B.8. システム復旧用キックスタートコマンド
このセクションのキックスタートコマンドは、インストールされたシステムを修復します。
B.8.1. rescue
キックスタートコマンドの rescue
は任意です。これは、root 権限を備えたシェル環境と、インストールを修復して次のような問題のトラブルシューティングを行うための一連のシステム管理ツールを提供します。
- ファイルシステムを読み取り専用としてマウントする
- ドライバーディスクで提供されているドライバーを拒否リスト登録または追加する
- システムパッケージをインストールまたはアップグレードする
- パーティションを管理する
キックスタートレスキューモードは、systemd およびサービスマネージャーの一部として提供されるレスキューモードおよび緊急モードとは異なります。
rescue
コマンドは、システム自体を変更することはありません。読み取り/書き込みモードでシステムを /mnt/sysimage の下にマウントすることにより、レスキュー環境を設定するだけです。システムをマウントしないか、読み取り専用モードでマウントするかを選択できます。
構文
rescue [--nomount|--romount]
オプション
-
--nomount
または--romount
- インストールを完了したシステムをレスキュー環境でマウントする方法を制御します。デフォルトでは、インストールプログラムによりシステムの検出が行われてから、読み取りと書き込みのモードでシステムのマウントが行われ、マウントされた場所が通知されます。オプションでマウントを行わない (--nomount
オプション)、または読み取り専用モードでマウントする (--romount
オプション) のいずれかを選択できます。指定できるのはどちらか一方です。
注記
レスキューモードを実行するには、キックスタートファイルのコピーを作成し、それに rescue
コマンドを含めます。
rescue
コマンドを使用すると、インストーラーは次の手順を実行します。
-
%pre
スクリプトを実行します。 レスキューモードの環境をセットアップします。
以下のキックスタートコマンドが有効になります。
- updates
- sshpw
- logging
- lang
- network
高度なストレージ環境を設定します。
以下のキックスタートコマンドが有効になります。
- fcoe
- iscsi
- iscsiname
- nvdimm
- zfcp
システムをマウントします。
rescue [--nomount|--romount]
%post スクリプトを実行します。
この手順は、インストールされたシステムが読み取り/書き込みモードでマウントされている場合にのみ実行されます。
- シェルを開始します。
- システムを再起動します。