第1章 概要
本書では、次の CDN チャンネルからの更新について説明します。
- Atomic Host - Atomic Host - OSTree の累積的なイメージベースの更新、ostree の構築と管理に使用するツールを含む個々の RPM の更新、およびコンテナーアプリケーションの使用を可能にする OSTree コンポーネント (cockpit-ostree や openscap など) の更新を提供します。ただし、このような RPM をダウンロードして Red Hat Enterprise Linux で使用することはできません。
- Extras-7 - コンテナー関連の RPM の更新を提供します。そのほとんどは、RHEL Atomic Host の OSTree の一部としても利用できます。アスタリスク (*) が付いたパッケージは、Red Hat Enterprise Linux でのみ利用可能であり、Atomic Host OSTree の一部ではありません。このチャンネルは、Red Hat Enterprise Linux に基づく公式のコンテナーイメージの更新も配信します。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host サイクルの詳細は、https://access.redhat.com/support/policy/updates/extras/ を参照してください。
公式の Red Hat コンテナーイメージはすべて Red Hat レジストリー から入手できます。
RHEL Atomic Host を最新の OSTree に更新するには、atomic host upgrade コマンドを実行します。
1.1. Red Hat Enterprise Linux Atomic Host
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host は、Linux コンテナーの実行のために最適化された安全かつ軽量で、フットプリントを最小限に抑えたオペレーティングシステムです。Linux コンテナーをサポートする以下のツールがプリインストールされています。
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docker
- 事実上どこでも実行できる、軽量でポータブルな自己完結型のコンテナーとして、あらゆるアプリケーションのデプロイメントを自動化するオープンソースエンジン。 -
atomic
- Atomic ホストのエントリーポイントを定義します。 -
etcd
- 共有設定用の高可用性キー値ストアを提供します。 -
Flannel
- etcd 駆動型のアドレス管理エージェントが含まれています。このエージェントは、相互に通信する必要があるコンテナーを実行しているシステム間のオーバーレイネットワークの IP アドレスを管理します。
Red Hat Enterprise Linux Atomic Host は、以下のテクノロジーを利用します。
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OSTree
およびrpm-OSTree
- これらのプロジェクトは、アトミックアップグレードとロールバック機能を提供します。 -
systemd
- 起動時間の短縮とオーケストレーションの容易化を可能にする Linux 用の新しい init システム。 -
SELinux
- 完全なマルチテナントセキュリティーを提供するためにデフォルトで有効になっています。
また、Red Hat Enterprise Linux では個別の Extras パッケージとして、Red Hat Enterprise Linux Atomic Host では cockpit-ws
コンテナーイメージとして、Cockpit を利用できます。Cockpit は、Web ブラウザーを介して Red Hat Enterprise Linux サーバーを簡単に管理できるようにするサーバー管理インターフェイスです。