10.2. MySQL データベースの外部化


MySQL データベースを完全に外部化するには、以下の手順を使用します。

警告

この操作により、プロセスの進行中に環境でダウンタイムが発生します。

手順

  1. オンプレミス型 3scale インスタンスをホストする OpenShift ノードにログインし、そのプロジェクトに切り替えます。

    oc login -u <user> <url>
    oc project <3scale-project>

    <user><url>、および <3scale-project> を、実際のクレデンシャルとプロジェクト名に置き換えます。

  2. 以下に示す順序で手順実施し、すべての Pod をスケールダウンします。これにより、データの喪失が回避されます。

    オンプレミス型 3scale の停止

    OpenShift Web コンソールまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) から、すべてのデプロイメント設定を以下の順序でゼロレプリカにスケールダウンします。

    • 3scale 2.6 より前のバージョンの場合は apicast-wildcard-routerzync、3scale 2.6 以降の場合は zync-quezync
    • apicast-stagingapicast-production
    • system-sidekiqbackend-cron、および system-sphinx

      • 3scale 2.3 の場合には system-resque を対象に含めます。
    • system-app
    • backend-listenerbackend-worker
    • backend-redissystem-memcachesystem-mysqlsystem-redis、および zync-database

      以下の例は、apicast-wildcard-routerzync について、CLI でこの操作を実施する方法を示しています。

      oc scale dc/apicast-wildcard-router --replicas=0
      oc scale dc/zync --replicas=0
      注記

      各ステップのデプロイメント設定は同時にスケールダウンできます。たとえば、apicast-wildcard-routerzync を一緒にスケールダウンできます。ただし、各ステップの Pod が終了するのを待ってから、次の Pod をスケールダウンすることをお勧めします。3scale インスタンスは、完全に再起動されるまで一切アクセスできなくなります。

  3. 3scale プロジェクトで実行中の Pod がないことを確認するには、以下のコマンドを使用します。

    oc get pod

    このコマンドは、No resources found を返すはずです。

  4. 以下のコマンドを使用して、データベースレベルの Pod を再度スケールアップします。

    oc scale dc/{backend-redis,system-memcache,system-mysql,system-redis,zync-database} --replicas=1
  5. 次のステップに進む前に、system-mysql Pod を通じて外部 MySQL データベースにログインできることを確認してください。

    oc rsh system-mysql-<system_mysql_pod_id>
    mysql -u root -p -h <host>
    • <system_mysql_pod_id>:system-mysql Pod の識別子。
    • ユーザーには必ず root を使用する。詳しくは、外部 MySQL データベースに関する制約 を参照してください。

      1. CLI に mysql> が表示されるようになります。exit と入力してから enter キーを押します。次のプロンプトで再度 exit と入力して、OpenShift ノードのコンソールに戻ります。
  6. 以下のコマンドを使用して、MySQL のフルダンプを実行します。

    oc rsh system-mysql-<system_mysql_pod_id> /bin/bash -c "mysqldump -u root --single-transaction --routines --triggers --all-databases" > system-mysql-dump.sql
    • <system_mysql_pod_id> を一意の system-mysql Pod ID に置き換えます。
    • 次の例のように、ファイル system-mysql-dump.sql に有効な MySQL レベルのダンプが含まれていることを確認します。

      $ head -n 10 system-mysql-dump.sql
      -- MySQL dump 10.13  Distrib 5.7.24, for Linux (x86_64)
      --
      -- Host: localhost    Database:
      -- ------------------------------------------------------
      -- Server version   5.7.24
      
      /*!40101 SET @OLD_CHARACTER_SET_CLIENT=@@CHARACTER_SET_CLIENT */;
      /*!40101 SET @OLD_CHARACTER_SET_RESULTS=@@CHARACTER_SET_RESULTS */;
      /*!40101 SET @OLD_COLLATION_CONNECTION=@@COLLATION_CONNECTION */;
      /*!40101 SET NAMES utf8 */;
  7. system-mysql Pod をスケールダウンし、レプリカが 0 (ゼロ) のままにします。

    oc scale dc/system-mysql --replicas=0
  8. <password><host> を適宜置き換え、URL mysql2://root:<password>@<host>/systembase64 変換値を取得します。

    echo "mysql2://root:<password>@<host>/system" | base64
  9. リモート MySQL データベースのデフォルトの 'user'@'%' を作成します。これには SELECT 権限しか付与する必要はありません。また、その base64 変換値を取得します。

    echo "user" | base64
    echo "<password>" | base64
    • <password> を 'user'@'%' のパスワードに置き換えます。
  10. バックアップを実行し、OpenShift シークレット system-database を編集します。

    oc get secret system-database -o yaml > system-database-orig.bkp.yml
    oc edit secret system-database
    • URL:これを [step-8] で取得した値に置き換えます。
    • DB_USER および DB_PASSWORD:いずれの場合も、前の手順の値を使用します。
  11. system-mysql-dump.sql をリモートデータベースサーバーに送信し、ダンプをインポートします。インポートには、以下のコマンドを使用します。
  12. 以下のコマンドを使用して system-mysql-dump.sql をリモートデータベースサーバーに送信し、ダンプをサーバーにインポートします。

    mysql -u root -p < system-mysql-dump.sql
  13. system という新しいデータベースが作成されたことを確認します。

    mysql -u root -p -se "SHOW DATABASES"
  14. 以下の手順を使用して、オンプレミス型 3scale を起動します。これにより、すべての Pod が正しい順序でスケールアップされます。

    オンプレミス型 3scale の起動

    • backend-redissystem-memcachesystem-mysqlsystem-redis、および zync-database
    • backend-listenerbackend-worker
    • system-app
    • system-sidekiqbackend-cron、および system-sphinx

      • 3scale 2.3 の場合には system-resque を対象に含めます。
    • apicast-stagingapicast-production
    • 3scale 2.6 より前のバージョンの場合は apicast-wildcard-routerzync、3scale 2.6 以降の場合は zync-quezync

      以下の例は、backend-redissystem-memcachesystem-mysqlsystem-redis、および zync-database について、CLI でこの操作を実行する方法を示しています。

      oc scale dc/backend-redis --replicas=1
      oc scale dc/system-memcache --replicas=1
      oc scale dc/system-mysql --replicas=1
      oc scale dc/system-redis --replicas=1
      oc scale dc/zync-database --replicas=1

      system-app Pod が問題なく起動し、実行されるはずです。

  15. 確認後、上記の順序 で他の Pod をスケールアップして元の状態に戻します。
  16. system-mysql DeploymentConfig オブジェクトのバックアップを作成します。数日後、すべて正常に動作していることが確認できたら、削除してかまいません。system-mysql DeploymentConfig を削除することで、この手順を今後再び実行する場合の混乱を防ぐことができます。
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