第12章 キックスタートを使用した Satellite からの RHEL の登録およびインストール
本セクションでは、キックスタートを使用して、システムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当て、Red Hat Satellite からインストールする方法を説明します。
12.1. Satellite からの RHEL の登録およびインストール
この手順では、キックスタートコマンドの rhsm
を使用して、システムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当て、Satellite インスタンスからインストールする方法を説明します。また、システムの目的を設定し、システムを Red Hat Insights に接続する方法についても説明します。キックスタートコマンド rhsm
は、システムの登録時にカスタムの %post
スクリプトを使用する要件を削除します。
- Satellite のインストールは、Boot ISO イメージファイルおよび DVD ISO イメージファイルでサポートされています。ただし、Boot ISO イメージファイルのインストールソースのデフォルトは Satellite であるため、Boot ISO イメージファイルを使用することが推奨されます。
- システム登録後に使用されるインストールソースリポジトリーは、システムの起動方法により異なります。詳細は、Installation source repository after the system registration を参照してください。
- サブスクリプションは、システムがアクセスできる Satellite ホストリポジトリーを管理するため、キックスタートファイルではリポジトリー設定は必要ありません。
前提条件
- システムが Satellite インスタンスにアクセスできるネットワークに接続されている。
- Red Hat Satellite Server のバージョンが 6.11 以降である
- キックスタートファイルを作成し、リムーバブルメディア、ディスク、または HTTP(S)、FTP、NFS サーバーを使用するネットワーク上の場所のインストールプログラムから使用できるようにしてある。
- インストールするシステムからアクセス可能な場所にキックスタートファイルがある。
- 組織 ID、アクティベーションキー、および使用する Satellite 6.11 インスタンスの URL が手元にあります。
- 必要な BaseOS および AppStream RPM リポジトリーを有効にし、同期し、コンテンツビューに追加した。
- アクティベーションキーのリリースバージョンが 9.x に設定されており、その中で関連するコンテンツビューが選択されている。
手順
- キックスタートファイルを開きます。
このファイルに、
rhsm
キックスタートコマンドとそのオプションを追加します。- 組織 (必須)
組織 ID を入力します。以下に例を示します。
--organization=1234567
注記セキュリティー上の理由から、Satellite から登録してインストールする場合、Red Hat のユーザー名およびパスワードアカウントの詳細はキックスタートではサポートされていません。
- アクティベーションキー (必須)
アクティベーションキーを入力します。サブスクリプションにアクティベーションキーが登録されている限り、複数の鍵を使用できます。以下に例を示します。
--activation-key="Test_key_1" --activation-key="Test_key_2"
- Red Hat Insights (任意)
ターゲットシステムを Red Hat Insights に接続します。
注記Red Hat Insights は SaaS (Software-as-a-Service) 製品で、継続的に、登録済みの Red Hat ベースのシステムに詳細な分析を提供し、物理環境、仮想環境、クラウド環境、およびコンテナーデプロイメントでセキュリティー、パフォーマンス、および安定性に関する脅威をプロアクティブに特定します。インストーラー GUI を使用した手動インストールとは異なり、キックスタートの使用時には、Red Hat Insights への接続はデフォルトで有効になっていません。
以下に例を示します。
--connect-to-insights
- HTTP プロキシー (任意)
HTTP プロキシーを設定します。以下に例を示します。
--proxy="user:password@hostname:9000"
注記ホスト名のみが必須です。認証のないデフォルトポートでプロキシーを実行する必要がある場合は、オプションが
--proxy="hostname"
になります。- サーバーのホスト名
- 注記
サーバーのホスト名には HTTP プロトコル (例:
nameofhost.com
) は必要ありません。Satellite インスタンスに登録する場合はサーバーのホスト名を設定します。以下に例を示します。
--server-hostname="nameofhost.com"
- システムの目的 (任意)
次のコマンドを使用して、システムの目的のロール、SLA、使用方法を設定します。
syspurpose --role="Red Hat Enterprise Linux Server" --sla="Premium" --usage="Production"
- 例
次の例では、すべてのキックスタートコマンドの
rhsm
オプションを含む最小限のキックスタートファイルを表示しています。graphical lang en_US.UTF-8 keyboard us rootpw 12345 timezone America/New_York zerombr clearpart --all --initlabel autopart syspurpose --role="Red Hat Enterprise Linux Server" --sla="Premium" --usage="Production" rhsm --organization="12345" --activation-key="test_key" --connect-to-insights --server-hostname="nameofhost.com" --proxy="user:password@hostname:9000" reboot %packages vim %end
- キックスタートファイルを保存し、インストールプロセスを開始します。
検証手順
システムがインストールされ、再起動し、端末ウィンドウが開いたら、システムが Satellite に登録されていることを確認できます。
端末ウィンドウで、root ユーザーとして以下のコマンドを入力します。
# subscription-manager list Installed Product Status Product Name: Red Hat Enterprise Linux for x86_64 Product ID: 486 Version: 9 Arch: x86_64 Status: Subscribed Status Details Starts: 11/4/2019 Ends: 11/4/2020
詳細なレポートを表示するには、以下を実行します。
# subscription-manager list --consumed
関連情報
- システムの目的の設定
- キックスタートインストールの開始
- Red Hat Insights product documentation
-
Red Hat Subscription Management を使用するためのアクティベーションキーについて。Subscription Manager の HTTP プロキシーの設定については、
subscription-manager
man ページのPROXY CONFIGURATION
セクションを参照してください。