第15章 インストーラーおよびイメージの作成
以下の章では、インストーラーとイメージ作成に関する RHEL 9 と RHEL 10 の間の最も重要な変更点を説明します。
15.1. グラフィカルユーザーインターフェイス リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
インストーラー GUI の時間と日付のスポークが再設計される
インストーラー UI の Time and Date
スポークが完全に再設計され、タイムゾーンを選択するためのマップがなくなりました。詳細は、インストールドキュメント を参照してください。
initial-setup
パッケージが削除される
Red Hat Enterprise Linux 10 では、initial-setup パッケージが削除されました。代わりに、グラフィカルユーザーインターフェイスの gnome-initial-setup
を使用します。
新しいストレージデバイスでは、LUKS2
バージョンがデフォルトで使用される
デフォルトでは、すべての新しいストレージデバイスが LUKS2 バージョンで暗号化されるようになりました。既存のデバイスの LUKS バージョンへの変更はありません。キックスタートメソッドを使用して、異なる LUKS バージョンを選択できます。
GUI からリポジトリーを追加する機能が削除される
以前は、インストールソースを設定するときに、パッケージのインストール用の追加リポジトリーを設定できました。RHEL 10 以降では、このサポートは削除されました。ただし、追加のリポジトリーを指定する場合は、キックスタートインストール方法または inst.addrepo
ブートオプションを使用できます。
Anaconda の組み込みヘルプが削除される
Anaconda のインストール時に利用可能な、すべての Anaconda ユーザーインターフェイスのスポークおよびハブの組み込みドキュメントは非推奨となりました。詳細は、RHEL の公式ドキュメント を参照してください。
Anaconda で作成された新しいユーザーはデフォルトで管理者になる
以前は、インストーラーから新しいユーザーを作成するときに、グラフィカルインストールの Make this user administrator オプションが選択解除されていました。RHEL 10 以降では、このオプションがデフォルトで選択されています。その結果、新しく作成されたユーザーにはデフォルトで管理者権限が付与されていました。必要に応じて、このオプションの選択を解除して、新しいユーザーの管理者権限を削除できます。
Anaconda から自動バグ報告システムが削除される
インストーラーは、Red Hat 問題追跡システムへの問題の自動報告をサポートしなくなりました。トラブルシューティング のセクションで説明されているように、インストールログを収集し、手動で問題を報告できます。
グローバルホットキーを使用して Anaconda GUI からスクリーンショットをキャプチャーすることが非推奨となる
以前は、グローバルホットキーを使用して Anaconda GUI のスクリーンショットをキャプチャーできました。つまり、ユーザーはインストール環境からスクリーンショットを手動で抽出し、任意の用途で使用することが可能でした。この機能は削除されました。
VNC の代わりに Remote Desktop Protocol (RDP) がグラフィカルリモートアクセスに採用される
グラフィカルリモートアクセスのプロトコルが VNC からリモートデスクトッププロトコル (RDP) に変更されました。RDP は信頼性が高く暗号化された接続を提供し、暗号化に対応しておらずパスワード長にも制限があった VNC の制約を克服しています。この変更の一環として、次の新しいカーネルオプションが導入されました。
-
inst.rdp
-
inst.rdp.password
-
inst.rdp.username
インストールプロセス中の NVDIMM 再設定サポートが削除される
RHEL-10 では、キックスタートおよび GUI インストール中に NVDIMM デバイスを再設定するサポートが削除されました。ただし、インストールプログラムでは、NVDIMM デバイスをセクターモードで引き続き使用できます。
inst.nompath
、dmraid
、nodmraid
ブートオプションが削除される
inst.nompath
、dmraid
、nodmraid
ブートオプションは削除され、使用できなくなりました。
inst.gpt
ブートオプションが非推奨となる
inst.gpt
ブートオプションは現在非推奨となっており、今後の RHEL メジャーリリースでは削除される予定です。優先するディスクラベルタイプを指定するには、inst.disklabel
ブートオプションを使用します。GPT または MBR ディスクラベルを作成するには、それぞれ gpt
または mbr
オプションを指定します。
inst.xdriver
および inst.usefbx
オプションが削除される
インストールイメージのグラフィカルシステムが Xorg サーバーから Wayland コンポジターに切り替わりました。その結果、inst.xdriver
ブートオプションは削除されました。Wayland は X ドライバーに依存せずに動作するため、そのようなドライバーのロードとは互換性がありません。その結果、inst.xdriver
オプションは適用されなくなりました。
さらに、以前は汎用フレームバッファー X ドライバーをロードするために使用されていた inst.usefbx
ブートオプションも削除されました。