10.7. lpadmin ユーティリティーを使用した CUPS へのプリンターの追加
ユーザーが CUPS 経由で印刷できるようにするには、事前にプリンターを追加する必要があります。ネットワークプリンターと、USB 経由などで CUPS ホストに直接接続されているプリンターの両方を使用できます。
CUPS ドライバーレス機能を使用するか、PostScript Printer Description (PPD) ファイルを使用してプリンターを追加できます。
CUPS はドライバーレス印刷を優先しており、ドライバーの使用は非推奨です。
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は、mDNS レスポンダーにクエリーを実行することでリクエストを解決する、Name Service Switch Multicast DNS プラグイン (nss-mdns
) を提供しません。そのため、RHEL では、mDNS を使用したローカルドライバーレスプリンターの自動検出とインストールは利用できません。この問題を回避するには、1 台のプリンターを手動でインストールするか、cups-browsed
を使用してリモートプリントサーバーで使用可能な多数の印刷キューを自動的にインストールします。
前提条件
- CUPS が設定されている。
- プリンターがドライバーレス印刷をサポートしている (この機能を使用する場合)。
- プリンターが、ポート 631 (IPP)、9100 (ソケット)、または 515 (LPD) でデータを受信する。ポートは、プリンターへの接続に使用する方法によって異なります。
手順
CUPS にプリンターを追加します。
ドライバーレスサポートを使用してプリンターを追加するには、次のように入力します。
# lpadmin -p Demo-printer -E -v ipp://192.0.2.200/ipp/print -m everywhere
お使いのプリンターで
-m everything
オプションが機能しない場合は、-m driverless:<uri>
を試してください (例:-m driverless:ipp://192.0.2.200/ipp/print
)。ドライバーレスサポートを使用してリモートプリントサーバーのキューを追加するには、次のように入力します。
# lpadmin -p Demo-printer -E -v ipp://192.0.2.201/printers/example-queue -m everywhere
お使いのプリンターで
-m everything
オプションが機能しない場合は、-m driverless:<uri>
を試してください (例:-m driverless:ipp://192.0.2.200/printers/example-queue
)。ファイル内のドライバーを使用してプリンターを追加するには、次のように入力します。
# lpadmin -p Demo-printer -E -v socket://192.0.2.200/ -P /root/example.ppd
ファイル内のドライバーを使用してリモートプリントサーバーのキューを追加するには、次のように入力します。
# lpadmin -p Demo-printer -E -v ipp://192.0.2.201/printers/example-queue -P /root/example.ppd
ローカルドライバーデータベース内のドライバーを使用してプリンターを追加するには、次の手順を実行します。
データベース内のドライバーをリスト表示します。
# lpinfo -m ... drv:///sample.drv/generpcl.ppd Generic PCL Laser Printer ...
データベース内のドライバーへの URI を使用してプリンターを追加します。
# lpadmin -p Demo-printer -E -v socket://192.0.2.200/ -m drv:///sample.drv/generpcl.ppd
これらのコマンドでは、次のオプションを使用します。
-
-p <printer_name>
: CUPS 内のプリンターの名前を設定します。 -
-E
: プリンターを有効にします。CUPS はそのプリンターのジョブを受け付けます。このオプションは-p
の後に指定する必要があることに注意してください。詳細は、man ページのオプションの説明を参照してください。 -
-v <uri>
: プリンターまたはリモートプリントサーバーキューへの URI を設定します。 -
-m <driver_uri>
: ローカルドライバーデータベースから取得した指定のドライバー URI に基づいて PPD ファイルを設定します。 -
-P <PPD_file>
: PPD ファイルへのパスを設定します。
検証
使用可能なプリンターを表示します。
# lpstat -p printer Demo-printer is idle. enabled since Fri 23 Jun 2023 09:36:40 AM CEST
テストページを印刷します。
# lp -d Demo-printer /usr/share/cups/data/default-testpage.pdf