2.10. 自動化のための Red Hat Quay の事前設定


Red Hat Quay には、自動化をサポートする複数の設定オプションがあります。これらのオプションはデプロイメントの前に設定でき、ユーザーインターフェイスとの対話の必要性を最小限に抑えることができます。

2.10.1. API による最初のユーザー作成の許可

/api/v1/user/initialize API を使用して最初のユーザー を作成するには、FEATURE_USER_INITIALIZE パラメーターを true に設定します。既存の組織の OAuth アプリケーションによって生成された OAuth トークンを必要とする他のすべてのレジストリー API 呼び出しとは異なり、API エンドポイントには認証は必要ありません。

Red Hat Quay のデプロイ後に、API を使用して他のユーザーがすでに作成されていない限り、quayadmin などのユーザーを作成できます。詳細は、API を使用した最初のユーザーの作成 を参照してください。

2.10.2. API 一般アクセスの有効化

Red Hat Quay レジストリー API の一般的なアクセスを許可するには、設定オプション BROWSER_API_CALLS_XHR_ONLYfalse に設定します。

2.10.3. スーパーユーザーの追加

Red Hat Quay のデプロイ後に、ユーザーを作成できます。最初のユーザーには、全パーミッションが割り当てられた管理者権限を付与することをお勧めします。すべてのパーミッションは、SUPER_USER 設定オブジェクトを使用して事前に設定できます。以下に例を示します。

...
SERVER_HOSTNAME: quay-server.example.com
SETUP_COMPLETE: true
SUPER_USERS:
  - quayadmin
...

2.10.4. ユーザー作成の制限

スーパーユーザーを設定したら、新しいユーザーをスーパーユーザーグループに作成する機能を制限できます。ユーザー作成を制限するには、FEATURE_USER_CREATIONfalse に設定します。以下に例を示します。

...
FEATURE_USER_INITIALIZE: true
BROWSER_API_CALLS_XHR_ONLY: false
SUPER_USERS:
- quayadmin
FEATURE_USER_CREATION: false
...

2.10.5. 新機能の有効化

新規の Red Hat Quay 3.7 機能を使用するには、以下の機能の一部またはすべてを有効にします。

...
FEATURE_QUOTA_MANAGEMENT: true
FEATURE_BUILD_SUPPORT: true
FEATURE_PROXY_CACHE: true
FEATURE_STORAGE_REPLICATION: true
DEFAULT_SYSTEM_REJECT_QUOTA_BYTES: 102400000
...

2.10.6. 自動化の推奨設定

自動化には、以下の config.yaml パラメーターが推奨されます。

...
FEATURE_USER_INITIALIZE: true
BROWSER_API_CALLS_XHR_ONLY: false
SUPER_USERS:
- quayadmin
FEATURE_USER_CREATION: false
...

2.10.7. 初期設定を使用した Red Hat Quay Operator のデプロイ

以下の手順に従って、初期設定を使用して OpenShift Container Platform に Red Hat Quay をデプロイします。

前提条件

  • oc CLI がインストールされている。

手順

  1. 設定ファイルを使用してシークレットを作成します。

    $ oc create secret generic -n quay-enterprise --from-file config.yaml=./config.yaml init-config-bundle-secret
  2. quayregistry.yaml ファイルを作成します。以下のように、管理対象外のコンポーネントを特定し、作成されたシークレットを参照します。

    apiVersion: quay.redhat.com/v1
    kind: QuayRegistry
    metadata:
      name: example-registry
      namespace: quay-enterprise
    spec:
      configBundleSecret: init-config-bundle-secret
  3. Red Hat Quay レジストリーをデプロイします。

    $ oc create -n quay-enterprise -f quayregistry.yaml

2.10.8. API を使用した Red Hat Quay のデプロイ

本セクションでは、API を使用して Red Hat Quay をデプロイする方法について説明します。

前提条件

  • 設定オプション FEATURE_USER_INITIALIZEtrue に設定する。
  • データベースにユーザーが存在していない。

Red Hat Quay デプロイメントを事前に設定する方法は、自動化のための Red Hat Quay の設定 セクションを参照してください。

2.10.8.1. API を使用した最初のユーザーの作成

以下の手順に従って、Red Hat Quay 組織で最初のユーザーを作成します。

注記

この手順では、"access_token": true を指定して OAuth トークンを要求します。

  • status.registryEndpoint URL を使用して、以下のコマンドを入力し、/api/v1/user/initialize API を呼び出してユーザー名、パスワード、およびメールアドレスを渡します。

