7.4. networking-ansible ML2 機能の有効化
この手順では、オーバークラウドで networking-ansible
ML2 ドライバーを有効にする方法を説明します。この設定では、デプロイメントに 2 つの環境ファイルを追加する必要があります。
/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/neutron-ml2-ansible.yaml
-
このファイルは、
networking-ansible
ドライバーを有効にし、ネットワーク種別をvlan
に設定します。このファイルは、コア heat テンプレートコレクションにすでに存在します。 /home/stack/templates/ml2-ansible-hosts.yaml
- スイッチの詳細情報が含まれるファイルです。このファイルは手動で作成します。
手順
/home/stack/templates/ml2-ansible-hosts.yaml
を作成し、以下の初期コンテンツを追加します。parameter_defaults: ML2HostConfigs:
ML2HostConfigs
パラメーターには、スイッチの詳細情報が含まれるdict
値が必要です。dict
の各初期キーは、スイッチの名前です。この値によって、OpenStack Networking (neutron) ML2 設定に特定のansible:[switchname]
セクションが定義されます。各スイッチ名のキーには、実際のスイッチの詳細情報が含まれる個別のdict
が必要です。たとえば、スイッチを 3 つ設定する場合、スイッチキーを 3 つ追加します。parameter_defaults: ML2HostConfigs: switch1: [SWITCH DETAILS] switch2: [SWITCH DETAILS] switch3: [SWITCH DETAILS]
各スイッチには、
dict
内に特定のキー値ペアが必要です。ansible_network_os
(必須) スイッチのオペレーティングシステム。選択肢は、
junos
とeos
です。重要Arista Extensible Operating System (
eos
) のサポートは、本リリースでは テクノロジープレビュー として提供しているため、Red Hat では全面的にはサポートしていません。これは、テスト目的のみでご利用いただく機能で、実稼働環境にデプロイすべきではありません。テクノロジープレビュー機能についての詳しい情報は、「対象範囲の詳細」を参照してください。ansible_host
- (必須) スイッチの IP またはホスト名。
ansible_user
- (必須) Ansible がスイッチにアクセスする際に使用するユーザー。
ansible_ssh_pass
- (必須) Ansible がスイッチにアクセスするために使用する SSH パスワード。
mac
-
ネットワークデバイスのシャーシ MAC ID。これを使用して、Link Layer Discovery Protocol (LLDP) MAC アドレス値を、
ML2HostConfigs
設定で定義されたスイッチ名にマッピングします。この値は、イントロスペクションを使用してポート自動設定を実行する際に必要です。 manage_vlans
-
OpenStack Networking (neutron) が物理デバイス上の VLAN の作成と削除を制御するかどうかを定義するブール型変数。この機能によって、スイッチは各 Neutron ネットワークに対応する ID を持つ VLAN を作成および削除します。スイッチにこれらの VLAN が事前定義されていて、Neutron でスイッチに VLAN を作成したり削除したりする必要がない場合は、このパラメーターを
false
に設定します。デフォルト値はtrue
です。
以下の例は、全
ML2HostConfigs
パラメーターで、これらの値を対応するキーにマッピングする方法を示しています。parameter_defaults: ML2HostConfigs: switch1: ansible_network_os: juno ansible_host: 10.0.0.1 ansible_user: ansible ansible_ssh_pass: "p@55w0rd!" mac: 01:23:45:67:89:AB manage_vlans: false
-
/home/stack/templates/ml2-ansible-hosts.yaml
ファイルを保存します。 オーバークラウドのデプロイメントコマンドの実行時に、
-e
オプション指定して/usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/neutron-ml2-ansible.yaml
と/home/stack/templates/ml2-ansible-hosts.yaml
ファイルを追加します。以下の例で、これらのファイルの追加方法を説明します。$ openstack overcloud deploy --templates \ ... -e /usr/share/openstack-tripleo-heat-templates/environments/neutron-ml2-ansible.yaml \ -e /home/stack/templates/ml2-ansible-hosts.yaml \ ...
director は、neutron_api
コンテナーの OpenStack Networking (neutron) API の一部としてドライバーを有効にします。