9.4. Directory Server スレッドの数を設定する
同時接続を処理するために Directory Server が使用するスレッドの数は、サーバーのパフォーマンスに影響します。たとえば、すべてのスレッドが時間のかかるタスク (add
操作など) の処理に追われている場合、新しい受信接続は、空いているスレッドがリクエストを処理できるようになるまでキューに置かれます。
サーバーが提供する CPU スレッド数が少ない場合、スレッド数を多く設定することでパフォーマンスが向上します。ただし、CPU スレッドが多数あるサーバーでは、設定値が高すぎてもパフォーマンスは向上しません。
デフォルトでは、Directory Server はスレッド数を計算する自動チューニング設定を使用します。この数値は、インスタンス起動時のサーバーのハードウェアリソースに基づいています。
スレッド数を手動で設定することは避けてください。代わりに自動チューニング設定を使用してください。
自動スレッドチューニングを有効にすると、Directory Server は以下の最適化されたスレッド数を使用します。
CPU スレッド数 | Directory Server スレッド数 |
---|---|
1-16 | 16 |
17-512 | Directory Server スレッド数は、システムの CPU スレッド数と一致します。たとえば、システムに 24 の CPU スレッドがある場合、Directory Server は 24 のスレッドを使用します。Directory Server スレッドの最大数は 512 です。 |
512 以上 | 512。Directory Server は、推奨される最大スレッド数を適用します。 |
9.4.1. コマンドラインを使用した自動スレッドチューニングの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、Directory Server は使用可能なハードウェアに基づいてスレッド数を自動的に設定します。ただし、場合により、コマンドラインを使用してこの自動チューニング機能を手動で有効にすることができます。
手順
自動チューニング機能を有効にするには、次のコマンドで
nsslapd-threadnumber
属性値を-1
に設定します。dsconf <instance_name> config replace nsslapd-threadnumber="-1"
# dsconf <instance_name> config replace nsslapd-threadnumber="-1" Successfully replaced "nsslapd-threadnumber"
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検証
次のコマンドを使用して、Directory Server が現在使用しているスレッド数を確認します。
dsconf <instance_name> config get nsslapd-threadnumber
# dsconf <instance_name> config get nsslapd-threadnumber nsslapd-threadnumber: 16
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記このコマンドは、Directory Server が正しいハードウェアリソースに基づいて計算したスレッド数を取得します。
9.4.2. Web コンソールを使用した自動スレッドチューニングの有効化 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
デフォルトでは、Directory Server は使用可能なハードウェアに基づいてスレッド数を自動的に設定します。ただし、場合により、Web コンソールを使用してこの自動チューニング機能を手動で有効にすることができます。
前提条件
- Web コンソールでインスタンスにログインしている。詳細は、Web コンソールを使用した Directory Server へのログイン を参照してください。
手順
-
に移動します。 -
Number Of Worker Threads フィールドで、スレッド数を
-1
に設定します。 - をクリックします。
9.4.3. コマンドラインを使用したスレッド数の手動設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
特定の状況では、Directory Server スレッド数を手動で一定の数に設定する必要があります。たとえば、自動チューニング設定を使用せずに仮想マシンの CPU コア数を変更した場合、Directory Server スレッドの数を調整するとパフォーマンスが向上する可能性があります。
以前に特定の数のスレッドを設定した場合は、この手順を使用して自動チューニング設定を再度有効にすることもできます。
手順
Directory Server が使用するスレッド数を設定します。
dsconf <instance_name> config replace nsslapd-threadnumber="64"
# dsconf <instance_name> config replace nsslapd-threadnumber="64" Successfully replaced "nsslapd-threadnumber"
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 自動チューニング設定を有効にするには、
nsslapd-threadnumber
パラメーターを-1
に設定します。
9.4.4. Web コンソールを使用したスレッド数の手動設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
特定の状況では、Directory Server スレッドの固定数を手動で設定する必要があります。たとえば、自動チューニング設定を使用せずに仮想マシンの CPU コア数を変更した場合、Directory Server スレッドの数を調整するとパフォーマンスが向上する可能性があります。
以前に特定のスレッド数を設定した場合、Web コンソールを使用して自動チューニング設定を再度有効にできます。
前提条件
- Web コンソールでインスタンスにログインしている。
手順
-
に移動します。 -
Number Of Worker Threads
フィールドでスレッド数を設定します。 - をクリックします。