第4章 Red Hat OpenShift 上での APIcast の実行
本チュートリアルでは、Red Hat OpenShift に APIcast API ゲートウェイをデプロイする方法について説明します。
前提条件
- 3章APIcast のインストールに従って、Red Hat 3scale API Management 管理ポータルで APIcast を設定する必要があります。
- インテグレーション設定でデプロイメントオプションに Self-managed Gateway が選択されていることを確認してください。
- 手順を進めるには、ステージング環境と実稼働環境の両方を設定している必要があります。
Red Hat OpenShift 上で APIcast を実行するには、以下のセクションに概略を示す手順を実施します。
4.1. Red Hat OpenShift の設定
OpenShift クラスターが稼働中である場合は、本セクションを省略できます。稼働中でなければ、以下の手順に従ってください。
実稼働デプロイメントの場合は、OpenShift のインストール手順 に従います。
本チュートリアルでは、OpenShift クラスターは以下を使用してインストールされます。
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7
- Docker コンテナー環境 (v1.10.3)
- OpenShift Origin コマンドラインインターフェイス (CLI) v1.3.1
以下のセクションを使用して、Red Hat OpenShift を設定します。
4.1.1. Docker コンテナー環境のインストール
Red Hat が提供する Docker 形式のコンテナーイメージは、RHEL の Extras チャンネルの一部としてリリースされています。追加のリポジトリーを有効にするには、Subscription Manager または yum-config-manager を使用できます。詳細は、RHEL の製品ドキュメント を参照してください。
AWS EC2 インスタンスにデプロイされた RHEL 7 では、以下の手順を使用します。
手順
すべてのリポジトリーを一覧表示します。
sudo yum repolist all
*-extras
リポジトリーを探し、有効にします。sudo yum-config-manager --enable rhui-REGION-rhel-server-extras
Docker 形式のコンテナーイメージをインストールします。
sudo yum install docker docker-registry
/etc/sysconfig/docker
ファイルに以下の行を追加するか、アンコメントして、172.30.0.0/16
のセキュアでないレジストリーを追加します。INSECURE_REGISTRY='--insecure-registry 172.30.0.0/16'
Docker サービスを開始します。
sudo systemctl start docker
以下のコマンドを使用して、コンテナーサービスが動作中であることを確認します。
sudo systemctl status docker
4.1.2. OpenShift クラスターの起動
OpenShift クラスターを起動するには、以下の手順を実施します。
手順
OpenShift リリースページ から、クライアントツールの最新の安定版リリース (
openshift-origin-client-tools-VERSION-linux-64bit.tar.gz
) をダウンロードし、アーカイブから抽出した Linuxoc
バイナリーをPATH
に置きます。注記docker コマンドは
root
ユーザーとして実行されるため、oc
または docker コマンドはすべて root 権限で実行する必要があります。docker コマンドを実行する権限のあるユーザーでターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
oc cluster up
出力の最後に、デプロイされたクラスターの情報が表示されます。
-- Server Information ... OpenShift server started. The server is accessible via web console at: https://172.30.0.112:8443 You are logged in as: User: developer Password: developer To login as administrator: oc login -u system:admin
-
OpenShift サーバーに割り当てられた IP アドレスを書き留めておきます。本チュートリアルでは
OPENSHIFT-SERVER-IP
をその IP アドレスに置き換えてください。
4.1.3. リモートサーバーでの OpenShift クラスターの設定 (任意)
OpenShift クラスターをリモートサーバーにデプロイする場合、クラスターの起動時にパブリックホスト名とルーティング接尾辞を明示的に指定し、OpenShift Web コンソールへリモートアクセスできるようにする必要があります。
たとえば、AWS EC2 インスタンスでデプロイする場合は、以下のオプションを指定する必要があります。
oc cluster up --public-hostname=ec2-54-321-67-89.compute-1.amazonaws.com --routing-suffix=54.321.67.89.xip.io
ec2-54-321-67-89.compute-1.amazonaws.com
はパブリックドメイン、54.321.67.89
はインスタンスの IP アドレスに置き換えます。これにより、https://ec2-54-321-67-89.compute-1.amazonaws.com:8443 で OpenShift Web コンソールにアクセスできるようになります。