第23章 仮想化


RHEL 9 と RHEL 10 の間の仮想化に関する主な変更点は次のとおりです。

i440fx-rhel7.6 マシンタイプが削除される

RHEL 10 では、仮想マシン (VM) の i440fx-rhel7.6 マシンタイプが i440fx-rhel10.0 に置き換えられました。そのため、ホストを RHEL 10 にアップグレードすると、i440fx-rhel7.6 を使用する仮想マシンが起動できなくなります。同様に、i440fx-rhel7.6 を使用する仮想マシンを RHEL 10 ホストにライブマイグレーションで移行すると、仮想マシンが動作しなくなります。

仮想マシンのマシンタイプを確認するには、次のコマンドを使用します。

# virsh dumpxml <vm-name> | grep "machine="

<type arch='x86_64' machine='pc-i440fx-rhel7.6'>hvm</type>
Copy to Clipboard Toggle word wrap

i440fx-rhel7.6 マシンタイプの仮想マシンが RHEL 10 ホストで実行できることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 仮想マシンの XML 設定を開きます。

    # virsh edit <vm-name>
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  2. <type> 行で、machine パラメーターを pc-i440fx-rhel10.0 に変更します。
  3. 仮想マシン設定を保存して終了します。

なお、i440fx マシンタイプも RHEL 10 で非推奨となりました。RHEL の今後のメジャーバージョンでは完全に削除される予定です。

virt-v2v が特定の Red Hat 製品のサポートを削除する

RHEL 10 では、virt-v2v ツールは仮想マシンを RHEL 5 Xen ホストから KVM に変換できなくなりました。

さらに、virt-v2v は、Red Hat Virtualization (RHV) への仮想マシンのエクスポートをサポートしなくなりました。その結果、virt-v2v では以下のオプションは利用できなくなりました。

  • -o rhv-upload
  • -o rhv
  • -o vdsm

virt-p2v 変換を利用できない

virt-p2v ツールを使用して、物理マシンを RHEL 10 ホスト用の KVM 仮想マシンに変換することはできません。RHEL 7、RHEL 8、および RHEL 9 で virt-p2v を使用する手順は、Red Hat ナレッジベース を参照してください。

RDMA ベースの移行がサポートされなくなる

RHEL 10 では、Remote Direct Memory Access (RDMA) を使用した仮想マシン (VM) の移行はサポートされなくなりました。したがって、Red Hat では、仮想マシンの移行に rdma URI を使用しないことを強く推奨しています。

レガシー CPU モデルが削除される

RHEL 9 で非推奨となった多数の CPU モデルは、RHEL 10 ではサポートされなくなり、仮想マシン (VM) で使用できなくなりました。削除されたモデルは次のとおりです。

  • Intel の場合: Intel Xeon 55xx および 75xx プロセッサーファミリー (Nehalem とも呼ばれます) より前のモデル
  • AMD の場合: AMD Opteron G4 より前のモデル
  • IBM Z の場合: IBM z14 より前のモデル

なお、RHEL 10 では、Nehalem や Opteron G4 など、他のいくつかの CPU モデルが非推奨となりました。RHEL の今後のメジャーリリースではサポートされなくなる予定です。非推奨の CPU モデルの完全なリストを表示するには、次のコマンドを使用します。

/usr/libexec/qemu-kvm -cpu help | grep depre | grep -v - -v
Copy to Clipboard Toggle word wrap

仮想マシンが非推奨の CPU モデルを使用しているかどうかを確認するには、virsh dominfo ユーティリティーを使用し、Messages セクションで次のような行を探します。

tainted: use of deprecated configuration settings
deprecated configuration: CPU model 'Nehalem'
Copy to Clipboard Toggle word wrap
トップに戻る
Red Hat logoGithubredditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。 最新の更新を見る.

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

Theme

© 2025 Red Hat