第8章 XFS ファイルシステム


XFS は、元々は Silicon Graphics, Inc で設計された非常に拡張性の高い、高性能のファイルシステムです。これは、非常に大きなファイルシステム(最大 16 個)、ファイル(8 メガバイト)、およびディレクトリー構造(数百万のエントリー)をサポートするために作成されました。
主な特長
XFS は、メタデータジャーナリング をサポートしているため、クラッシュリカバリーを迅速に行うことができます。XFS ファイルシステムは、マウントされ、アクティブな状態でデフラグし、拡張できます。また、Red Hat Enterprise Linux 6 は XFS 固有のバックアップおよび復元ユーティリティーをサポートしています。
割り当て機能
XFS は、次の割り当てスキームを特長としています。
  • エクステント (領域) ベースの割り当て
  • ストライプを認識できる割り当てポリシー
  • 遅延割り当て
  • 領域の事前割り当て
遅延割り当てや他のパフォーマンスの最適化は、ext4 と同じように XFS に影響を与えます。つまり、XFS ファイルシステムへのプログラムの書き込みは、プログラムが後で fsync() 呼び出しを発行しない限り、ディスク上にあることが保証されません。
ファイルシステムで遅延割り当ての影響についての詳細は、6章Ext4 ファイルシステム で 『割り当て機能』 を参照してください。XFS にディスクへの書き込みも適用できるようにする回避策です。
その他の XFS 機能
XFS ファイルシステムは、以下もサポートしています。
拡張属性 (xattr)
これにより、システムが、ファイルごとに、名前と値の組み合わせを追加で関連付けられるようになります。
クォータジャーナリング
クラッシュ後に行なわれる、時間がかかるクォータの整合性チェックが不要になります。
プロジェクト/ディレクトリークォータ
ディレクトリーツリー全体にクォータ制限を適用できます。
サブセカンド (一秒未満) のタイムスタンプ
これにより、タイムスタンプはサブセカンド (一秒未満) になることができます。

8.1. XFS ファイルシステムの作成

XFS ファイルシステムを作成する場合は、mkfs.xfs /dev/device コマンドを使用します。通常、デフォルトのオプションは、一般的な使用に最適なものです。
既存のファイルシステムを含むブロックデバイスで mkfs.xfs を使用する場合は、- f オプションを使用してそのファイルシステムを強制的に上書きします。

例8.1 mkfs.xfs コマンドの出力

以下は、mkfs.xfs コマンドの出力例です。
meta-data=/dev/device            isize=256    agcount=4, agsize=3277258 blks
         =                       sectsz=512   attr=2
data     =                       bsize=4096   blocks=13109032, imaxpct=25
         =                       sunit=0      swidth=0 blks
naming   =version 2              bsize=4096   ascii-ci=0
log      =internal log           bsize=4096   blocks=6400, version=2
         =                       sectsz=512   sunit=0 blks, lazy-count=1
realtime =none                   extsz=4096   blocks=0, rtextents=0
注記
XFS ファイルシステムの作成後、そのサイズを縮小することはできません。ただし、xfs_growfs コマンドを使用して拡大することはできます (「XFS ファイルシステムのサイズの拡大」 を参照)。
ストライプ化されたブロックデバイス (RAID5 アレイなど) の場合は、ファイルシステムの作成時にストライプジオメトリーを指定できます。適切なストライプジオメトリーを使用すると、XFS ファイルシステムのパフォーマンスが向上します。
LVM ボリュームまたは MD ボリュームにファイルシステムを作成する場合、mkfs.xfs は最適なジオメトリーを選択します。これは、ジオメトリー情報をオペレーティングシステムにエクスポートする一部のハードウェア RAID でも当てはまる場合があります。
ストライプジオメトリーを指定するには、以下の mkfs.xfs サブオプションを使用します。
su=value
ストライプユニットまたは RAID チャンクサイズを指定します。value は、バイトで指定する必要があります。オプションで、km、または g 接尾辞が付きます。
sw=value
RAID デバイス内のデータディスク数、または 1 ストライプ内のストライプユニット数を指定します。
以下の例では、4 つのストライプユニットを含む RAID デバイスで 64k のチャンクサイズを指定しています。
# mkfs.xfs -d su=64k,sw=4 /dev/device
XFS ファイルシステムの作成方法は、man mkfs.xfs を参照してください。
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