17.11. qeth デバイスの永続的な追加


新規の qeth デバイスを永続化するには、新規のインターフェイス用に設定ファイルを作成する必要があります。ネットワークインターフェイスの設定ファイルは /etc/sysconfig/network-scripts/ ディレクトリーにあります。

ネットワーク設定ファイルには、命名規則の ifcfg-device を使用します。device は、以前作成した qeth グループデバイスの if_name ファイルで見つかった値 (例: enc9a0) です。cio_ignore コマンドは、永続的なデバイス設定に応じて透過的に処理されるため、無視するリストからデバイスを手動で解放する必要はありません。

同じタイプの別のデバイスの設定ファイルがすでに存在する場合は、それを新しい名前にコピーしてから編集するのが、設定ファイルを追加するのに一番簡単な方法です。

# cd /etc/sysconfig/network-scripts
# cp ifcfg-enc9a0 ifcfg-enc600

お使いのネットワークデバイスの ID を確認するには、lsqeth ユーティリティーを使用します。

# lsqeth -p
devices                    CHPID interface        cardtype       port chksum prio-q'ing rtr4 rtr6 lay'2 cnt
-------------------------- ----- ---------------- -------------- ---- ------ ---------- ---- ---- ----- -----
0.0.09a0/0.0.09a1/0.0.09a2 x00   enc9a0    Virt.NIC QDIO  0    sw     always_q_2 n/a  n/a  1     64
0.0.0600/0.0.0601/0.0.0602 x00   enc600    Virt.NIC QDIO  0    sw     always_q_2 n/a  n/a  1     64

同様のデバイスをこれまでに定義していない場合は、新規のファイルを作成する必要があります。次の /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-0.0.09a0 の例を、テンプレートとして使用してください。

# IBM QETH
DEVICE=enc9a0
BOOTPROTO=static
IPADDR=10.12.20.136
NETMASK=255.255.255.0
ONBOOT=yes
NETTYPE=qeth
SUBCHANNELS=0.0.09a0,0.0.09a1,0.0.09a2
PORTNAME=OSAPORT
OPTIONS='layer2=1 portno=0'
MACADDR=02:00:00:23:65:1a
TYPE=Ethernet

新規の ifcfg-0.0.0600 ファイルを以下のように編集します。

  1. DEVICE ステートメントを、ccw グループの if_name ファイルの内容を反映するように変更します。
  2. IPADDR の記述を修正して、新しいインターフェイスの IP アドレスを反映させます。
  3. 必要に応じて NETMASK の記述を修正します。
  4. 新しいインターフェイスを起動時にアクティブにするには、ONBOOTyes に設定されていることを確認します。
  5. SUBCHANNELS の記述が qeth デバイスのハードウェアアドレスと一致していることを確認します。
  6. PORTNAME の記述を修正するか、使用環境に不要であれば除外します。
  7. OPTIONS パラメーターに、有効な sysfs 属性とその値を追加できます。現在、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、これを使用してレイヤーモード (layer2) と、qeth デバイスの関連ポート番号 (portno) を設定します。

    OSA デバイス用の qeth デバイスドライバーのデフォルトは、現在のところレイヤー 2 モードです。以前のデフォルトであるレイヤー 3 モードに依存する旧式の ifcfg 定義を継続して使用するには、layer2=0OPTIONS パラメーターに追加します。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-0.0.0600

# IBM QETH
DEVICE=enc600
BOOTPROTO=static
IPADDR=192.168.70.87
NETMASK=255.255.255.0
ONBOOT=yes
NETTYPE=qeth
SUBCHANNELS=0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
PORTNAME=OSAPORT
OPTIONS='layer2=1 portno=0'
MACADDR=02:00:00:b3:84:ef
TYPE=Ethernet

ifcfg ファイルの変更は、システムの再起動後か、システムの I/O 設定の変更による新規のネットワークデバイスの動的な追加 (たとえば、z/VM 下で接続) の後でのみ反映されます。もしくは、アクティブになっていなかったネットワークチャネルに以下のコマンドを実行して、ifcfg ファイルのアクティベーションを開始できます。

  1. cio_ignore ユーティリティーを使用して、無視されるデバイスのリストからネットワークチャネルを削除し、それが Linux から見えるようにします。

    # cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id

    read_device_bus_idwrite_device_bus_id、および data_device_bus_id は、ネットワークデバイスを表す 3 つのデバイスバス ID に置き換えます。たとえば、read_device_bus_id0.0.0600 で、write_device_bus_id0.0.0601 で、data_device_bus_id0.0.0602 の場合は、以下のようになります。

    #  cio_ignore -r 0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
  2. 次に変更をアクティベートする uevent を開始します。

    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/read-channel/uevent

    以下に例を示します。

    # echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.0600/uevent
  3. ネットワークデバイスのステータスを確認します。

    # lsqeth
  4. ここで新しいインターフェイスを開始します。

    # ifup enc600
  5. インターフェイスのステータスを確認します。

    # ip addr show enc600
    3: enc600:  <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
    link/ether 3c:97:0e:51:38:17 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 10.85.1.245/24 brd 10.34.3.255 scope global dynamic enc600
    valid_lft 81487sec preferred_lft 81487sec
    inet6 1574:12:5:1185:3e97:eff:fe51:3817/64 scope global noprefixroute dynamic
    valid_lft 2591994sec preferred_lft 604794sec
    inet6 fe45::a455:eff:d078:3847/64 scope link
    valid_lft forever preferred_lft forever
  6. 新しいインターフェイスのルーティングを確認します。

    # ip route
    default via 10.85.1.245 dev enc600  proto static  metric 1024
    12.34.4.95/24 dev enp0s25  proto kernel  scope link  src 12.34.4.201
    12.38.4.128 via 12.38.19.254 dev enp0s25  proto dhcp  metric 1
    192.168.122.0/24 dev virbr0  proto kernel  scope link  src 192.168.122.1
  7. ping ユーティリティーを使用し、ゲートウェイ、または新規デバイスのサブネットにある別のホストに ping して、変更を確認します。

    # ping -c 1 192.168.70.8
    PING 192.168.70.8 (192.168.70.8) 56(84) bytes of data.
    64 bytes from 192.168.70.8: icmp_seq=0 ttl=63 time=8.07 ms
  8. デフォルトのルート情報を変更した場合は、それに応じて /etc/sysconfig/network も更新する必要があります。

関連情報

  • システム上の nm-settings-keyfile man ページ
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