4.2. 認証および相互運用性
ipa-client-automount ユーティリティーが、IdM ドメインとは異なる NFS ドメインの設定に対応
今回の機能拡張により、--idmap-domain オプションが ipa-client-automount ユーティリティーに追加されました。以前は、ipa-client-automount は NFS ドメインが Identity Management (IdM) と同じであると仮定していましたが、これは常に当てはまるわけではありません。これにより、IdM ドメインとは異なる NFS ドメインを指定できるようになりました。
ipa-client-automount ユーティリティーは、以下のように動作するようになりました。
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--idmap-domainオプションが設定されていないと、ipa-client-automountは IdM ドメインを NIS ドメインとして使用します。 -
--idmap-domainに渡されるドメインがDNSに設定されていると、ipa-client-automountは/etc/idmapd.confファイルのDomainパラメーターに指定された値を削除し、idmapdサービスはドメインの自動検出を行います。 -
--idmap-domainに渡されるドメインが DNS ドメインに一致しない場合、ipa-client-automountは、/etc/idmapd.confファイルのDomainパラメーターに指定された値を設定します。
Samba がバージョン 4.10.4 にリベース
samba パッケージがアップストリームバージョン 4.10.4 にアップグレードされ、以前のバージョンのバグ修正および機能拡張が数多く追加されました。
- Samba 4.10 は Python 3 に完全に対応します。今後の Samba バージョンには、Python 2 のランタイムサポートが含まれないことに注意してください。
- JSON (JavaScript Object Notation) ロギング機能が、認証メッセージの Windows イベント ID とログオンタイプをログに記録するようになりました。
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ユーザー空間における新たな
vfs_glusterfs_fuseファイルシステム (FUSE) のモジュールにより、Samba が GlusterFS ボリュームにアクセスする際にパフォーマンスが向上します。このモジュールを有効にするには、/etc/samba/smb.confファイルの共有のvfs_objectsパラメーターにglusterfs_fuseを追加します。vfs_glusterfs_fuseは、既存のvfs_glusterfsモジュールに置き換えられるわけではないことに注意してください。 - サーバーメッセージブロック (SMB) クライアントの Python バインディングは非推奨となり、今後の Samba リリースでは削除されます。これは、Samba Python バインディングを使用して独自のユーティリティーを書き込むユーザーにのみ適用されます。
smbd サービス、nmbd サービス、または winbind サービスが起動すると、Samba は tdb データベースファイルを自動的に更新します。Samba を起動する前にデータベースファイルをバックアップします。Red Hat は、tdb データベースファイルのダウングレードをサポートしていないことに注意してください。
主な変更の詳細は、更新前のアップストリームのリリースノート https://www.samba.org/samba/history/samba-4.10.0.html を参照してください。