7.8. GUI を使用したボンディング接続の作成
GNOME control-center ユーティリティーを使用して、NetworkManager に、2 つ以上の有線または InfiniBand 接続からボンドを作成するように指示できます。最初にボンディングする接続を作成する必要はありません。それは、ボンディングを設定するためのプロセスで設定できます。設定プロセスを完了するには、利用可能なインターフェイスの MAC アドレスが必要です。
7.8.1. ボンド接続の確立
手順7.1 nm-connection-editor を使用して新規ボンド接続を追加する
新規ボンド接続を作成するには、以下のステップに従います。
- 端末に nm-connection-editor と入力します。
~]$ nm-connection-editor
- Add ボタンをクリックします。Choose a Connection Type ウィンドウが表示されます。Bond を選択し、Create を クリックします。ボンディング接続 1の編集 ウィンドウが表示されます。
図7.6 NetworkManager グラフィカルユーザーインターフェイスの Bond 追加メニュー
[D] - Bond タブで をクリックし、ボンド接続で使用するインターフェイスのタイプを選択します。 ボタンをクリックします。ポートタイプを選択するダイアログが表示されるのは、最初のポートを作成する時のみです。その後は、すべてのポートに同じタイプが自動的に使われます。
- bond0 スレーブ 1 の編集 ウィンドウが表示されます。デバイス MAC アドレス ドロップダウンメニューを使用して、ボンディングするインターフェイスの MAC アドレスを選択します。最初のポートの MAC アドレスがボンドインターフェイス用の MAC アドレスとして使用されます。必要な場合は、ボンドの MAC アドレスとして使用するクローンした MAC アドレスを入力します。 ボタンをクリックします。
図7.7 NetworkManager グラフィカルユーザーインターフェイスのボンド接続追加メニュー
[D] - ボンディングされたポートの名前が Bond connections ウィンドウに表示されます。 ボタンをクリックして、さらにポート接続を追加します。
- 設定を確認してから Save ボタンをクリックします。
- 以下の「Bond タブの設定」を参照して、ボンド固有の設定を編集します。
手順7.2 既存のボンド接続を編集する
既存のボンド接続を編集するには以下のステップに従います。
- 端末に nm-connection-editor と入力します。
~]$ nm-connection-editor
- 編集する接続を選択し、Edit ボタンをクリックします。
- General タブを選択します。
- 接続名、自動接続の動作、および可用性のセッティングを設定します。編集 ダイアログの 5 つの設定は、すべての接続の種類に共通です。全般 タブ:
- 接続名: ネットワーク接続のわかりやすい名前を入力します。この名前は、Network ウィンドウのメニューでこの接続を一覧表示するために使用されます。
- Automatically connect to this network when it is available - このボックスを選択すると、NetworkManager が利用可能なときにこの接続に自動接続します。詳細は、「control-center を使用した既存の接続の編集」を参照してください。
- All users can connect to this network - このボックスを選択すると、システム上のすべてのユーザーが 利用できる接続が作成されます。この設定を変更するには、root 権限が必要になる場合があります。詳細は、「GUI を使用したシステム全体およびプライベート接続プロファイルの管理」を参照してください。
- Automatically connect to VPN when using this connection - このボックスを選択すると、NetworkManager が利用可能なときに VPN 接続に自動接続します。ドロップダウンメニューから VPN を選択します。
- ファイアウォールゾーン - ドロップダウンメニューからファイアウォールゾーンを選択します。ファイアウォールゾーンに関する詳細情報は、『Red Hat Enterprise Linux 7 セキュリティーガイド』を参照してください。
- 以下の「Bond タブの設定」を参照して、ボンド固有の設定を編集します。
新規 (または修正した) 接続を保存して他の設定を行う
ボンド接続の編集が終わったら、保存 ボタンをクリックしてカスタマイズした設定を保存します。
そして、以下のいずれかの設定をします。
- または
7.8.1.1. Bond タブの設定
新規のボンド接続をすでに追加している場合(手順は 手順7.1「nm-connection-editor を使用して新規ボンド接続を追加する」 を参照)、Bond タブを編集して、負荷分散モードと、ポート接続の失敗を検出するのに使用するリンク監視のタイプを設定できます。
- Mode
- ボンドを設定するポート接続でのトラフィック共有に使われるモード。デフォルトは ラウンドロビン です。
