケットリストの効率が向上します。
radosgw-admin コマンドラインを使用して、キーなしでユーザーを作成できます。
以前は、radosgw-admin コマンドラインを使用してキーなしで Ceph Object Gateway (RGW) ユーザーを作成する仕組みはありませんでした。この機能は adminops のみが利用可能でした。
この機能強化により、--generate-key false
フラグが radosgw-admin user create
に設定されている場合に、コマンドラインでキーなしで RGW ユーザーを作成する機能が提供されるようになりました。
7.2.1.3. RADOS リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
admin socket コマンドがデフォルトのパラメーターで動作するようになりました。
以前は、bluefs-db
および bluefs-wal
をデフォルトのパラメーターのまま使用した場合に、allocator histogram = admin socket
を指定して bluestore アロケーターフラグメンテーションヒストグラムをリストできませんでした。
この機能強化により、admin socket
コマンドはデフォルトのパラメーターで動作するようになりました。
管理ソケットコマンドによるディスクアロケーターの状態の検査
この機能強化により、単一の数値を示すアロケータースコアと、すべての空きチャンクをリスト表示するアロケーターダンプの中間点が提供されます。
その結果、フラグメーションヒストグラムは空きチャンクをサイズ別にグループ化し、アロケーターの状態をある程度概算します。これにより、現在のフラグメンテーションの深刻度を推定する機会が得られます。フラグメンテーションヒストグラムは block/bluefs-db/bluefs-wal
アロケーターで機能します。追加パラメーター disk_alloc
は、disk_alloc
境界に揃えられていない空きチャンクの数の計算に影響します。追加パラメーター num_buckets はヒストグラムのサイズを決定しますが、粒度は同じままです。以下に例を示します。
bluestore allocator fragmentation histogram block 4096 12
bluestore allocator fragmentation histogram block 4096 12
7.2.2. 既知の問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
7.2.2.1. Ceph Object Gateway リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
AWS CLI を使用してマルチパートアップロードを実行すると、Ceph Object Gateway がクラッシュします。
現在、AWS CLI を使用したマルチパートアップロード中に、AWS S3 および AWS SDK で導入された新しいチェックサムアルゴリズムとレポート動作、具体的には新しい CRC64NVME チェックサムアルゴリズムが原因で RGW がクラッシュします。
回避策として、AWS CLI クライアントの以前のバージョンを使用します。
詳細は、RGW services crashing during multipart upload in RGWPutObj_Cksum
function を参照してください。
radosgw-admin user stats --reset-stats ERROR: value too large for defined data type のエラー。
現在、RADOS RETURNVEC
のデフォルトサイズ (64 バイト) は、safe user rest stats を実行している一部の環境では小さすぎます。
回避策として、osd_max_write_op_reply_len
を 128
(テストされた最大値) に増やします。この変更により、user reset stats が正常に完了します。