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9.3. コマンドラインインターフェイス (CLI) の使用

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9.3.1. ブリッジングカーネルモジュールがインストールされているかの確認

Red Hat Enterprise Linux 7 では、ブリッジングモジュールはデフォルトで読み込まれています。必要に応じて、root で以下のコマンドを実行して、モジュールがロードされていることを確認することができます。
~]# modprobe --first-time bridge
modprobe: ERROR: could not insert 'bridge': Module already in kernel
モジュールについての情報を表示するには、以下のコマンドを実行します。
~]$ modinfo bridge
コマンドオプションについては、modprobe (8) の man ページを参照してください。

9.3.2. ネットワークブリッジの作成

ネットワークブリッジを作成するには、/etc/sysconfig/network-scripts/ ディレクトリーに ifcfg-brN という名前のファイルを作成し、N0 などのインターフェイスの番号に置き換えます。
ファイルのコンテンツは、イーサネットインターフェイスなどブリッジされるインターフェイスがどのようなタイプでも類似したものになります。相違点は、以下のとおりです。
  • DEVICE ディレクティブは、brN 形式の引数としてインターフェイス名を指定しています。N はインターフェイスの数に置き換えます。
  • TYPE ディレクティブには、引数 Bridge が指定されています。このディレクティブは、デバイスタイプと、引数が大文字/小文字を区別するかを決定します。
  • ブリッジインターフェイス設定ファイルには IP アドレスが割り当てられますが、物理インターフェイスの設定ファイルには MAC アドレスのみが必要です(以下を参照)。
  • 追加のディレクティブ DELAY=0 が加えられ、ブリッジがトラフィックを監視し、ホストの位置を学習し、フィルタリング機能の基になる MAC アドレステーブルを構築する間に、ブリッジが待機することを回避します。ルーティングループが可能でない場合は、デフォルトの 15 秒遅延は不要です。

例9.1 ifcfg-br0 インターフェイス設定ファイルの例

以下は、静的 IP アドレスを使用したブリッジインターフェイスの設定ファイルの例になります。
DEVICE=br0
TYPE=Bridge
IPADDR=192.168.1.1
PREFIX=24
BOOTPROTO=none
ONBOOT=yes
DELAY=0
ブリッジを完成するには、別のインターフェイスを作成するか既存のインターフェイスを修正して、これをブリッジインターフェイスに向けます。

例9.2 ifcfg-enp1s0 インターフェイス設定ファイルの例

以下の例は、イーサネットインターフェイス設定ファイルをブリッジインターフェイスに向けたものです。/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-device_name で物理インターフェイスを設定します。device_name はインターフェイスの名前です。
DEVICE=device_name
TYPE=Ethernet
HWADDR=AA:BB:CC:DD:EE:FF
BOOTPROTO=none
ONBOOT=yes
BRIDGE=br0
オプションで、NAME ディレクティブを使って名前を指定することもできます。名前が指定されていない場合、NetworkManager プラグインである ifcfg-rh は、Type Interface の形式で接続プロファイルの名前を作成します。この例では、ブリッジの名前が Bridge br0 であることを意味します。または、NAME=bridge-br0ifcfg-br0 ファイルに追加されると、接続プロファイルの名前は bridge-br0 になります。
注記
DEVICE ディレクティブでは、デバイスの種類を判断しないため、ほとんどすべてのインターフェイス名を使用できます。TYPE=Ethernet は必須ではありません。TYPE ディレクティブが設定されていない場合、(名前が明確に異なるインターフェイス設定ファイルと合致していなければ) そのデバイスはイーサネットデバイスとして扱われます。
ディレクティブでは、大文字と小文字は区別されます。
HWADDR ディレクティブを使用してハードウェアまたは MAC アドレスを指定すると、11章ネットワークデバイス命名における一貫性 で説明されているようにデバイスの命名手順に影響します。
警告
リモートホスト上でブリッジ設定をしていて、そのホストへの接続に設定中の物理 NIC を使用している場合、この先に進む前に接続が切断された場合の影響を検討してください。サービスを再起動する際には接続が失われ、エラーが発生すると接続を再確立することができない場合があります。コンソールもしくは帯域外のアクセスが推奨されます。
新規または最近設定したインターフェイスを開くには、
ifup device
の形式で root でコマンドを実行します。このコマンドは、NetworkManager が実行されているかどうかを検出し、nmcli con load UUID を呼び出して、nmcli con up UUID を呼び出します。
または、すべてのインターフェイスを再読み込みするには、root で以下のコマンドを実行します。
~]# systemctl restart network
このコマンドは、ネットワークサービスを停止し、ネットワークサービスを起動してから、ONBOOT=yes の ifcfg ファイルすべてに対して ifup を呼び出します。
注記
デフォルトの動作では、NetworkManager は ifcfg ファイルへの変更を認識せず、インターフェイスが次に起動するまで古い設定データを引き続き使用します。これは、NetworkManager.conf ファイルの monitor-connection-files オプションで設定されます。詳細は、NetworkManager.conf (5) man ページを参照してください。

9.3.3. ボンドを使ったネットワークブリッジ

ボンディングされた 2 つ以上のイーサネットインターフェイスで形成されたネットワークブリッジの例を示します。ボンディングインターフェイスの設定ファイルを理解していない場合は、「チャンネルボンディングインターフェイスの作成」を参照してください。
ボンディングする 2 つ以上のイーサネットインターフェイスの設定ファイルを、以下のように作成または編集します。
DEVICE=interface_name
TYPE=Ethernet
SLAVE=yes
MASTER=bond0
BOOTPROTO=none
HWADDR=AA:BB:CC:DD:EE:FF
注記
interface_name をインターフェイス名として使用することは一般的ですが、ほとんどすべての名前を使用することができます。
以下のように、インターフェイス設定ファイル /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond0 を作成または編集します。
DEVICE=bond0
ONBOOT=yes
BONDING_OPTS='mode=1 miimon=100'
BRIDGE=brbond0
ボンディングモジュールの設定に関する指示およびアドバイスとボンディングパラメーターのリストについては、「チャンネルボンディングの使用」を参照してください。
インターフェイス設定ファイル /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-brbond0 を以下のように作成または編集します。
DEVICE=brbond0
ONBOOT=yes
TYPE=Bridge
IPADDR=192.168.1.1
PREFIX=24
MASTER=bond0 ディレクティブを持つ 2 つ以上のインターフェイス設定ファイルができました。これらは、DEVICE=bond0 ディレクティブを含む /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bond0 という名前の設定ファイルを参照します。この ifcfg-bond0 は、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-brbond0 設定ファイルを参照します。これには IP アドレスが含まれ、ホスト内の仮想ネットワークへのインターフェイスとして機能します。
新規または最近設定したインターフェイスを開くには、
ifup device
の形式で root でコマンドを実行します。このコマンドは、NetworkManager が実行されているかどうかを検出し、nmcli con load UUID を呼び出して、nmcli con up UUID を呼び出します。
または、すべてのインターフェイスを再読み込みするには、root で以下のコマンドを実行します。
~]# systemctl restart network
このコマンドは、ネットワークサービスを停止し、ネットワークサービスを起動してから、ONBOOT=yes の ifcfg ファイルすべてに対して ifup を呼び出します。
注記
デフォルトの動作では、NetworkManager は ifcfg ファイルへの変更を認識せず、インターフェイスが次に起動するまで古い設定データを引き続き使用します。これは、NetworkManager.conf ファイルの monitor-connection-files オプションで設定されます。詳細は、NetworkManager.conf (5) man ページを参照してください。
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