4.6. ERS リソースグループの設定


4.6.1. ERS インスタンスの仮想 IP アドレスを管理するためのリソースの作成

ERS インスタンスは、アプリケーションサーバーから直接アクセスされるわけではありませんが、現在 HA クラスターノードで実行中の ERS インスタンスに SAP 管理ツールが接続できるように、仮想 IP が必要です。したがって、ある HA クラスターノードから別の HA クラスターノードに (A)SCS インスタンスが移動する際は、インスタンスに割り当てられた仮想 IP アドレスをクラスターが移動する必要があります。

このためには、仮想 IP を管理するリソースを、ERS インスタンスの管理に使用するリソースグループの一部として作成する必要があります。

HA クラスターが実行されているプラットフォームに基づいて、仮想 IP アドレスを管理するための適切なリソースエージェントを使用してください。 

物理サーバーまたは仮想マシンでは、IPaddr2 リソースエージェントを使用してリソースを作成できます。

[root@node1]# pcs resource create s4h_vip_ers29 IPaddr2 ip=192.168.200.102 --group s4h_ERS29_group

4.6.2. ERS インスタンスディレクトリーを管理するためのリソースの作成

SAP では、インスタンスディレクトリーが、インスタンスが実行されている HA クラスターノード上でのみ使用可能であることが必要であるため、インスタンスディレクトリーに使用されるファイルシステムを管理するための HA クラスターリソースをセットアップする必要があります。 

注記

インスタンスディレクトリーが NFS に格納されている場合でも、HA クラスターが、SAP インスタンスを実行すべき HA クラスターノードにのみ NFS エクスポートをマウントできるように、リソースを作成する必要があります。

4.6.2.1. NFS

ERS インスタンスのインスタンスディレクトリーが NFS にある場合は、ERS インスタンスを管理するためのリソースグループの一部としてそのインスタンスディレクトリーを管理するリソースを、次のコマンドで作成できます。

[root@node1]# pcs resource create s4h_fs_ers29 Filesystem device='<NFS_Server>:<s4h_ers29_nfs_share>' directory=/usr/sap/S4H/ERS29 fstype=nfs force_unmount=safe --group s4h_ERS29_group \
  op start interval=0 timeout=60 \
  op stop interval=0 timeout=120 \
  op monitor interval=200 timeout=40

4.6.2.2. HA-LVM

HA-LVM を使用して ERS インスタンスのインスタンスディレクトリーを管理する場合は、記事 What is a Highly Available LVM (HA-LVM) configuration and how do I implement it? のガイドラインに従って設定する必要があります。

まず、LVM-activate クラスターリソースを追加し、次に Filesystem クラスターリソースを追加する必要があります。

[root@node1]# pcs resource create s4h_fs_ers29_lvm LVM-activate volgrpname='<ers_volume_group>' vg_access_mode=system_id --group s4h_ERS29_group

# pcs resource create s4h_fs_ers29 Filesystem device='/dev/mapper/<ers_logical_volume>' directory=/usr/sap/S4H/ERS29 fstype=ext4 --group s4h_ERS29_group

4.6.3. ERS インスタンスを管理するためのリソースの作成

ERS インスタンスクラスターリソースを作成します。

[root@node1]# pcs resource create s4h_ers29 SAPInstance InstanceName="S4H_ERS29_rhers" START_PROFILE=/sapmnt/S4H/profile/S4H_ERS29_rhers AUTOMATIC_RECOVER=false IS_ERS=true --group s4h_ERS29_group \
  op monitor interval=20 on-fail=restart timeout=60 \
  op start interval=0 timeout=600 \
  op stop interval=0 timeout=600
注記

ENSA1 デプロイメントの場合、IS_ERS=true 属性は必須です。IS_ERS の詳細は、How does the IS_ERS attribute work on a SAP NetWeaver cluster with Standalone Enqueue Server (ENSA1 and ENSA2)? を参照してください。

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