5.2. NFS サーバーでキックスタートファイルの準備
この手順では、キックスタートスクリプトファイルを NFS サーバーに格納する方法を説明します。この方法を使用すると、キックスタートファイルに物理メディアを使用することなく、1 つのソースから複数のシステムをインストールできます。
前提条件
- ローカルネットワーク上の Red Hat Enterprise Linux 9 を使用するサーバーへの管理者レベルのアクセス権限がある。
- インストールするシステムがサーバーに接続できる。
- サーバー上のファイアウォールがインストール先のシステムからの接続を許可している。
手順
root で以下のコマンドを実行して、
nfs-utils
パッケージをインストールします。# dnf install nfs-utils
- キックスタートファイルを、NFS サーバーのディレクトリーにコピーします。
テキストエディターで
/etc/exports
ファイルを開き、以下の構文の行を追加します。/exported_directory/ clients
/exported_directory/ を、キックスタートファイルを保存しているディレクトリーのフルパスに置き換えます。clients の代わりに、この NFS サーバーからインストールするコンピューターのホスト名または IP アドレス、すべてのコンピューターが ISO イメージにアクセスするためのサブネットワーク、またはネットワークアクセスのあるコンピューターが NFS サーバーにアクセスして ISO イメージを使用できるようにする場合はアスタリスク記号 (
*
) を使用します。このフィールドの形式に関する詳細は、exports(5) の man ページを参照してください。/rhel9-install/
ディレクトリーを、すべてのクライアントに対する読み取り専用として使用できるようにする基本設定は次のようになります。/rhel9-install *
-
/etc/exports
ファイルを保存して、テキストエディターを終了します。 nfs サービスを起動します。
# systemctl start nfs-server.service
/etc/exports
ファイルに変更を加える前にサービスを稼働していた場合は、以下のコマンドを実行して、稼働中の NFS サーバーで設定を再ロードします。# systemctl reload nfs-server.service
キックスタートファイルは NFS 経由でアクセス可能になり、インストールに使用できるようになりました。
キックスタートソースを指定する場合は、プロトコルに nfs:
を使用して、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号 (:
)、およびそのファイルを保存しているディレクトリーを指定します。たとえば、サーバーのホスト名が myserver.example.com
で、そのファイルを /rhel9-install/my-ks.cfg
に保存した場合、指定するインストールソースの起動オプションは inst.ks=nfs:myserver.example.com:/rhel9-install/my-ks.cfg
となります。