付録B キックスタートのコマンドおよびオプションのリファレンス
このリファレンスは、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでサポートされているすべてのキックスタートコマンドの完全なリストです。コマンドは、いくつかのカテゴリーに分かれ、アルファベット順に記載されています。コマンドが複数のカテゴリーに該当する場合は、該当するすべてのカテゴリーに記載されます。
B.1. キックスタートの変更
以下のセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 8 におけるキックスタートコマンドおよびオプションの変更を説明します。
RHEL 8 で auth または authconfig が非推奨に
authconfig
ツールおよびパッケージが削除されたため、Red Hat Enterprise Linux 8 では、キックスタートコマンドの auth
または authconfig
が非推奨になっています。
コマンドラインで実行した authconfig
コマンドと同様、キックスタートスクリプトの authconfig
コマンドが authselect-compat
ツールを使用して、新しい authselect
ツールを実行するようになりました。この互換性層や、その既知の問題の説明は、authselect-migration(7)
の man ページを参照してください。このインストールプログラムは、非推奨のコマンドの使用を自動的に検出し、互換性層を提供する authselect-compat
パッケージをインストールします。
キックスタートで Btrfs がサポート対象外に
Red Hat Enterprise Linux 8 は、Btrfs ファイルシステムに対応していません。そのため、グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) およびキックスタートコマンドが Btrfs に対応しなくなりました。
以前の RHEL リリースのキックスタートファイルの使用
以前の RHEL リリースのキックスタートファイルを使用する場合は、Red Hat Enterprise Linux 8 BaseOS リポジトリーおよび AppStream リポジトリーの詳細について、Considerations in adopting RHEL 8 の Repositories のセクションを参照してください。
B.1.1. キックスタートで非推奨になったコマンドおよびオプション
次のキックスタートのコマンドとオプションが、Red Hat Enterprise Linux 8 で非推奨になりました。
特定のオプションだけがリスト表示されている場合は、基本コマンドおよびその他のオプションは引き続き利用でき、非推奨ではありません。
-
auth
またはauthconfig
(代わりにauthselect
を使用) -
device
-
deviceprobe
-
dmraid
-
install
(サブコマンドまたはメソッドをコマンドとして直接使用) -
multipath
-
bootloader --upgrade
-
ignoredisk --interactive
-
partition --active
-
reboot --kexec
-
syspurpose
- 代わりにsubscription-manager syspurpose
を使用してください
auth
コマンドまたは authconfig
コマンドを除き、キックスタートファイルのコマンドを使用すると、ログに警告が出力されます。
inst.ksstrict
ブートオプションで、auth
コマンドまたは authconfig
コマンドを除いた非推奨のコマンドの警告をエラーに変えることができます。
B.1.2. キックスタートから削除されたコマンドおよびオプション
次のキックスタートのコマンドとオプションが、Red Hat Enterprise Linux 8 から完全に削除されました。キックスタートファイルでこれを使用すると、エラーが発生します。
-
device
-
deviceprobe
-
dmraid
-
install
(サブコマンドまたはメソッドをコマンドとして直接使用) -
multipath
-
bootloader --upgrade
-
ignoredisk --interactive
-
partition --active
-
harddrive --biospart
-
upgrade
(このコマンドはすでに非推奨になっています) -
btrfs
-
part/partition btrfs
-
part --fstype btrfs
またはpartition --fstype btrfs
-
logvol --fstype btrfs
-
raid --fstype btrfs
-
unsupported_hardware
特定のオプションおよび値だけが表示されている場合は、基本コマンドおよびその他のオプションは引き続き利用でき、削除されません。