22.3. RPM の主な変更点


Red Hat Enterprise Linux 10 には RPM バージョン 4.19 が同梱されています。このバージョンでは、以前のバージョンに加えて、多くの機能拡張が導入されました。

22.3.1. ユーザーエクスペリエンスとセキュリティーの向上

RHEL 9 と RHEL 10 におけるユーザーエクスペリエンスとセキュリティーの改善点を確認します。

Sequoia をベースにした新しい OpenPGP バックエンド
RPM で、パッケージ署名の検証に Sequoia PGP が使用されるようになりました。これは従来の OpenPGP パーサーに代わるものです。Sequoia PGP は、安全性と堅牢性を重視した、OpenPGP 標準の新しい Rust ベースの実装です。
暗号化技術の大幅な更新

RHEL 10.1 で、RPM の暗号化に次の更新が導入され、RPM パッケージの署名と検証のセキュリティーが大幅に強化されました。

  • パッケージ内の複数の署名のサポート
  • 新しい OpenPGP(RFC-9580) 標準のサポート
  • RPM パッケージでの耐量子計算機暗号 (PQC) のサポート。PQC は、量子コンピューターの攻撃に耐える一連のアルゴリズムであり、ソフトウェアのセキュリティーを強化します。PQC アルゴリズムを使用してパッケージに署名するには、Sequoia PGP ソフトウェアを使用できます。

詳細は、Sequoia PGP での PQC を使用した RPM パッケージへの署名 を参照してください。

rpmsign --addsign によって RPM パッケージ内の既存の署名が置き換えられなくなりました

この更新前は、rpmsign --addsign コマンドによって、RPM パッケージ内の既存の署名がすべて置き換えられていました。RHEL 10.1 以降は、rpmsign --addsign を実行しても、新しい署名が追加されるだけで、署名が削除されることはありません。パッケージ内に同一の署名がすでに存在する場合は、RPM によってエラーメッセージが出力され、既存の署名はそのまま残ります。

詳細は、Sequoia PGP での PQC を使用した RPM パッケージへの署名 を参照してください。

新しい rpmlua コマンドラインツール
このツールは、Lua スクリプトレットとマクロの開発とテストに使用できる RPM Lua インタープリターをスタンドアロンで実行します。詳細は、システムの rpmlua(8) man ページを参照してください。
新しい rpmsort コマンドラインツール
このツールは、標準入力で渡された RPM バージョンを、sort(1) に似た方法でソートできますが、RPM のバージョニング方式を認識して処理します。詳細は、システムの rpmsort(8) man ページを参照してください。
新しい dbus-announce プラグイン
このプラグインは、パッケージのインストールや削除時などに、RPM トランザクションに関する基本情報をシステムの D-Bus に書き込みます。他のプログラムはこれらのシグナルをサブスクライブして、そのようなイベントの通知を受け取ることができます。
--freshen モードでのサポートのダウングレード
以前は、--freshen オプションを使用して、すでにインストールされているパッケージのみをアップグレードし、インストールされていないパッケージをスキップすることが可能でした。この機能拡張により、この操作を使用してこのようなパッケージをダウングレードすることもできます。これを行うには、--freshen (F) オプションと --oldpackage オプションを組み合わせます。
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