9.9. NFS および rpcbind
備考
次のセクションは、後方互換用に rpcbind サービスを必要とする NFSv2 または NFSv3 の実装のみに適用されます。
rpcbind[3] ユーティリティーは、RPC サービスを、それらのサービスがリッスンするポートにマッピングします。RPC プロセスが開始すると、その開始が rpcbind に通知され、そのプロセスがリッスンしているポートと、そのプロセスが処理することが予想される RPC プログラム番号が登録されます。クライアントシステムは、特定の RPC プログラム番号でサーバーの rpcbind と通信します。rpcbind サービスは、クライアントを適切なポート番号にリダイレクトし、要求されたサービスと通信できるようにします。
RPC ベースのサービスは、rpcbind を使用して、クライアントの受信要求ですべての接続を確立します。したがって、RPC ベースのサービスが起動する前に、rpcbind を利用可能な状態にする必要があります。
rpcbind サービスはアクセス制御に TCP ラッパーを使用するため、rpcbind のアクセス制御ルールは RPC ベースの すべての サービスに影響します。あるいは、NFS RPC デーモンごとにアクセス制御ルールを指定することもできます。こうしたルールの正確な構文に関しては rpc.mountd および rpc.statd の man ページに記載されている情報を参照してください。
9.9.1. NFS と rpcbind のトラブルシューティング リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
rpcbind[3] では通信に使用するポート番号と RPC サービス間の調整を行うため、トラブルシューティングを行う際は rpcbind を使用して現在の RPC サービスの状態を表示させると便利です。rpcinfo コマンドを使用すると RPC ベースの各サービスとそのポート番号、RPC プログラム番号、バージョン番号、および IP プロトコルタイプ (TCP または UDP) が表示されます。
rpcbind に対して適切な RPC ベースの NFS サービスが有効になっていることを確認するには、次のコマンドを実行します。
rpcinfo -p
# rpcinfo -p
例9.7 rpcinfo -p コマンドの出力
以下に、上記コマンドの出力例を示します。
NFS サービスの 1 つが正しく起動しないと、rpcbind は、そのサービスに対するクライアントからの RPC 要求を、正しいポートにマッピングできません。多くの場合は、NFS が rpcinfo の出力に表示されていない時に NFS を再起動すると、サービスが rpcbind に正しく登録され、動作を開始します。
rpcinfo の詳細情報と、その man ページを参照してください。