5.3. wpa_supplicant および NetworkManagerでの MACsec の使用


Media Access Control Security (MACsec、IEEE 802.1AE)は、LAN 内のすべてのトラフィックを GCM-AES-128 アルゴリズムで暗号化および認証します。MACsec は、IP だけでなく、ARP (Address Resolution Protocol)、ND (Neighbor Discovery)、または DHCP も保護できます。IPsec はネットワーク層(レイヤー 3)および SSL または TLS 上でアプリケーション層(レイヤー 7)で動作しますが、MACsec はデータリンク層(レイヤー 2)で動作します。MACsec と他のネットワーク層のセキュリティープロトコルを組み合わせて、これらの標準が提供するさまざまなセキュリティー機能を利用します。
事前に共有されている CAK/CKN (Connectivity Association Key/CAK Name)ペアを使用して認証を実行するスイッチを使用して MACsec を有効にするには、以下を実行します。
手順
  1. CAK/CKN ペアを作成します。たとえば、次のコマンドにより、16 バイトの鍵が 16 進数表記で生成されます。
    ~]$ dd if=/dev/urandom count=16 bs=1 2> /dev/null | hexdump -e '1/2 "%02x"'
  2. wpa_supplicant.conf 設定ファイルを作成し、次の行を追加します。
    ctrl_interface=/var/run/wpa_supplicant
    eapol_version=3
    ap_scan=0
    fast_reauth=1
    
    network={
        key_mgmt=NONE
        eapol_flags=0
        macsec_policy=1
    
        mka_cak=0011... # 16 bytes hexadecimal
        mka_ckn=2233... # 32 bytes hexadecimal
    }
    前の手順の値を使用して、wpa_supplicant.conf 設定ファイルの mka_cak 行と mka_ckn 行を完了します。
    詳細は、man ページの wpa_supplicant.conf (5) を参照してください。
  3. wlp61s0 を使用してネットワークに接続している場合は、以下のコマンドを使用して wpa_supplicant を起動します。
    ~]# wpa_supplicant -i wlp61s0 -Dmacsec_linux -c wpa_supplicant.conf
Red Hat では、wpa_supplicant.conf ファイルを作成および編集する代わりに、nmcli コマンドを使用して、前述の手順と同じように wpa_supplicant を設定することを推奨します。以下の例では、すでに 16 バイトの 16 進数 CAK ($MKA_CAK)と 32 バイトの 16 進数 CKN ($MKA_CKN)があることを前提としています。
~]# nmcli connection add type macsec \
  con-name test-macsec+ ifname macsec0 \
  connection.autoconnect no \
  macsec.parent wlp61s0 macsec.mode psk \
  macsec.mka-cak $MKA_CAK \
  macsec.mka-cak-flags 0 \
  macsec.mka-ckn $MKA_CKN

~]# nmcli connection up test-macsec+
この手順の後に、macsec0 デバイスを設定してネットワーク設定に使用する必要があります。
詳細は、What's new in MACsec: setting up MACsec using wpa_supplicant and (optionally) NetworkManagerの記事を参照してください。さらに、MACsec ネットワークのアーキテクチャー、ユースケースシナリオ、設定例の詳細は、MACsec: a different solution to encrypt network traffic の記事を参照してください。
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