第9章 Satellite Server 間でのコンテンツ同期
Red Hat Satellite 6.6 は Inter-Satellite Synchronization (ISS) を使用して、コンテンツの Satellite Server 間、または Satellite Server の組織間を同期します。
以下のシナリオで ISS を使用することができます。
- オンラインの Satellite Server とオフラインの Satellite Server の両方があり、オンラインのサーバーからオフラインのサーバーにコンテンツをコピーする場合。たとえば、セキュリティーなどの理由で、管理インフラストラクチャーを完全に分離する必要がある場合などです。
- Satellite Server の一部のコンテンツのみを他の Satellite Server にコピーする場合。たとえば、IT 部門が検証するコンテンツビューが Satellite Server であり、それらのコンテンツビューから他の Satellite Server にコンテンツをコピーしたいとします。
- ある組織のコンテンツビューのクローンを Satellite Server の別の組織に作成する場合。
ISS は、Satellite Server から Capsule Server へのコンテンツの同期には使用できません。Capsule Server はネイティブで同期をサポートします。詳細は、Red Hat Satellite 6 の計画 の Capsule Server の概要 を参照してください。
9.1. コンテンツビューバージョンのエクスポート
コンテンツビューのバージョンを、Satellite Server からアーカイブファイルにエクスポートして、このアーカイブファイルを使用し、別の Satellite Server か、別の Satellite Server の組織に同じコンテンツビューバージョンを作成します。Satellite では、複合コンテンツビューはエクスポートされません。エクスポートしたアーカイブファイルには、以下のデータが含まれます。
- コンテンツビューバージョンのメタデータが含まれる JSON ファイル
- コンテンツビューバージョンに組み込まれる全リポジトリーを含むアーカイブファイル
Satellite Server は、コンテンツビューのバージョンに追加された RPM およびキックスタートファイルのみをエクスポートします。Satellite では、以下の内容はエクスポートされません。
- Puppet コンテンツ
- Docker コンテンツ
- OSTree コンテンツ
- パッケージフィルターなど、コンテンツビューの定義およびメタデータ
hammer content-view version export コマンドの変更
hammer content-view version export
および hammer content-view version import
の新しいコマンドは、以前の Satellite のバージョンのコマンドと機能の仕方が違います。以前の機能は、hammer content-view version export-legacy
コマンドで引き続き利用できます。このような以前の機能には、新機能に存在しない以下の機能が含まれます。
-
接続されている Satellite Server からオフラインの Satellite Server に直接パッチを適用できます。
hammer content-view version export-legacy
は、CDN の構造をエクスポートするので、Red Hat カスタマーポータルからの DVD ISO を使用する必要はありません。 -
yum 以外のコンテンツを含むコンテンツビューをエクスポートする場合は、
hammer content-view version export-legacy
を使用すると、yum 以外のコンテンツをスキップしてコンテンツビューをエクスポートしますが、hammer content-view version export
は、yum 以外のリポジトリーを削除するようにプロンプトを表示して失敗します。
以前の機能の使用に関する詳細情報は、Satellite 6.4 コンテンツ管理ガイドの Satellite Server 間でのコンテンツ同期 を参照してください。
前提条件
コンテンツビューをエクスポートするには、エクスポートする Satellite Server が、以下の条件を満たしていることを確認します。
- エクスポートディレクトリーに、エクスポートに対応できる空き容量があることを確認する。
-
/var/lib/pulp/
ディレクトリーに、エクスポートプロセス中に作成された一時ファイルに、エクスポートされるリポジトリーのサイズと同じ空き容量があることを確認する。 -
/var/cache/pulp
ディレクトリーに、エクスポートプロセス中に作成される一時ファイルに、エクスポートされるリポジトリーのサイズの 2 倍の空き容量があることを確認する。 - エクスポートするコンテンツビュー内の全リポジトリーでダウンロードポリシーを 即時 に設定していることを確認する。詳細は、「ダウンロードポリシーの概要」 を参照してください。
- リポジトリー設定ページで、インポートするリポジトリーの Mirror on Sync チェックボックスの選択が解除されていることを確認する。
- エクスポートする製品が、必要な日付に同期されることを確認する。
コンテンツビューバージョンをエクスポートする方法
コンテンツビューをリスト表示して、エクスポートするコンテンツビューバージョンの ID を特定します。
# hammer content-view version list \ --organization "Default Organization"
コンテンツビューのバージョンをエクスポートします。
--export-dir
オプションを使用してエクスポートを保存するディレクトリー、--id
オプションを使用してエクスポートするコンテンツビューバージョン の ID を指定します。pulp_export_destination
設定は、この手順では動作しません。# hammer content-view version export --export-dir export_directory \ --id content_view_version_ID
エクスポートしたコンテンツビューバージョンが含まれるアーカイブが、エクスポートディレクトリーにあることを確認します。
# ls export_directory export-1.tar