6.5. カーネル
IBM Z システムが特定の BCC ツールの使用時に応答しなくなる
以前のバージョンでは、カーネルのバグが原因で、bcc-tools
からの dcsnoop
、runqlen
および slabratetop
ユーティリティーを実行すると、IBM Z システムが応答しなくなりました。今回の更新で問題が修正され、上記のシナリオで IBM Z システムがハングしなくなりました。
(BZ#1724027)
仮想マシンで不要な CPU 脆弱性の移行が有効ではなくなる
以前は、CPU フラグの MDS_NO
が Microarchitectural Data Sampling(MDS) の脆弱性に対して脆弱ではないことを示し、仮想マシンが CPU ホストパススルーを使用している場合に、ゲストオペレーティングシステムに公開されませんでした。このため、ゲストのオペレーティングシステムは、その時点でホストに必要ない CPU 脆弱性の回避策機能を自動的に有効にしていました。今回の更新で、CPU ホストパススルーの使用時に MDS_NO
フラグがゲストオペレーティングシステムに適切に表示されるようになり、上記の問題が発生しなくなりました。
(BZ#1708465, BZ#1677209)
nf-logger
フレームワークでのロギングの無効化を修正
以前は、管理者が sysctl
または echo
コマンドを使用して、割り当てられた netfilter
ロガーをオフにした際に、NUL
文字が NONE
文字列の末尾に追加されませんでした。そのため、strcmp()
関数が失敗し、No such file or directory
というエラーが表示されました。今回の更新でこの問題が修正されました。その結果、sysctl net.netfilter.nf_log.2=NONE
などのコマンドが期待どおりに機能し、ロギングをオフにします。
(BZ#1770232)
megaraid_sas
ドライバーでハイバネートからの再開が可能になりました
以前のリリースでは、megaraid_sas
ドライバーがハイバネートから再開する際に、Message Signaled Interrupts (MSIx) の割り当てが正常に機能しませんでした。そのため、ハイバネートからの再開が失敗し、システムの再起動が必要でした。このバグは修正され、ハイバネートからの再開が期待どおりに実行されるようになりました。
(BZ#1807077)
Kdump が 2 番目のカーネルで失敗しなくなる
以前は、ディスクの移行、またはディスクイメージがある新規マシンのインストール後に、kdump initramfs
イメージが 2 番目のカーネルで失敗していました。今回の更新で、kdump initramfs
イメージを再構築する kdumpctl rebuild
コマンドが追加されました。これにより、ユーザーが initramfs
を再構築して、kdump が 2 番目のカーネルで失敗しないようにできるようになりました。
(BZ#1723492)