第23章 開発とトラブルシューティングに Toolbx を使用する
システムにソフトウェアをインストールすると、システムの動作が変更したり、不要になったファイルやディレクトリーが残されたりするなど、一定のリスクが生じます。ベースオペレーティングシステムに影響を与えることなく、お気に入りの開発およびデバッグツール、エディター、ソフトウェア開発キット (SDK) を、完全に変更可能な Toolbx コンテナーにインストールすることで、これらのリスクを回避できます。less
、lsof
、rsync
、ssh
、sudo
、unzip
などのコマンドを使用して、ホストシステム上で変更を実行できます。
Toolbx ユーティリティーは次のアクションを実行します。
-
registry.access.redhat.com/ubi9/toolbox:latest
イメージをローカルシステムにプルする - イメージからコンテナーを起動する
- コンテナー内でシェルを実行し、そこからホストシステムにアクセスできる
Toolbx は、Toolbx コンテナーを作成したユーザーの権限に応じて、ルートコンテナーまたはルートレスコンテナーを実行できます。ホストシステムでルート権限を必要とするユーティリティーも、ルートコンテナーで実行する必要があります。
デフォルトのコンテナー名は rhel-toolbox
です。
23.1. Toolbx コンテナーの起動
toolbox create
コマンドを使用して Toolbx コンテナーを作成できます。その後、toolbox enter
コマンドを使用してコンテナーに入ることができます。
手順
Toolbx コンテナーを作成します。
ルートレスユーザーとして:
$ toolbox create <mytoolbox>
ルートユーザーとして:
$ sudo toolbox create <mytoolbox> Created container: <mytoolbox> Enter with: toolbox enter
正しいイメージを取得したことを確認します。
[user@toolbox ~]$ toolbox list IMAGE ID IMAGE NAME CREATED fe0ae375f149 registry.access.redhat.com/ubi{ProductVersion}/toolbox 5 weeks ago CONTAINER ID CONTAINER NAME CREATED STATUS IMAGE NAME 5245b924c2cb <mytoolbox> 7 minutes ago created registry.access.redhat.com/ubi{ProductVersion}/toolbox:8.9-6
Toolbx コンテナーに入ります。
[user@toolbox ~]$ toolbox enter <mytoolbox>
検証
<mytoolbox>
コンテナー内でコマンドを実行し、コンテナーの名前とイメージを表示します。⬢ [user@toolbox ~]$ cat /run/.containerenv engine="podman-4.8.2" name="<mytoolbox>" id="5245b924c2cb..." image="registry.access.redhat.com/ubi{ProductVersion}/toolbox" imageid="fe0ae375f14919cbc0596142e3aff22a70973a36e5a165c75a86ea7ec5d8d65c"