第19章 セキュリティー
以下の章では、セキュリティーに関する RHEL 9 と RHEL 10 の間の最も重要な変更点を説明します。
19.1. セキュリティーコンプライアンスの変更 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OSCAP Anaconda アドオンによるインストール時のセキュリティー強化が削除される
oscap-anaconda-addon パッケージが削除されました。そのため、RHEL 10 のインストーラーでは、Security Policy スポークとインストール時のセキュリティー強化が提供されなくなりました。RHEL 10 では、既存の Image Builder に加えて、より柔軟でカスタマイズ可能な方法で、Anaconda とキックスタートを使用してシステムのセキュリティーを強化できます。詳細は、RHEL Image Builder OpenSCAP 統合によるハードニング済みイメージの作成 を参照してください。
OpenSCAP
OpenSCAP スキャナーの新しいバージョン 1.4.x が RHEL 10 で提供されます。最も重要な変更点は次のとおりです。
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openscapパッケージは、libopenscapライブラリーのopenscap-develサブパッケージを提供しなくなりました。libopenscap ライブラリーは現在、パブリック API や後方互換性の保証のない内部ライブラリーとなっています。openscapパッケージは、ABI および API の互換性を保証することなく提供されます。 oscapツールから、データストリームの構成機能を提供する以下のdsサブモジュールが削除されました。-
sds-compose -
sds-add -
sds-split -
rds-create -
rds-split
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以下の不完全なモジュールは削除されました。
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cve -
cvss -
cvrf
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次の非推奨のコマンドラインオプションは削除されました。
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--template -
--oval-template -
--sce-template -
--skip-validが削除され、--skip-validationに置き換えられる
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- 新しいキックスタート修復タイプが追加されました。
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autotailorツールは、JSON Tailoring に基づいて XCCDF テーラリングファイルを生成できるようになりました。
SCAP Workbench
SCAP Workbench GUI ユーティリティーを含む scap-workbench パッケージは削除されました。代替案として、カスタマイズとスキャンの両方に oscap および autotailor コマンドラインツール、または Red Hat Insights を使用できます。詳細は、Insights for RHEL コンプライアンスサービスでの SCAP セキュリティーポリシーの管理 を参照してください。
SCAP セキュリティーガイド
scap-security-guide パッケージには次のプロファイルが含まれていません。
- Protection Profile for General Purpose Operating Systems (OSPP)
- Centro Criptológico Nacional (CCN) - 基礎レベル
- Centro Criptológico Nacional (CCN) - 中級レベル
RHEL 10 でサポートされているプロファイルの完全なリストは、RHEL 10 でサポートされている SCAP セキュリティープロファイル を参照してください。