3.3. Samba をスタンドアロンサーバーとして設定
Samba は、ドメインのメンバーではないサーバーとして設定できます。このインストールモードでは、Samba はユーザーを中央 DC ではなくローカルデータベースに認証します。また、ゲストアクセスを有効にして、ユーザーが、認証なしで 1 つまたは複数のサービスに接続できるようにすることもできます。
3.3.1. スタンドアロンサーバーのサーバー設定の設定
Samba スタンドアロンサーバーのサーバー設定を設定できます。
手順
samba
パッケージをインストールします。# yum install samba
/etc/samba/smb.conf
ファイルを編集して、以下のパラメーターを設定します。[global] workgroup = Example-WG netbios name = Server security = user log file = /var/log/samba/%m.log log level = 1
この設定では、
Example-WG
ワークグループに、スタンドアロンサーバー (Server
) を定義します。また、この設定により最小レベル (1
) でのログ記録が可能になり、ログファイルは/var/log/samba/
ディレクトリーに保存されます。Samba は、log file
パラメーターの%m
マクロを、接続しているクライアントの NetBIOS 名までデプロイメントします。これにより、クライアントごとに個別のログファイルが有効になります。オプション: ファイルまたはプリンターの共有を設定します。参照:
/etc/samba/smb.conf
ファイルを検証します。# testparm
認証が必要な共有を設定する場合は、ユーザーアカウントを作成します。
詳細は ローカルユーザーアカウントの作成および有効化 を参照してください。
firewall-cmd
ユーティリティーを使用して必要なポートを開き、ファイアウォール設定を再読み込みします。# firewall-cmd --permanent --add-service=samba # firewall-cmd --reload
smb
サービスを有効にして起動します。# systemctl enable --now smb
関連情報
-
システム上の
lvm.conf(5)
man ページ
3.3.2. ローカルユーザーアカウントの作成および有効化
共有への接続時にユーザーが認証を行えるようにするには、オペレーティングシステムと Samba データベースの両方で Samba ホストにアカウントを作成する必要があります。Samba では、ファイルシステムオブジェクトでアクセス制御リスト (ACL) を検証するオペレーティングシステムアカウントと、接続ユーザーの認証を行う Samba アカウントが必要です。
passdb backend = tdbsam
のデフォルト設定を使用すると、Samba はユーザーアカウントを /var/lib/samba/private/passdb.tdb
データベースに保存します。
example
という名前のローカル Samba ユーザーを作成できます。
前提条件
- Samba が、スタンドアロンサーバーとしてインストールされている。
手順
オペレーティングシステムアカウントを作成します。
# useradd -M -s /sbin/nologin example
このコマンドは、ホームディレクトリーを作成せずに、
example
アカウントを追加します。アカウントが Samba への認証のみに使用される場合は、/sbin/nologin
コマンドをシェルとして割り当て、アカウントがローカルでログインしないようにします。オペレーティングシステムのアカウントにパスワードを設定して、これを有効にします。
# passwd example Enter new UNIX password:
password
Retype new UNIX password:password
passwd: password updated successfullySamba は、オペレーティングシステムのアカウントに設定されたパスワードを使用して認証を行いません。ただし、アカウントを有効にするには、パスワードを設定する必要があります。アカウントが無効になると、そのユーザーが接続した時に Samba がアクセスを拒否します。
Samba データベースにユーザーを追加し、そのアカウントにパスワードを設定します。
# smbpasswd -a example New SMB password:
password
Retype new SMB password:password
Added user example.このアカウントを使用して Samba 共有に接続する場合に、このパスワードを使用して認証を行います。
Samba アカウントを有効にします。
# smbpasswd -e example Enabled user example.