6.9. サーバーおよびサービス
mysql_install_db
を使用した MariaDB の手動初期化に失敗しなくなる
MariaDB データベースを初期化する mysql_install_db
スクリプトは、/usr/libexec/
ディレクトリーから resolveip
バイナリーを呼び出しますが、バイナリーは /usr/bin/
に置かれています。したがって、mysql_install_db
を使用したデータベースの手動初期化に失敗していました。今回の更新で、mysql_install_db
が修正され、resolveip
が正しく特定されるようになりました。そのため、mysql_install_db
を使用した MariaDB の手動初期化に失敗しなくなりました。
(BZ#1731062)
ReaR
更新
RHEL 7.8 では、ReaR
(Relax-and-Recover) ユーティリティーへの更新が多数追加されました。
ビルドディレクトリーの処理が変更になりました。以前のリリースでは、ReaR
に障害が発生した場合に、build ディレクトリーが一時的な場所に保持されていました。今回の更新で、非対話的な実行で build ディレクトリーがデフォルトで削除され、ディスク領域が消費されなくなりました。
KEEP_BUILD_DIR
設定変数のセマンティクスが拡張され、新しい errors
値が追加されるようになりました。KEEP_BUILD_DIR
変数を以下の値に設定できます。
-
errors
- エラーのある build ディレクトリーを保存を保存してデバッグする (以前の動作) -
y
(true
) - 常に build ディレクトリーを保持する -
n
(false
) - build ディレクトリーを保持しない
デフォルト値は空の文字列です。これは、ReaR
を対話的に (端末内で) 実行した場合に errors
を、ReaR
を非対話的に実行する場合は false
として処理されます。KEEP_BUILD_DIR
は、デバッグモード (-d
) とデバッグスクリプトモード (-D
) では自動的に true
に設定され、この動作は変更されていません。
以下は、主なバグ修正です。
- NetBackup 8.0 のサポートが修正されました。
-
ReaR
は、ユーザー、グループ、グループごとのユーザー数が多いシステムで、xrealloc: cannot allocate
と同様なバッシュエラーで中断されなくなりました。 -
bconsole
コマンドで、プロンプトが表示され、Bacula 統合の使用時に復元操作を実行できるようになりました。 -
ReaR
は、docker
サービスが実行中ではあるものの、docker
の root ディレクトリーが定義されていない状況や、docker
サービスのステータスが判断できない場合に、正しくファイルをバックアップするようになりました。 - 移行モードでシンプールを使用したり、システムを復旧したりする場合にリカバリーに失敗しなくなりました。
-
LVM を使用した回復プロセス時に
initramfs
の再設定が非常に遅くなる問題が修正されました。