3.4. Red Hat OpenStack Platform 13 メンテナーンスリリース (2018 年 11 月 13 日)
本リリースノートには主に、今回リリースされた Red Hat OpenStack Platform のデプロイメント時に考慮すべきテクノロジープレビューの項目、推奨事項、既知の問題、非推奨になった機能について記載します。
3.4.1. 機能拡張 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースでは、以下の機能拡張が提供されています。
BZ#1466117
OpenStack director の一部として MTU を設定するために、本リリースでは NeutronML2PhysicalNetworkMtus として neutron::plugins::ml2::physical_network_mtus
が heat テンプレートに追加され、ml2 プラグインの MTU が有効化されるようになりました。neutron::plugins::ml2::physical_network_mtus は、TripleO heat テンプレートからの値を元に設定されます。
BZ#1545151
OpenStack が更新またはアップグレードされると、director は最新の amphora イメージを glance にアップロードします。最新の amphora イメージにより、最新の一般バグ修正およびセキュリティー上の修正が適用された状態で amphora インスタンスが実行されます。これには、Octavia エージェントに関する修正だけでなく、オペレーティングシステムに関する修正も含まれます。
今回のリリースで、新たに作成される amphora インスタンスおよび再作成される amphora インスタンスに、最新の amphora イメージが使用されるようになりました。それまでの amphora イメージは、名前を変更して (接尾辞にタイムスタンプを追加) 引き続き glance に保管されます。
BZ#1561961
この機能により、PCI デバイスの NUMA アフィニティーポリシーがサポートされるようになりました。このポリシーは、[pci]alias
の設定オプションの一部として設定します。required
、legacy
、preferred
の 3 つのポリシーがサポートされています。いずれの場合も、可能であれば、厳格な NUMA アフィニティーが提供されます。これらのポリシー間の主要な相違点は、どれだけの NUMA アフィニティーを破棄するとスケジューリングが失敗するかという点です。これらのポリシーにより、デバイスごとまたはより具体的にするにはデバイスエイリアスごとに、NUMA アフィニティーをどの程度厳格にするかを設定できます。これは、リソース使用率を最大化するのに役立ちます。PCI デバイスに preferred ポリシーを設定した場合、PCI デバイスの NUMA ノードとは異なる NUMA ノードしか利用できなければ、nova はそのノード上の CPU を使用するようになります。これにより、リソースの使用率が高くなりますが、それらのインスタンスのパフォーマンスは低減するというマイナス面があります。
BZ#1571286
重み付け関数 CPUWeigher
を使用して、仮想 CPU の使用状況に応じて負荷をホストに分散する (デフォルト)、または集約することができます。nova.conf の [filter_scheduler] cpu_weight_multiplier
設定オプションを -1.0 または 1.0 に設定することができます。このオプションを 1.0 に設定すると、インスタンスはホスト全体に分散されます。このオプションを -1.0 に設定すると、インスタンスは 1 つのホストに集約されます。値を 0 に設定すると、重み付け関数は無効になります。
BZ#1619485
multipathd show status
が返すべきエラーコードを返さない状況があります。したがって、multipathd がエラー状態にあることを正しく検出するために、この問題の回避策として stdout を確認しています。
BZ#1628786
マルチアーキテクチャー環境での Ceph のセットアップ失敗を防ぐために、今回の更新でクライアントユーザー、鍵、およびプールの Ceph セットアップが x86_64 以外のシステムでは実行されないようになりました。
Ceph のセットアップは、x86_64 システムでのみサポートされます。今回の更新以前は、クライアントグループの最初のインベントリー項目が x86_64 以外のシステムの場合には、そのシステム上での Ceph セットアップの試みは失敗し、その結果 ceph-install が中断していました。
BZ#1629873
iSCSI デバイスの検出では、再スキャンの時間を元にデバイスの有無を確認していました。したがって、スキャンとスキャンの間に利用可能になるデバイスは検出されませんでした。今回のリリースでは、検索と再スキャンは異なるリズムで動作する独立した操作になり、1 秒ごとに確認が行われます。
BZ#1631009
以前のバージョンでは、オーバークラウドと同様に、アンダークラウド hieradata のオーバーライド値を使用して <service>::config オプションにより一部のサービス設定をチューニングすることができました。ただし、この機能はデプロイされたすべての OpenStack サービスで利用可能なわけではありませんでした。今回のバージョンでは、現在利用できないあらゆる設定値を、<service>::config hieradata により更新することができるようになりました。
BZ#1640833
ボリュームのタイプ変更および移行操作のサポートが、Block Storage サービスの HPE Nimble Storage ドライバーに追加されました。