802.3ad
などの他のロード共有モードは、ドロップダウンリストで選択できます。 - リンク監視
- ネットワークトラフィックを伝送するポートの能力を監視する方法。
以下の負荷分散モードは、モード ドロップダウンリストから選択できます。
- ラウンドロビン
- 耐障害性とロードバランシングにラウンドロビンポリシーを設定します。利用可能な最初のインターフェイスからそれぞれのボンディングされたポートインターフェイスで送受信が順次行われます。このモードは、仮想マシンのブリッジの背後では追加のスイッチ設定がないと機能しない可能性があります。
- アクティブバックアップ
- 耐障害性のためアクティブなバックアップポリシーを設定します。利用可能になった最初のボンディングされたポートインターフェイスにより送受信が行われます。別のボンディングされたポートインターフェイスは、アクティブなボンディングされたポートインターフェイスに障害が発生した場合にのみ使用されます。これは、InfiniBand デバイスのボンドで利用可能な唯一のモードです。
- XOR
- XOR (排他的理論和) を設定します。送受信は選択されたハッシュポリシーに基づいて行われます。デフォルトでは、送信元と宛先の MAC アドレスの XOR にポートインターフェイス数のモジュロを掛けてハッシュを導出します。このモードでは、宛先が特定のピアになっているトラフィックは常に同一インターフェイスで送信されます。宛先は MAC アドレスで決められるので、この方法は同一リンクまたはローカルネットワーク上にあるピアが宛先のトラフィックに最適なものです。トラフィックが単一ルーターを通過する必要がある場合は、このトラフィックバランスのモードは最適ではなくなります。
- ブロードキャスト
- 耐障害性にブロードキャストポリシーを設定します。すべての送信は、すべてのポートインターフェイスで行われます。このモードは、仮想マシンのブリッジの背後では追加のスイッチ設定がないと機能しない可能性があります。
- 802.3ad
- IEEE
802.3ad
動的リンクアグリゲーションポリシーを設定します。同一の速度とデュプレックス設定を共有するアグリゲーショングループを作成します。アクティブなアグリゲーターのすべてのポートで送受信を行います。802.3ad
に準拠するネットワークスイッチが必要です。 - 適応送信のロードバランシング
- 耐障害性とロードバランシングのための適応型送信ロードバランシング (TLB) ポリシーを設定します。発信トラフィックは、各ポートインターフェイスの現在の負荷に従って分散されます。受信トラフィックは、現在のポートにより受信されます。受信ポートに障害が発生すると、障害が発生したポートの MAC アドレスを別のポートが引き継ぎます。このモードは、カーネルボンディングモジュールが認識しているローカルアドレスにのみ、適したものになります。このため、仮想マシンのブリッジの背後では使用できません。
- 適応ロードバランス
- 耐障害性とロードバランシングに適応型ロードバランシング (ALB) ポリシーを設定します。
IPv4
トラフィック用の送受信負荷分散が含まれます。ARP
ネゴシエーションにより、受信負荷分散を実現します。このモードは、カーネルボンディングモジュールが認識しているローカルアドレスにのみ、適したものになります。このため、仮想マシンのブリッジの背後では使用できません。
以下のリンク監視のタイプは、Link Monitoring ドロップダウンリストから選択できます。ボンディングされたインターフェイスでどのチャンネルボンディングのモジュールパラメーターが最適な動作をするかテストするとよいでしょう。
- MII (Media Independent Interface)
- インターフェイスのキャリア波の状態を監視します。これには、ドライバーをクエリーするか、MII レジスターに直接クエリーするか、ethtool を使用してデバイスにクエリーを実行します。利用可能な 3 つのオプションは以下のとおりです。
- 監視周期
- ドライバーもしくは MII レジスターへのクエリーの間隔時間 (ミリ秒単位)
- 接続遅延
- up とレポートされたリンクの使用を試みるまでの待機時間 (ミリ秒単位)。この遅延は、リンクが 「up」 として報告される直後に、一部の Gratuitous
ARP
要求が期間内に失われる場合に使用できます。これが発生するのは、たとえばスイッチ初期化などの間です。 - 接断遅延
- これまでアクティブだったリンクが「down」とレポートされた際に、別のリンクに変更するまでの待ち時間 (ミリ秒単位)。アタッチされたスイッチがバックアップモードに変更するまで比較的長い時間がかかる場合に、この遅延は使用できます。
- ARP
- アドレス解決プロトコル(
ARP
)は、1 つ以上のピアをプローブし、リンク層接続がどのように機能しているかを判断するために使用されます。これは、送信開始時間および最終受信時間を提供しているデバイスドライバーに依存しています。以下の 2 つのオプションがあります。- 監視周期
ARP
リクエストを送信する間隔(ミリ秒単位)。- ARP ターゲット
ARP
要求を送信するIP
アドレスのコンマ区切りリスト。