    $  curl -X POST -k  https://example-registry-quay-quay-enterprise.apps.docs.quayteam.org/api/v1/user/initialize --header 'Content-Type: application/json' --data '{ "username": "quayadmin", "password":"quaypass123", "email": "quayadmin@example.com", "access_token": true}'

    成功すると、このコマンドはユーザー名、メール、および暗号化されたパスワードが含まれるオブジェクトを返します。以下に例を示します。

    {"access_token":"6B4QTRSTSD1HMIG915VPX7BMEZBVB9GPNY2FC2ED", "email":"quayadmin@example.com","encrypted_password":"1nZMLH57RIE5UGdL/yYpDOHLqiNCgimb6W9kfF8MjZ1xrfDpRyRs9NUnUuNuAitW","username":"quayadmin"}

    データベースにユーザーが存在している場合は、エラーが返されます。

    {"message":"Cannot initialize user in a non-empty database"}

    パスワードが 8 文字以上でない場合や、空白が含まれている場合には、エラーが返されます。

    {"message":"Failed to initialize user: Invalid password, password must be at least 8 characters and contain no whitespace."}

2.10.8.2. OAuth トークンの使用

API の呼び出し後に、返される OAuth コードを指定して残りの Red Hat Quay API を呼び出すことができます。

前提条件

  • /api/v1/user/initialize API を呼び出し、ユーザー名、パスワード、およびメールアドレスに渡している。

手順

  • 以下のコマンドを入力して、現在のユーザーの一覧を取得します。

    $ curl -X GET -k -H "Authorization: Bearer 6B4QTRSTSD1HMIG915VPX7BMEZBVB9GPNY2FC2ED" https://example-registry-quay-quay-enterprise.apps.docs.quayteam.org/api/v1/superuser/users/

    出力例:

    {
        "users": [
            {
                "kind": "user",
                "name": "quayadmin",
                "username": "quayadmin",
                "email": "quayadmin@example.com",
                "verified": true,
                "avatar": {
                    "name": "quayadmin",
                    "hash": "3e82e9cbf62d25dec0ed1b4c66ca7c5d47ab9f1f271958298dea856fb26adc4c",
                    "color": "#e7ba52",
                    "kind": "user"
                },
                "super_user": true,
                "enabled": true
            }
        ]
    }

    このインスタンスでは、これまで作成した唯一のユーザーであるため、quayadmin ユーザーの詳細が返されます。

2.10.8.3. API を使用した組織の作成

以下の手順では、API を使用して Red Hat Quay 組織を作成する方法を説明します。

前提条件

  • /api/v1/user/initialize API を呼び出し、ユーザー名、パスワード、およびメールアドレスに渡している。
  • 返された OAuth コードを指定して、残りの Red Hat Quay API を呼び出している。

手順

  1. 組織を作成するには、api/v1/organization/ エンドポイントへの POST 呼び出しを使用します。

    $ curl -X POST -k --header 'Content-Type: application/json' -H "Authorization: Bearer 6B4QTRSTSD1HMIG915VPX7BMEZBVB9GPNY2FC2ED" https://example-registry-quay-quay-enterprise.apps.docs.quayteam.org/api/v1/organization/ --data '{"name": "testorg", "email": "testorg@example.com"}'

    出力例:

    "Created"
  2. 以下のコマンドを入力して、作成した組織の詳細を取得できます。

    $ curl -X GET -k --header 'Content-Type: application/json' -H "Authorization: Bearer 6B4QTRSTSD1HMIG915VPX7BMEZBVB9GPNY2FC2ED" https://min-registry-quay-quay-enterprise.apps.docs.quayteam.org/api/v1/organization/testorg

    出力例:

    {
        "name": "testorg",
        "email": "testorg@example.com",
        "avatar": {
            "name": "testorg",
            "hash": "5f113632ad532fc78215c9258a4fb60606d1fa386c91b141116a1317bf9c53c8",
            "color": "#a55194",
            "kind": "user"
        },
        "is_admin": true,
        "is_member": true,
        "teams": {
            "owners": {
                "name": "owners",
                "description": "",
                "role": "admin",
                "avatar": {
                    "name": "owners",
                    "hash": "6f0e3a8c0eb46e8834b43b03374ece43a030621d92a7437beb48f871e90f8d90",
                    "color": "#c7c7c7",
                    "kind": "team"
                },
                "can_view": true,
                "repo_count": 0,
                "member_count": 1,
                "is_synced": false
            }
        },
        "ordered_teams": [
            "owners"
        ],
        "invoice_email": false,
        "invoice_email_address": null,
        "tag_expiration_s": 1209600,
        "is_free_account": true
    }
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