4.2. アップグレードの実行
準備手順を完了し、アップグレード前のレポートで見つかった問題を確認および解決したら、システムでインプレースアップグレードを実行できます。
4.2.1. RHEL 9.8 から RHEL 10.2 へのアップグレードの実行 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Leapp ユーティリティーを使用して、RHEL 9 から RHEL 10 へのアップグレードを実行できます。
前提条件
- システム全体のバックアップを含め、アップグレードの準備 手順を完了した。
- アップグレード前のレポートの確認 手順を完了し、報告された問題をすべて解決した。
アップグレードの失敗を防ぐため、ウイルス対策ソフトウェアを一時的に無効にし、IPMI ウォッチドッグを含むヘルスチェックを設定した。
警告インプレースアップグレードを実行する前に、設定済みのヘルスチェックを一時的に無効にすることが非常に重要です。これにより、アップグレードプロセスが重要な段階で中断され、システム損失が発生するのを防ぐことができます。
手順
システム全体のバックアップまたは仮想マシンのスナップショットが存在することを確認します。次のバックアップオプションを使用できます。
- Relax-and-Recover (ReaR) ユーティリティーを使用して、システムの完全バックアップを作成します。詳細は、システムの復旧と復元 および What is Relax and Recover (ReaR) and how can I use it for disaster recovery? を参照してください。
LV スナップショットまたは RAID 分割を使用して、システムのスナップショットを作成します。詳細は、論理ボリュームのスナップショットの管理 または RAID イメージを別の論理ボリュームとして分割する を参照してください。仮想マシンをアップグレードする場合は、仮想マシン全体のスナップショットを作成できます。Boom ユーティリティーを使用して、スナップショットとロールバックのブートエントリーを管理することもできます。詳細は、What is BOOM and how to install it? および スナップショットを使用したシステムアップグレードの管理 を参照してください。
注記LVM スナップショットではシステムの完全バックアップが作成されないため、特定のアップグレードの失敗後にシステムを復元できない可能性があります。したがって、ReaR ユーティリティーを使用して完全バックアップを作成する方が安全です。
RHEL 9 システムで、アップグレードプロセスを開始します。
# leapp upgrade --target <_target_os_version_>target_os_version は、アップグレード先の OS バージョン (例:
10.0) に置き換えます。アップグレード先の OS バージョンが定義されていない場合、Leappは サポート対象のアップグレードパス の表 1.1 に指定されているデフォルトのアップグレード先の OS バージョンを使用します。アップグレードに
/etc/yum.repos.d/ディレクトリーの カスタムリポジトリー を使用する場合は、以下のように選択したリポジトリーを有効にします。# leapp upgrade --enablerepo <repository_id1> --enablerepo <repository_id2> ...-
RHSM を使用せずにアップグレード する場合、または RHUI を使用してアップグレードする場合は、
--no-rhsmオプションを追加します。 -
ISO イメージを使用してアップグレードする場合は、
--no-rhsmおよび--iso <file_path>オプションを追加します。<file_path> は、保存された ISO イメージへのファイルパス (/home/rhel9.isoなど) に置き換えます。 -
Extended Upgrade Support(EUS)、Advanced Update Support(AUS)、または Update Services for SAP Solutions(E4S) のサブスクリプションがある場合は、
--channel channelオプションを追加します。channel はleapp preupgradeコマンドで使用した値 (例:eusまたはaus) に置き換えます。leapp preupgradeおよびleapp upgradeコマンドの両方で、--channelオプションで同じ値を使用する必要があります。 Red Hat OpenStack Platform で RHEL for Real Time または Real Time for Network Functions Virtualization (NFV) を使用している場合は、
--enablerepoオプションを使用してデプロイメントを有効にします。以下に例を示します。# leapp upgrade --enablerepo rhel-10-for-x86_64-rt-rpms詳細は、Real-Time Compute の設定 を参照してください。
LiveMode を使用してアップグレードする場合は、環境変数
LEAPP_UNSUPPORTED=1を設定し、livemode値とともに--enable-experimental-featureオプションを使用します。以下に例を示します。# LEAPP_UNSUPPORTED=1 leapp upgrade --enable-experimental-feature livemode詳細は、LiveMode を使用した RHEL 9.7 から RHEL 10.1 へのアップグレードの設定 を参照してください。
重要LiveMode はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat では、実稼働環境での使用を推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
アップグレードプロセスの開始時に、
Leappは、アップグレード前のレポートの確認 で説明されているアップグレード前のフェーズを再度実行します。-
システムがアップグレード可能な場合、
Leappは必要なデータをダウンロードし、アップグレード用の RPM トランザクションを準備します。 -
システムが信頼性の高いアップグレードの条件を満たしていない場合、
Leappはアップグレードプロセスを終了し、問題の記録と推奨される解決策を/var/log/leapp/leapp-report.txtファイルに出力します。詳細は、トラブルシューティング を参照してください。
-
システムがアップグレード可能な場合、
システムを手動で再起動します。
# rebootシステムが RHEL 10 ベースの初期 RAM ディスクイメージ (initramfs) で起動します。
Leappはすべてのパッケージをアップグレードし、自動的に RHEL 10 システムを再起動します。または、
--rebootオプションを指定してleapp upgradeコマンドを実行し、この手動の手順を省略することもできます。障害が発生した場合は、トラブルシューティング の説明に従ってログと既知の問題を調査してください。
- RHEL 10 システムにログインし、アップグレード後の状態の確認 の説明に従ってその状態を確認します。
- アップグレードレポートおよび アップグレード後のタスクの実行 で説明されているすべてのアップグレード後のタスクを実行します。