11.14. グラフィックインフラストラクチャー
Radeon
ドライバーがハードウェアを正しくリセットできない
現在、radeon
カーネルドライバーは、kexec
コンテキストでハードウェアを正しくリセットしません。代わりに radeon
がフェイルオーバーします。これにより、kdump
サービスの残りの部分が失敗します。
この問題を回避するには、/etc/kdump.conf
ファイルに以下の行を追加して、kdump
で radeon
を無効にします。
dracut_args --omit-drivers "radeon" force_rebuild 1
システムと kdump
を再起動します。kdump
の起動後、設定ファイルから force_rebuild 1
行が削除される場合があります。
このシナリオでは、ダンププロセス中にグラフィックは利用できませんが、kdump
は正常に動作します。
Bugzilla:1694705
1 つの MST トポロジーで複数の HDR ディスプレイを使用すると、電源が入らないことがあります。
nouveau
ドライバーの NVIDIA Turing GPUs を使用するシステムで、DisplayPort
ハブ (ラップトップのドックなど) を使用して HDR プラグインのサポートがあるモニターを複数接続すると、電源が入らないことがあります。これは、全ディスプレイをサポートする帯域幅がハブ上にないと、システムが誤って判断してしまうことが原因で発生します。
Bugzilla:1812577
ビデオメモリーが少なくなったため、ESXi の GUI がクラッシュする可能性がある
vCenter Server 7.0.1 を使用する VMware ESXi 7.0.1 ハイパーバイザーの RHEL 仮想マシンでグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) には、一定量のビデオメモリーが必要です。複数のコンソールまたは高解像度のモニターを仮想マシンに接続する場合、GUI には少なくとも 16 MB のビデオメモリーが必要です。ビデオメモリーが少ないで GUI を起動すると、GUI が突然終了する可能性があります。
この問題を回避するには、仮想マシンに 16 MB 以上のビデオメモリーを割り当てるようにハイパーバイザーを設定します。その結果、仮想マシンの GUI がクラッシュしなくなりました。
この問題が発生した場合は、VMware に報告することを推奨します。
VMware の記事、VMs with high resolution VM console may experience a crash on ESXi 7.0.1 (83194)、も参照してください。
Bugzilla:1910358
VNC Viewer が、IBM Z で 16 ビットのカラーデプスで誤った色を表示
VNC Viewer アプリケーションは、16 ビットのカラーデプスで IBM Z サーバーの VNC セッションに接続すると、誤った色を表示します。
この問題を回避するには、VNC サーバーで 24 ビットのカラーデプスを設定します。Xvnc
サーバーの場合は、Xvnc
設定で -depth 16
オプションを -depth 24
に置き換えます。
その結果、VNC クライアントで色が正しく表示されますが、サーバーでは、より多くのネットワーク帯域幅が使用されます。
sudo
コマンドを使用してグラフィカルアプリケーションを実行できません。
権限が昇格されたユーザーで、グラフィカルアプリケーションを実行しようとすると、エラーメッセージが表示され、アプリケーションを開くことができません。この障害は、 Xauthority
ファイルで、通常ユーザーの認証情報を使用して認証するように、Xwayland
に制限が加えられているため発生します。
この問題を回避するには、sudo -E
コマンドを使用して、root
ユーザーとしてグラフィカルアプリケーションを実行します。
ARM でハードウェアアクセラレーションがサポートされない
組み込みグラフィックドライバーは、64 ビット ARM アーキテクチャー上のハードウェアアクセラレーションまたは Vulkan API に対応していません。
ARM でハードウェアアクセラレーションまたは Vulkan を有効にするには、プロプライエタリーの Nvidia ドライバーをインストールします。
Jira:RHELPLAN-57914
ASPEED 2600 を搭載したサーバーでインストーラーがフリーズする
ASPEED 2600 On System Management チップセットを搭載したサーバー上でグラフィカル RHEL 8.8 インストーラーを起動すると、インストーラーが応答しなくなり、黒い画面が表示されます。そのため、サーバーに RHEL 8.8 をインストールできません。
この問題を回避するには、インストーラーの起動時にカーネルコマンドラインに次のいずれかのオプションを追加します。
-
nomodeset
-
drm_kms_helper.edid_firmware=edid/1024x768.bin
その結果、インストールは期待どおりに進行します。
Bugzilla:2189645