C.2. ネットワーク起動オプション


シナリオでローカルイメージから起動するのではなく、ネットワーク経由でイメージから起動する必要がある場合は、次のオプションを使用してネットワーク起動をカスタマイズできます。

注記

dracut ツールを使用してネットワークを初期化します。dracut オプションの完全なリストは、システムの dracut.cmdline(7) man ページを参照してください。

ip=

ip= 起動オプションは、1 つ以上のネットワークインターフェイスを設定します。複数のインターフェイスを設定するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • インターフェイスごとに 1 回ずつ、ip オプションを複数回使用します。これを行うには、rd.neednet=1 オプションを使用し、bootdev オプションを使用してプライマリーブートインターフェイスを指定します。
  • ip オプションを 1 回使用してから、Kickstart を使用してさらにインターフェイスを設定します。このオプションでは、複数の形式が使用できます。以下の表は、最も一般的なオプションの情報が含まれます。

以下の表では、下記の点を前提としています。

  • ip パラメーターはクライアントの IP アドレスを指定し、IPv6 には角括弧が必要です (例: 192.0.2.1 または [2001:db8::99])。
  • gateway パラメーターはデフォルトゲートウェイになります。IPv6 には角括弧必要です。
  • netmask パラメーターは使用するネットマスクです。完全ネットマスク (255.255.255.0 など) または接頭辞 (64 など) を使用できます。
  • hostname パラメーターはクライアントシステムのホスト名です。このパラメーターは任意です。

    表C.3 ネットワークインターフェイスを設定するためのブートオプション形式
    起動オプションの形式設定方法

    ip=method

    全インターフェイスの自動設定

    ip=interface:method

    特定インターフェイスの自動設定

    ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:none

    静的設定 (例: IPv4 ip=192.0.2.1::192.0.2.254:255.255.255.0:server.example.com:enp1s0:none)

    IPv6: ip=[2001:db8::1]::[2001:db8::fffe]:64:server.example.com:enp1s0:none

    ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:method:mtu

    オーバーライドを使用した特定インターフェイスの自動設定

    自動インターフェイスの設定方法

    オーバーライドを使用した特定インターフェイスの自動設定 では、dhcp など、指定した自動設定方法を使用してインターフェイスを起動しますが、自動取得した IP アドレス、ゲートウェイ、ネットマスク、ホスト名、他のパラメーターなどで指定したものは無効にします。パラメーターはすべて任意となるため、無効にするパラメーターだけを指定します。

    method パラメーターには、以下のいずれかを使用します。

    DHCP
    dhcp
    IPv6 DHCP
    dhcp6
    IPv6 自動設定
    auto6
    iBFT (iSCSI Boot Firmware Table)
    ibft
    注記
    • ip オプションを指定せずに、inst.ks=http://host/path などのネットワークアクセスを必要とするブートオプションを使用する場合、ip オプションのデフォルト値は ip=dhcp です。
    • iSCSI ターゲットに自動的に接続するには、ip=ibft ブートオプションを使用して、ターゲットにアクセスするネットワークデバイスをアクティブ化します。
    nameserver=

    nameserver= オプションは、ネームサーバーのアドレスを指定します。このオプションは複数回使用できます。

    注記

    ip= パラメーターには角括弧が必要です。ただし、IPv6 アドレスには角括弧が使用できません。IPv6 アドレスに使用する正しい構文は nameserver=2001:db8::1 のようになります。

    bootdev=
    bootdev= オプションは、起動インターフェイスを指定します。このオプションは、ip オプションを複数回使用する場合に必要になります。
    ifname=

    ifname= オプションは、特定の MAC アドレスを持つネットワークデバイスにインターフェイス名を割り当てます。このオプションは複数回使用できます。構文は、ifname=interface:MAC です。以下に例を示します。

    ifname=eth0:01:23:45:67:89:ab
    注記

    ifname= オプションは、インストール中にカスタムのネットワークインターフェイス名を設定する際にサポートされる唯一の方法となります。

    inst.dhcpclass=
    inst.dhcpclass= オプションは、DHCP のベンダークラス識別子を指定します。dhcpd サービスでは、この値は vendor-class-identifier として認識されます。デフォルト値は anaconda-$(uname -srm) です。inst.dhcpclass= オプションが正しく適用されるようにするには、インストールの早い段階で ip オプションも追加してネットワークのアクティブ化を要求します。
    inst.waitfornet=
    inst.waitfornet=SECONDS 起動オプションを使用すると、インストールシステムは、ネットワーク接続を待ってからインストールします。SECONDS 引数で指定する値は、ネットワーク接続がない場合でもすぐにはタイムアウトにせず、ネットワーク接続を待ち続け、インストールプロセスを継続する最大秒数を表します。
    vlan=

    vlan= オプションを使用して、仮想 LAN (VLAN) デバイスに特定の名前を付け、指定インターフェイスにそのデバイスを設定します。構文は vlan=name:interface です。以下に例を示します。

    vlan=vlan5:enp0s1

    これにより、enp0s1 インターフェイスに vlan5 という名前の VLAN デバイスが設定されます。name は以下のような形式をとります。

  • VLAN_PLUS_VID: vlan0005
  • VLAN_PLUS_VID_NO_PAD: vlan5
  • DEV_PLUS_VID: enp0s1.0005
  • DEV_PLUS_VID_NO_PAD: enp0s1.5

    bond=

    bond= オプションを使用して、bond=name[:interfaces][:options] 構文でボンディングデバイスを設定します。name はボンディングデバイス名に置き換え、interfaces は物理 (イーサネット) インターフェイスのコンマ区切りリストに置き換え、options はボンディングオプションのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。

    bond=bond0:enp0s1,enp0s2:mode=active-backup,tx_queues=32,downdelay=5000

    利用可能なオプションのリストは、ボンディングコマンド modinfo を実行します。

    team=

    team= オプションを使用して、team=name:interfaces 構文でチームデバイスを設定します。チームデバイスの基礎となるインターフェイスとして使用されるように、name はチームデバイスの望ましい名前に、interfaces は物理 (イーサネット) デバイスのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。

    team=team0:enp0s1,enp0s2
    bridge=

    bridge= オプションを使用して、bridge=name:interfaces 構文でブリッジデバイスを設定します。ブリッジデバイスの基礎となるインターフェイスとして使用されるように、name はブリッジデバイスの望ましい名前に、interfaces は物理 (イーサネット) デバイスのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。

    bridge=bridge0:enp0s1,enp0s2
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