付録A コンテンツストレージ向け NFS 共有の使用


使用する環境ではコンテンツのストレージに十分な容量のハードディスクが必要になります。場合によっては、コンテンツのストレージに NFS 共有を使用することが便利なこともあります。本付録では、Satellite Server のコンテンツ管理コンポーネントに NFS 共有をマウントする方法を説明します。

重要

NFS 共有に、/var/lib/pulp すべてをマウントしないでください。/var/lib/pulp のファイルシステムには、帯域幅が高く、レイテンシーの低いストレージを使用してください。Red Hat Satellite には I/O を大量に使用する操作が多数あるため、レイテンシーが高く、帯域幅の低いストレージを使用すると、パフォーマンスが低下する問題が発生する可能性があります。NFS 共有は、 /var/lib/pulp/content ディレクトリーにのみ使用してください。

  1. NFS 共有を作成します。この例では、nfs.example.com:/satellite/content で共有を使用します。この共有で適切なパーミッションが Satellite Server とその apache ユーザーに提供されるようにしてください。
  2. Satellite ホストで satellite-maintain サービスを停止します。

    # satellite-maintain service stop
  3. Satellite Server に nfs-utils パッケージがインストールされていることを確認します。

    # satellite-maintain packages install nfs-utils
  4. /var/lib/pulp/content の既存のコンテンツを NFS 共有にコピーします。まず、NFS 共有を一時的なロケーションにマウントします。

    # mkdir /mnt/temp
    # mount -o rw nfs.example.com:/satellite/content /mnt/temp

    /var/lib/pulp/content の既存コンテンツを一時的な場所にコピーします。

    # cp -r /var/lib/pulp/content/* /mnt/temp/.
  5. 共有上の全ファイルで apache ユーザーを使用するようにパーミッションを設定します。通常、このユーザーの ID は 48 になります。
  6. 一時的なストレージのロケーションをアンマウントします。

    # umount /mnt/temp
  7. /var/lib/pulp/content の既存コンテンツを削除します。

    # rm -rf /var/lib/pulp/content/*
  8. /etc/fstab ファイルに以下の行を追加します。

    nfs.example.com:/satellite/content    /var/lib/pulp/content   nfs    rw,hard,intr,context="system_u:object_r:httpd_sys_rw_content_t:s0"

    これでシステムの再起動後もマウントが維持されます。SELinux コンテキストを含めることを忘れないでください。

  9. マウントを有効にします。

    # mount -a
  10. NFS 共有が var/lib/pulp/content にマウントしていることを確認します。

    # df
    Filesystem                         1K-blocks     Used Available Use% Mounted on
    ...
    nfs.example.com:/satellite/content 309506048 58632800 235128224  20% /var/lib/pulp/content
    ...

    既存のコンテンツが var/lib/pulp/content のマウントにあることを確認します。

    # ls /var/lib/pulp/content
  11. Satellite ホストで satellite-maintain サービスを起動します。

    # satellite-maintain service start

これで Satellite Server はコンテンツの保存に NFS 共有を使用します。コンテンツの同期(「コンテンツの同期の概要」 を参照)を実行し、NFS 共有が予想通りに機能することを確認します。

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